評     価  

 
       
File No. 1129  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年01月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マーク・ウェブ  
       
上 映 時 間   96分  
       
公開時コピー   運命の恋なんて、
あるに決まってる。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ジョセフ・ゴードン=レヴィット [as トム]
ズーイー・デシャネル [as サマー]
ジェフリー・エアンド [as マッケンジー]
マシュー・グレイ・ガブラー [as ポール]
クロエ・グレース・モレッツ [as レイチェル・ハンセン]
クラーク・グレッグ [as ヴァンス]
レイチェル・ボストン [as アリソン]
ミンカ・ケリー
パトリシア・ベルチャー
イアン・リード・ケスラー
オリヴィア・ハワード・バッグ
イヴェット・ニコール・ブラウン
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    グリーティングカードの会社に勤めるライターのトムは、ある日会社のボスから紹介された新しいアシスタントのサマーを一目見た途端に恋に落ちた。これこそ運命の恋だと意気込むトムだったが、サマーはトムのことなどは眼中にすらない様子だった。それがサマーとの1日目。そして、2人が初めて言葉を交わしたのは4日目、エレベーターの中での出来事だった。トムのヘッドフォンから流れる曲を聴いたサマーが、「私もザ・スミスが大好き」だと言葉をかけてきたのだ。それから次第にサマーと言葉を交わすようになったトムは、カラオケパーティの席でサマーに質問した。「彼氏はいるの?」。
 トムの質問に対するサマーの答えは、「No」だったが、その後に彼女が続けた「恋人なんて欲しくない」という言葉に、トムはサマーとの間に高い壁があることを感じるのだった。けれども、帰り際にサマーはトムにこう言った。「私のことが好き?だったら友達になって」と。こうして、トムとサマーは“友達として”付き合うことになった。
 サマーとのデートを重ねたトムは、109日目についにサマーとベッドインした。サマーとの間の壁が一気に低くなったと感じるトムだったが、それでもサマーはトムとの関係を友達だという。やがて、次第に煮え切らない関係に苛立ちを感じ始めるトムは、サマーと会うことが減り、彼女との間に確実に隔たりができていることを感じてさらに苛立った。悪友のポールマッケンジーは女なんていくらでもいる、忘れてしまえと言うが、そう簡単に運命の恋の相手であるサマーを忘れることなど、トムには無理な相談だった。そんなトムにとどめを刺したのは、久しぶりに会ったサマーの左手の薬指に光るリングだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    予想通り、ズーイー・デシャネル扮する不思議ちゃんのサマーがキュートで魅力的。『イエスマン』以来完全にシャネラーならぬデシャネラーと化してしまった私は、再びこの作品でも彼女にやられてしまった。ただ、「やられてしまった」と言っても、今回はいつもとはちょっと意味が違うのだが・・・・・。
 確かに、ズーイー扮するサマーという女の子が私にとってストライクど真ん中なのは間違いないのだが、それと同時に都合のいい運命を期待していた私の気持ちは無残にも粉々に打ち砕かれてしまったのだ。トムと同じく、サマーの薬指のリングにショックを受けたし、パーティーから逃げるように立ち去ったトムの行動は、実は私自身が同じ立場に置かれたら絶対にそうしていた行動に他ならない。というのも、私も過去に好きな女性がいて(そりゃ過去に好きな女性くらい誰だっているだろう)、その女性がある日左手の薬指のリングをはずしたことに舞い上がり、まさにサマーに恋するトムそのままの幸せな気分でいたところ、ある日彼女の指に再びリングが光のを見て奈落の底へと突き落とされた経験があるのだ、恥ずかしながら。男なんて女性と違ってこと恋愛に関しては呆れるほどに単細胞で、ちょっとしたことで一喜一憂を繰り返す生き物なのだ。そんな私だから、新年早々に映画という仮想現実の中で、再び古傷をえぐられるような目に遭うなどとは夢にも思っていなくても当然だろう。そう、誰が何と言おうと、私はトムとサマーの恋が成就するハッピーエンド、つまりは自分に都合のいい結末を期待しかつ確信していたのだ。
 努力を惜しまなければ大抵のことは実現できる、そう希望的観測を抱く私にとっても、こと恋愛に関してだけは別、こればかりはいくら努力しても決して思うままには運ばない。そんな恋愛を重ねて人は成長していくのだろうが、当人にとって恋愛から受けた傷は極めてイタイ。時には世界が終わったとすら悲観してしまいかねない。恋愛の始まりから終わりまでを一気に体験させてくれるこの作品は、公平無私な立場から言えば新しい恋愛のバイブルとも言える存在だろうが、私自信にとってはほろ苦くてとってもイタイ(笑)。ちなみに、女性がこの作品を観たら、私のようにトムに感情移入するのではなく、やっぱりサマーの立場に立って恋愛を感じるものなのだろうか?その点が非常に興味深い。