評     価  

 
       
File No. 1107  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年11月14日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   チャーリー・カウフマン  
       
上 映 時 間   124分  
       
公開時コピー   失敗続きで開き直っちゃったケイデンは、
自分の頭の中にあるNYを
本物のNYの中に作りはじめる。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   フィリップ・シーモア・ホフマン [as ケイデン・コタード]
サマンサ・モートン [as ヘイゼル]
ミシェル・ウィリアムズ [as クレア・キーン]
キャサリン・キーナー [as アデル・ラック]
エミリー・ワトソン [as タミー]
ダイアン・ウィースト [as ミリセント・ウィームズ]
ジェニファー・ジェイソン・リー [as マリア]
ロビン・ワイガート [as オリーヴ]
セイディ・ゴールドスタイン [as オリーヴ(少女時代)]
ホープ・デイヴィス [as マドレーヌ・グラヴィス]
トム・ヌーナン [as サミー・バーナサン]
 
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あ ら す じ    劇作家のケイデン・コタードは、画家の妻アデルと一人娘のオッリーヴの3人でニューヨークで暮らしていた。うわべは円満そのものですべてに満ち足りているように見えた家族だったが、高い評価を受けてはいるものの個性のない演出を惰性のように続ける夫ケイデンに、妻のアデルはもはや魅力を感じておらず、夫婦の間には深い溝ができていたのだった。
 そしてついにアデルはケイデンを見捨て、オリーヴを連れて親友のマリアと共に、ベルリンへと移り住んでしまう。アデルとオリーヴを失ったケイデンの寂しさを埋めてくれたのは、劇場の受付嬢でケイデンに思いを寄せていたヘイゼルだった。けれども、アデルに未練を残すケイデンはすべてを忘れてヘイゼルとの愛に没頭することができず、いつしか2人の関係はどちらからともなく自然消滅していった。
 ところが、そんな彼に転機が訪れる。別名“天才賞”とも言われるマッカーサー・フェロー賞受賞の知らせが届いたのだ。そしてケイデンは、その賞金をすべて注ぎ込んで前代未聞の企画を実行に移す決心をする。その企画とは、かれの頭の中にあるニューヨークを、現実のニューヨークに作り上げることだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    久しぶりに大ハズレだったかも・・・・・観る人が観れば面白いのかもしれないが、私にとっては全く理解の範疇外だった。前半はともかくとして、後半になると現実のNYとフィリップ・シーモア・ホフマン扮するケイデンの頭の中のNYの区別が付かなくなってきて、この設定は現実の関係だったか、それともケイデンのNYでの関係だったのかが混沌としてくる。加えて、登場人物も次々と増えていくために、ついには誰が何者なのかが判別不能になってしまった。早い話が、途中から話についていけなくなって、何が何だかワケがわからなくなってしまったのだ。おまけに、察するところ30〜40年の長い期間が描かれているためか、登場人物が次々と亡くなることといったら・・・・。
 そうなると上映時間がやたらと長く感じてしまうもので、3時間以上もの間ずっと座席に釘付けにされたような疲労感だけが残った。私にとって唯一の見所だったミシェル・ウィリアムズも、途中でお役ご免となりスクリーンから消えてしまった。おそらく、何度か観てみるならば意味もわかり、面白さも感じられるのだとは思うが、料金を払ってまでこの作品を再び劇場で観たいとは思えない。着眼点は面白いと思えるのだから、あたかも作り手のやりたいようにさせて、観る者の立場を顧みなかったのような独りよがりさが残念だ。