評 価
File No.
1130
製作年 / 公開日
2009年 / 2010年01月09日
製 作 国
日 本 / 韓 国
監 督
キム・テギュン
上 映 時 間
122分
公開時コピー
本当の地獄は、
これからだ。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
石黒 英雄
[as 宮本明]
渡辺 大
[as 宮本篤]
水川 あさみ
[as 青山冷]
瀧本 美織
[as ユキ]
山本 耕史
[as 雅]
弓削 智久
[as 斉藤ケン]
森脇 史登
[as ポン]
足立 理
[as 西山]
半田 晶也
[as 加藤]
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あ ら す じ
高校生の
宮本明
は、ある日謎の女性
青山冷
から、2年前に消息を絶った兄の
篤
が生きていると知らされる。そしてその翌日、明と仲間の
ケンちゃん
、
ユキ
、
西山
、
加藤
、そして
ポン
たちは、街中で冷をみかけて後をつけたところ、驚くべき光景を目にした。冷と一緒にいた男が女性の血を吸っていたのだ。
冷の説明によると、彼女の生まれ育った島に2年前に一人の吸血鬼が現れ、次々と島民を襲って今や島は吸血鬼の巣窟と化したとのことで、篤はレジスタンスとして吸血鬼と戦っているという。そして冷は明に、篤を助けて一緒に吸血鬼と戦って欲しいと頼むのだった。明は危険すぎるというケンちゃんの言葉を振り切って、一人でも冷と一緒に島へ行くと言い張るのだった。
島へ出発する朝。港には結局明を一人で危地へ行かせることができないケンちゃんたち仲間が全員集まり、冷が操縦する船に乗った一行は、一路冷の生まれ育った島・彼岸島へと向かった。島に上陸した一行は、たどり着いた集落で早速手荒い歓迎を受けた。住民はすでに全員が吸血鬼と化していたのだった。多勢に無勢で捕らえられた一行は、一人ずつ吸血鬼の餌となる運命に直面するのだが・・・・・。
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たぴおか的コメント
舞台は日本なのだが日本と韓国の共同制作で、配給はワーナーブラザーズという国籍不詳なイメージのある作品。思ったほど悪い出来ではなくそこそこ楽しめる作品ではあったものの、突っ込みどころも満載だった。
そもそも、彼岸島が吸血鬼に占領されたきっかけがあまりに軽率すぎる。単なる好奇心だけで、島中で戒められている神社に立ち入り、挙げ句に吸血鬼の雅の封印を解いてしまうとは・・・・・島中の人々からなぶり殺しにあっても文句は言えないほどの幼稚な失態だとしか言えない。命の保証が全くないような島に、ただ「いつも一緒にいた仲間だから」という理由だけでノコノコついて行く仲間たちもあり得ない。とりわけ、ついて行っても全く役に立ちそうにないポンなどは、案の定真っ先に吸血鬼にされてしまい、挙げ句に殺されてしまうし。せっかく弓道で使う弓と矢を準備していったユキちゃん、結局荷物になっただけで使わずに終わっちゃったね。「いつも一緒の仲間だ」と言うのなら、身を呈してでも明が島へ行くのを止めるべきでしょう。
そんな中さすがだと思ったのは山本耕史扮する雅の存在感で、白塗りのメイクが彼のどちらかというと中性的なルックスを際立たせていて、『魔界転生』の沢田研二を思わせるような色気が感じられた。周囲の観客は皆口々に「雅は藤原竜也だ」などと言っていたが(エンド・クレジットのキャストをよく観ろよ^-^;)、藤原君にはあの雰囲気は出せないでしょう。
クライマックスでは、いままで抑圧されてきた明の力が解放されて雅を討つのかとちょっと期待していたのだが、結局はそれも観られず兄弟2人が力を合わせて雅を倒すという、ごくありきたりな結末になってしまったのも残念。雅を篤と明に任せきりでさっさと待避してしまうレジスタンスの指導者もいかがなものか。そもそも、彼はなぜ仮面をかぶって素顔を見せないのか。どうにも腑に落ちない点は多いのだが、それよりもフラストレーションが溜まったのは、主人公・明のあまりに優柔不断で煮え切らない態度だった。吸血鬼と化したポンをどうしても殺せず、明に代わってポンを殺した篤を責めるなんて言語道断、状況が全く見えていないにもほどがある。そんなんじゃ、いつまでたってもユキちゃんのハートを射止めることなんてできないよ、大きなお世話かもしれないけど。