評     価  

 
       
File No. 1144  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2009年12月19日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   スコット・ワイパー  
       
上 映 時 間   113分  
       
公開時コピー   息居残りたければ、殺せ。
 
島に放たれた10人の死刑囚。
その闘いは、全世界へ生中継される。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   スティーヴ・オースティン [as コンラッド]
ヴィニー・ジョーンズ [as マクスターリー]
ロバート・マモーネ [as ブレッケル]
リック・ホフマン [as ゴールドマン]
トーリー・マセット
マヌーベネット
マデリーン・ウエスト
フリストファー・ベイカー
サマンサ・ヒーリー
ルーク・ベグラー
 
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あ ら す じ    南太平洋のとある孤島に、世界各国の刑務所から選抜された10名の囚人達が集められた。彼らは全員が死刑が確定した囚人で、TVプロデューサーブレッケルが企画したサバイバル番組に、勝ち残れば自由の身と多額の報酬が与えられることを交換条件に半ば強制的に参加させられたのだった。番組の内容は、30時間後に爆発するプラスティック爆弾を脚にセットされた10名が、最後の一人になるまで殺し合いをするという残酷極まりないもので、その模様は全世界にインターネットで配信されるのだった。
 集められた10名の死刑囚のひとり、アメリカの退役軍人コンラッドは、他の囚人達と異なり、自らすすんで敵を殺そうとはしなかった。実は彼は国の特殊任務で麻薬ルート壊滅の任務を遂行中に敵に捕らえられてしまったものの、厳しい尋問にもかかわらず何一つ口を割らなかったために死刑が確定したという経緯があったのだ。そして、彼の目的は国に残した恋人の元へ生きて帰ることであって、殺すことではなかったのだ。けれども、時間は確実に過ぎていき、囚人達は互いに戦って次々と命を落としていく。これをネットで配信するブレッケルはサイトのアクセス数がうなぎ登りになるのに有頂天だったが、スタッフの中にはそのあまりに残酷な有様に嫌悪感をあらわにする者もいた。
 積極的に敵を殺そうとはしなかったコンラッドの怒りに火を付けたのは、イギリスの囚人マクスターリーだった。自分以外を人とも思わない残忍なマクスターリーは、コンラッドが助けた囚人とその妻をなぶり殺しにするのを楽しんでいたのだ。そして、コンラッドの怒りの矛先はもうひとり、このような残忍な企画を世界中に配信して金儲けをしようというブレッケルにも向けられていた。やがて他の囚人達は皆殺され、残ったのはコンラッドとマクスターリーのみとなり、刻々と時間が迫る中いよいよ2人の直接対決の火ぶたが切って落とされた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    発想は悪くないのだが、私がこの作品に期待していたのは『ランボー 怒りの脱出』のようなサバイバルのゲリラ戦の描写だった。ところが、作品を観てみるとおもったよりも戦闘シーンが少ないのには拍子抜けした。どうせやるなら徹底的に戦闘シーンを描写すべきで(こんなことを書くと、作品中でネット配信された死闘を楽しむ連中と何ら変わりはないような気もするが、彼らが熱中したのが本物の殺し合いであるのに対して、私が見たかったのはフィクションなので、その天に決定的な違いがあることだけは年を押しておきたい)、アクションが物足りないというのはこの手の作品では致命的だと言えるのでは?その上、ハンディカメラで撮影された映像は、カメラがぶれまくるために、せっかくの見せ場である肉弾戦が見づらいのなんのって・・・・・。
 この作品には実は二面性があって、一方は言うまでもなく囚人が互いに殺し合うというアクション性にあるのだが、もう一面は全世界に実際の殺戮シーンを配信するという行為の社会的な倫理を問うところにある。そして、作品が後半へと進につれ、アクションをどこかに忘れてしまったかのように取ってつけたような社会派に基調が転じるのには正直不満を感じるし、納得もできない。主役にスティーヴ・オースティンを配したことからも明らかなように、この作品はあくまでも徹底したアクションからカタルシスを得るという点に主眼が置かれているはずなのだ。そのために、後半では主人公コンラッドの最大の敵がマクスターリーなのかブレッケルなのかが非常に曖昧で、盛り上がりも著しく欠けてしまっている。こういう作品の性質上、敵はただ一人に絞り込んで、その敵との対決でクライマックスを迎えるのが正攻法であり、観客が求めるものもその点にあるはずだと思うのだが。