評 価
File No.
1111
製作年 / 公開日
2009年 / 2009年11月21日
製 作 国
日 本
監 督
佐藤 祐市
上 映 時 間
101分
公開時コピー
みんながいるから、
頑張れる・・・のか!?
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
小池 徹平
[as 大根田真男(マ男)]
マイコ
[as 中西亜矢子]
池田 鉄洋
[as 井出哲也]
田中 圭
[as 木村翔太]
品川 祐
[as 阿部道大(リーダー)]
中村 靖日
[as 上原学]
千葉 雅子
[as 瀬古さだ子]
須賀 貴匡
[as 柴田]
朝加 真由美
[as 大根田佳子]
北見 敏之
[as 大根田真次]
森本 レオ
[as 黒井策士(社長)]
田辺 誠一
[as 藤田巧己]
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あ ら す じ
イジメのために高校を中退し、以来8年もの間引きこもり状態だった
大根田真男(おおねだ・まさお)
は、母
佳子
の死をきっかけに一念発起して就職活動に取り組んだ。しかし、プログラマの資格を取得したとはいえ中卒の学歴しかない真男は面接を受けても受けても不採用となるばかりだった。そんな中、優小さなIT企業の黒井システム株式会社の穏やかで優しそうな社長
黒井策士
が真男を採用してくれるという。黒井は真男と握手を交わし、「早く家族を喜ばせてあげなさい」と言う。ついに就職先が決まった真男は、それがこれから始まる地獄のような受難の日々への入り口であったことなど夢にも思わなかった。
社員の前で社長に「大根田マ男君」と紹介された真男は、以後職場でマ男と呼ばれるようになる。そして、リーダーの
阿部
に仕事を教わろうとすると、OJTだなどと言っていきなり仕事を押しつけるだけで何も教えようとしない。一見話せそうだった
井出
は阿部の小判鮫のような男だった。取引先へ行った交通費を請求しようとすると、お局様の
瀬古
は領収書をシュレッダーにかけてしまう。阿部や井出に仕事を押しつけられまくって、もはや精神に異常を来す寸前の
上原
。あり得ない仕事量にサービス残業・徹夜は当たり前。黒井システムは想像を絶するブラック会社だったのだ。
そんな中でマ男の心の支えとなったのは、唯一マトモな先輩社員
藤田
存在だった。マ男には、仕事も出来るうえに人格者でもある藤田のような有能な人材が、なぜこんな会社にいるのかが不思議で仕方なかった。しかし、そんな藤田の援護もあって、辛うじて仕事で成果を出していったマ男は、入社2週間でプロジェクト・リーダーに抜擢されることとなった。新しい女性社員
中西
や野心家で会社の乗っ取りを企てる
木村
も加わり、俄然職場は賑やかになってきた矢先、ついにマ男にとって限界が訪れる。彼の唯一の支えであった良き先輩の藤田が会社を辞めるというのだ・・・・・。
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たぴおか的コメント
ブラック会社がぁ・・・・・私が勤務している会社も、ブラック会社のチェックリストに当てはまる項目があるように思える、それも複数の項目が(笑)。所詮社員にとって不満を感じさせることのない会社などはほんの一握りあるかないかで(いや、社員に全く不満がない会社など存在しないのかもしれない)、たいていの会社はブラック会社となり得る可能性を孕んでいるということなのだろう。
それにしても、この作品のような極端な会社が現実に存在するとは思えないが、それよりもこんな会社が潰れずに存続していることが信じ難かった。ところが、その謎が最後の最後で明らかになるのだが、そこがこの作品最大の肝なのかもしれない。社員は使い捨ての駒であって、辞めていったとしてもこの不況の時代だけにいくらでも補充できるために痛くもかゆくもない、そんな採用側の利権を笠に着たブラック会社、それが黒井システムだったのだ。そして、この作品で最もブラックな人間は阿部や井出ではなく、森本レオ扮する社長の黒井だったのだ。ブラック会社・黒井システムの黒幕が策士・黒井社長で名前も策士とはあまりにハマリ過ぎている(笑)。いかにも温厚な人格者を装いながら、入社希望者に合格を言い渡した後に「Soldier Get〜♪」などと鼻歌を歌うこの男こそが諸悪の根源だったのだ。演じているのが森本レオだけに、いつもの役柄とのギャップがより一層黒井のブラックさを強調させているのがいいい。
品川祐扮する阿部道大は枕詞のように「馬鹿」を連発するのはちょっと耳障りで、唯一の華である中西を演じるのがマイコというのも、個人的には不満が残る。これはあくまで私の独断と偏見に満ちた意見ではあるが、もうちょっと誰もが認める綺麗どころをキャスティングできなかったものだろうか。あのマイコのルックスって、たとえば『山形スクリーム』の先生役のようなコミカルな役柄だったら我慢できるのだが、男の憧れの的のような役柄には絶対に不向きだと思うんだけどなぁ・・・・・。