評     価  

 
       
File No. 1110  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年11月21日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   本広 克行  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   エスパーのお陰で、
地球はときどき回っていたりする。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   長澤 まさみ [as 桜井米]
三宅 弘城 [as 小山]
諏訪 雅 [as 河岡]
中川 晴樹 [as 筧]
辻 修 [as 椎名]
川島 潤哉 [as 井出]
岩井 秀人 [as 神田]
志賀 廣太郎 [as 早乙女]
寺島 進
松重 豊
甲本 雅裕
平田 満
木場 勝己
ユースケ・サンタマリア
升 毅
佐々木 蔵之介
 
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あ ら す じ    超常現象のバラエティ番組「あすなろサイキック」のAD桜井米はある日ディレクターから、視聴者の情報をもとに超常現象や超能力者を探すことを命じられた。けれども、カメラを手に意気揚々と全国を回ってみると、寄せられた情報にまともなものはなく、どれもこれもインチキばかりだった。
 その日米は毒グモに刺されてもへっちゃらな“へっちゃら男”を取材したが、男はクモの毒で救急車を呼ぶ始末。そのうえ、ネタを掴むまで戻ってくるなと米に命令したディレクターから、至急戻ってくるようにと正反対の命令が入る。米は仕方なくあと一つ残った情報を取材してから帰る決心をし、最後の取材場所である“カフェ・ド・念力”という奇妙ななの喫茶店へと向かった。
 その頃“カフェ・ド・念力”では、クリスマスを控えて年に一度本物のエスパーが集まる“エスパーパーティー”が開かれていた。それは、集まったエスパーたちが普段はひた隠しにしていた能力を披露し合う場だったのだ。そしてその日、超能力を修行中のマスター早乙女の元に集まった、サイコキネシスの河岡、透視の、テレパシーの椎名、エレキネシスの井出の4人は、マスターから言われた新メンバーの登場に期待を膨らませていた。
 4人の期待を一身に受けて店に現れたのは、細身の男神田だった。早速4人は自己紹介とばかりに自分たちの能力を神田に披露したが、そこへ忽然と瞬間移動で現れた男小山がマスターの言う新メンバーで、神田は何の能力も持たない普通の人間だった。それどころか、神田が店に訪れた理由は、エスパーとして米から取材を受けるためだったのだ。よりによって彼らにとっては天敵とも言うべき「あすなろサイキック」のADである米が店に取材に来ると知り、エスパーたちは余計な事を口走らないようにと神田を脅し、彼らの能力を米に悟られまいと画策するのだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    久しぶりの長澤まさみが主演する東宝作品。今まで彼女が主演した作品は、どちらかと言えば無理矢理彼女を全面に押し出そうとしたような印象が拭えなかったのだが、今回の『曲がれ!』は彼女を主演に据えながらも、7人(5人?)のエスパーたちを中心に描いている点に好感が持てる。
 そんなわけで、この作品は無理に長澤まさみ扮するADの桜井米を登場させなくとも、いわゆる“地上最弱のエスパー軍団”だけで充分面白い作品が出来たような気がしないでもない。中川晴樹扮する透視能力の持ち主・筧と、諏訪雅扮するサイコキネシスの河岡を中心に繰り広げられるエスパーたちのやりとりが面白く、ついつい長澤まさみ主演の映画であることを忘れてしまった。
 その長澤まさみだが、私は初めて彼女を観た時に演技が上手いと思っていたのだが、今ひとつ評判が芳しくなかったのは出演した作品の内容にも原因があると思う。そして、その考えは今回この『曲がれ!スプーン』を観て間違いじゃなかったと確信できた・・・・・と思う(笑)。『そのときは彼によろしく』や前作『群青』は確かにできが悪かったし、そのために彼女に対する興味までが薄れてしまうところだった。東宝に所属している女優であるということは、東宝作品に出演できるというメリットがある反面、演じる役柄に偏りがでてしまうというデメリットもある、いわば諸刃の剣であるのだろう。