評　　　　 価 　

　
　 　 　 　
File No. 1125 　
　 　 　 　
製作年 ／ 公開日 　 2009年 ／ 2009年12月12日 　
　 　 　 　
製　　作　　国 　 日　　本 　
　 　 　 　
監　　　　　 督 　 西崎　義展 　
　 　 　 　
上　映　時　間 　 135分 　
　 　 　 　
公開時コピー 　 愛のために戦え！ 　

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最初に観たメディア 　

Theater

Television

Video
　
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キ　ャ　ス　ト
（声の出演） 		　 山寺 宏一 ［as 古代進］
伊武 雅刀 ［as ゴルイ将軍］
藤村 歩 ［as 古代美雪］
由愛 典子 ［as 古代雪］
茶風林 ［as 大村耕作］
古屋 徹 ［as 徳川太助］
伊藤 健太郎 ［as 上条了］
浪川 大輔 ［as 小林淳］
柚木 涼香 ［as 折原真帆］
野島 健児 ［as 桜井洋一］
山口 勝平 ［as 中西良平］
鳥海 浩輔 ［as 木下三郎］
高瀬 右光 ［as 郷田実］
大浦 冬華 ［as 佐々木美晴］
阪口 大助 ［as 天馬走／天馬翔］
青野 武 ［as 真田志郞］
置鮎 龍太郎 ［as 島次郎］
永井 一郎 ［as 佐渡酒造］
緒方 賢一 ［as アナライザー］
家中 宏 ［as メッツラー総督］
飯塚 昭三 ［as バルスマン総司令官］
田中 敦子 ［as イリヤ女王］
井上 和彦 ［as パスカル将軍］
子安 武人 ［as シーガル館長］ 		　
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あ　ら　す　じ 　 　西暦2217年。移動性のブラックホールの軌道が太陽系を通り、その際に地球も飲み込まれてしまうことが明らかになった。様々な対策が検討されたものの人類が助かる道はただひとつ、地球を捨てて他の惑星へ移住することだけだった。移住先に選ばれたのは、地球から2万7千光年離れたサイマル系の惑星アマールの衛星。地球消滅まで残り3ヶ月となった2220年、アマールへ向けての大規模な移民は開始される。
　科学連邦宇宙局の指揮の下、古代雪を責任者とした第1次移民船団が3億人の人々を乗せて地球を出発した。ところが、船団は謎の艦隊による襲撃を受けて消息を絶ってしまい、続いて出発した第2次船団もまた壊滅されてしまう。一方、かつては宇宙戦艦ヤマトの副艦長としてたびたび地球の危機を救い、今は貨物船の艦長を務める古代進は、移民船団の護衛艦から生存者を救出し、謎の敵が移民を妨害使用としていることをしり、急遽地球へと帰還した。古代はかつてヤマトの技術班長としてヤマトを支えた宇宙科学局の真田から、宇宙戦艦ヤマトの艦長として第3次移民船団の護衛責任者に命じられるのだった。
　17年前、アクエリアスによる水没から地球を守るために自爆したヤマトは、真田によって修復されると同時に以前よりもはるかにパワーアップされており、すぐにでも飛び立てる状態にあった。古代の指揮の下、かつて数々の戦場を戦い抜いた仲間に新たな戦士が加わり、ヤマトと移民船団はアマールを目指して地球を飛び立った。そして、過去2度の移民船団と同じ場所で敵襲を受ける。ヤマトの前に姿を現した敵の船団は、強大な兵力を誇るSUS国によって結成された複数の国家から構成される星間国家連合だった。彼らはSUSの謀略のもと、地球の移民船団を侵略と思い込まされて攻撃を仕掛けていたのだった。
　身を挺して移民船団を守ろうとするヤマトの戦いを見て、地球船団に対する攻撃を思いとどまった誇り高き戦士がいた。エトス星艦隊の指揮官ルゴイ将軍だった。かれのお陰で移民船団は無事ワープに入り、目的とするアマールへとたどり着くことができたのだった。しかし、地球人の移民を受け入れたアマールはSUSによる報復攻撃を受けてしまう。アマールもまた星間国家連合の傘下にあったのだ。アマールのパスカル将軍から手出しを禁じられていた古代は悩み苦しむが、SUSを倒さなければ宇宙の平和はないとSUSに対して宣戦を決意するのだった・・・・・。 		　
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たぴおか的コメント 　 　前作『完結編』から26年が経過して復活した宇宙戦艦ヤマト、これまでのようにセルに手書きで描かれた映像と異なり、フルCGで描かれた映像は見事としか言いようがない。その点のみに関しては文句なく前作までを遙かに上回る出来だ。とくに、ヤマトがアクエリアスから発進するシーンや、アマールの海に着水するシーンなどはまるで実写作品を観ているかのような錯覚にとらわれる。ただ、全体的に見ると、旧ヤマトのファンである私にとっては不満の方が大きかったのも事実だ。
　そもそも冒頭で大写しにされる「石原慎太郎（原案）」って、ありゃ一体何だ？ヤマトの「ヤ」の字すらわかっていないような政治屋が原案とはどういうことなのだろうか。それを観ただけで私は反感を覚えてしまった。そして、富山敬亡きあと古代進の声を担当したのが山寺宏一とは・・・・・どうしてもあのモジャモジャ頭の眼鏡顔が頭にちらついてしまい、違和感が拭えない。『クリスマス･キャロル』のスクルージの声は悪くなかったが、スクルージと古代進のようなファンにとって思い入れのあるキャラクターを一緒にしてもらっては困る。また、オープニングにあの懐かしいテーマ曲が流れるが、同じ曲を使うならばやっぱりささきいさおのあの重厚な声でなければいけない。そして、それよりも無残なのがエンディングに流れるテーマ曲。その歌を聴いた瞬間、そのあまりのド素人丸出しの聞くに堪えない下手な歌に腹立たしさを覚え、誰が歌っているのかと思った時に、主題歌を担当したのが私が死ぬほど嫌いな“THE ALFEE”であることを思い出した（私には“アル中”と呼ばれる人々の気持ちが全く理解不能）。そう、あの身の毛もよだつような「下手」という言葉をいくつ重ねても足りないような歌声（私はあれが歌だなんて絶対に認められない。あれは間違いなく騒音だ）は、高見沢俊彦の声だったのだ。あんなモノを聴かされては、余韻も何もあったもんじゃない、すべてをぶち壊す悪声以外の何物でもない。百万歩譲って“THE ALFEE”の主題歌を我慢するのなら、せめて桜井賢に歌って欲しかった。
　また、脚本が雑で粗が多く観られるのもツラい。ここからはネタバレになるため伏せておくので、読みたい方だけどうぞ。
　今回の敵SUS（何の略なのか全く不明）の目的は、彼らの世界つまり異次元には資源が全くない（枯渇したのではなく、「存在しない」と言っていた）ために、資源を確保することにあったと言うのだが・・・・・そもそも資源のない世界で科学が発達することはあり得ない。別次元への移動装置や次元転移装置を開発できるほどに科学力が発展するまでに費やされた資源をどこから得たというのか。いや、それ以前に資源が全く存在しない世界に生命が誕生するはずがないし、誕生しても即座に絶滅することは間違いない。つまり、異次元に関する設定があまりに浅はかなのだ。ヤマトのファンは30代～40代、それなりに知識や経験も積んだ世代の目を甘く見ないでもらいたい。そして、その敵の言動が理解不能なまでに支離滅裂。ブラックホールが次元転移装置であることをヤマトに教えることは百害あって一利なし。それを教えたばかりに、転移装置はヤマトの波動砲で粉砕されてしまっているのだ。いや、それを言う前に、移住しようという地球からの移民船団を撃滅することに何の意味もないではないか。地球人の移住など放っておけば、太陽系の資源はすべて難なく手に入っていたというのに。圧倒的な科学力を誇る者の奢りだけでは説明できない馬鹿さ加減としか言いようがない。
　戦闘シーンも今ひとつ迫力に欠けるのは、おそらくはCGを使ったことによる弊害とヤマトがあまりに強すぎるためだろう。敵SUSの方が圧倒的な科学力を誇っているのは明らかなのに、いとも簡単にヤマトの前に壊滅させられてしまう。異次元を使って姿を現してヤマトを攻撃する様は、まるでモグラ叩きのようで滑稽ですらあった。映像の技術ばかりが進歩してしまい中身が全く追いついていない、それが今回の『復活編』を観た正直な感想だ。にしても、この作品が『復活編』ということは、『○○編』として続編が制作されるのだろうが、驚いたことにこの作品は『復活編』のさらに第一部に過ぎないらしく、一体この後何本作るつもりなのだろうか？ただでさえ若い10代や20代には馴染みのない『宇宙戦艦ヤマト』で（事実、観客のほぼ全員が30代以上と思われた）、スタートがこの有様では続編を作るだけ無駄のような気がするのだが・・・・・。