評     価  

 
       
File No. 1122  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年12月18日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   オラントゥンデ・オスサンミ  
       
上 映 時 間   99分  
       
公開時コピー   信じられないのは、信じたくないだけなのか。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ミラ・ジョヴォヴィッチ [as アビゲイル・タイラー]
ウィル・パットン [as オーガスト保安官]
イライアス・コティーズ [as アベル・カンポス]
ハキーム・ケイ=カジーム
コーリイ・ジョンソン
エンゾ・シレンティ
 
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あ ら す じ    第1種接近遭遇(1st KIND)=目撃、第2種接近遭遇(2nd KIND)=痕跡、第3種接近遭遇(3rd KIND)=接触、そして第4種接近遭遇(4th KIND)=拉致・・・・・。
 2000年、アラスカ州のノーム。これまで多数の住民が行方不明になっており、60年代以降のFBIによる調査回数は2000回を越えるという町。心理学者アビゲイル・タイラーは夫を亡くし、2人の子供と共に暮らしていた。そんな彼女のもとに、不眠症の患者が次々と訪れるようになる。
 患者たちは誰もが「白いフクロウが自分をじっと見ている」と言う。アビゲイルは患者に催眠療法を試みるのだが、それがきっかけとなって思わぬ事件を引き起こすことになり、彼女はオーガスト保安官から嫌疑をかけられるようになる。
 そんな彼女自身もまた、催眠療法を受ける患者でもあった。思い出そうとしているのは、夫が殺された夜の記憶で、彼女は夫をえめった刺しに刺し殺した犯人の顔を思い出すのに必死になっていた。しかしやがて、別々の事象と思われた彼女の夫の殺害事件と患者たちの睡眠障害との間に、関連性があることに気づくのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    なんだか『X−ファイル』と『ブレアウィッチ・プロジェクト』を足して2で割ったようなイメージの作品。そして、超常現象は自分の目で見ない限り信じないのがポリシーの私としては、正直な感想を言わせてもらうならば、この作品はフィクションだと言わざるを得ない。そして、フィクション作品の中であると仮定してみても、やはりミラ嬢分するアビゲイルが本当に異星人と遭遇したというのは疑わしいし、娘が異星人によって拉致されたという彼女の言も著しく信憑性に欠ける。
 そもそも睡眠障害を訴える患者たちが口を揃えて言う“白いフクロウ”が眉唾物で、それが何か大きな意味を持つのかと思わせていて、結局は誰もが“白いフクロウ”ではない、と前言を撤回してしまう。そして、証拠であるビデオ録画にしても、肝心のシーンになるとことごとく画像が乱れて何も見えなくなってしまう始末だ。
 そして、ミラ嬢分する主人公アビゲイル・タイラーが心理学者であるものだから、催眠療法が頻繁に行われるのだが、この催眠療法というやつがさらに眉唾だ。催眠状態に陥った被験者を特定の意図の下に誘導することはたやすく、被験者に偽の記憶さえ刷り込むことさえ可能だという。術師に催眠術をかけられた者が術師の命ずるままの行動をとることは周知の事実であり、名は異なるが催眠療法もそれと根本的には何ら違わないワケだから、被験者の告白がいかに証拠能力に欠けるかは明らかだ。そして、そんな催眠療法を繰り返すうちに、被験者にとっては偽の記憶と実体験に基づく記憶との判別が不能になってしまうのだ。
 過去の記録映像と再現映像を並べて見せる手法を採っているが、これによって何らかの効果が得られるとは思えない。おそらくは、過去の記録映像を見せることによって、「事実だ」ということを強調したいのだろうが、残念ながら却って観る者を困惑させるだけの徒労に終わってしまっているようだ。
 余談になるが、冒頭でミラ嬢が「My name is Milla Jovovich」と自己紹介をしており、彼女は自分の名を「ミラ・ジョヴォヴィッチ」ではなく「ミラ・ヨヴォヴィッチ」と発音していた。そう言えば、あのスカーレット・ヨハンソン(Scarlet Johansson)も本国では「ヨハンソン」と発音する人と「ジョハンソン」と発音する人との2派に別れているようだ。