評     価  

 
       
File No. 1150  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年11月07日  
       
製  作  国   アメリカ / スペイン  
       
監      督   アルバロ・アルミニャン  
       
上 映 時 間   88分  
       
公開時コピー   死にたくなければ勝つしかない。
死ぬまでゲームは終わらない。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   マイク・ヴォーゲル [as ジェイソン]
エリザ・ドゥシュク [as エリカ]
イーサン・レインズ [as トマス]
ナイケ・リヴェリ [as エレーナ]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    アメリカ人の大学院生ジェイソンは、教授に連れ添って訪れていたスペインで、友人のトマスとサーフィンに興じてバカンスを楽しんでいた。ある日、ジェイソンはふと誘い込まれるように立ち寄った陰気な骨董品店で、車椅子の店主マレックから“マンバ”という名の古いボードゲームを無料で譲り受ける。ジェイソンはゲームの中身よりも、その骨董品としての価値に興味があったのだ。
 ところが、7人の仲間が集まったパーティーの場で、冗談半分にマンバを始めることとなった。メンバーは、ジェイソンとビーチで知り合った美しい女性エリカ、トマスとその恋人のリサ、そしてサーフィン仲間のミゲル、パブロ、エレーナの7人。ゲームを始めて最初に“OPEN GRAVES”つまりはカードを引く羽目になったのはパブロだった。彼が引いたカードには、「海からの正直な使者がそなたを襲う。敗者に災いあれ」と書いてあった。最初の敗退者となったパブロは仲間のためにビールを買い出しに行くこととなり、残ったメンバーでさらにゲームは進められた。
 ミゲル、リサ、エレーナ、トマスが次々と“OPEN GRAVES”でカードを引いて脱落していき、残るはジェイソンとエリカの2人になった時、ゲームは中断を余儀なくされた。刑事のイサルが訪れ、パブロの死を告げたのだ。パブロは崖の上から転落したうえに、カニに顔面を切り刻まれて発見されたのだ。ゲームのカードと同じ死に方ではないかと疑うエリカを、他のメンバーは偶然だと一笑に付したが、再びメンバーが不可思議な死に方をした。ミゲルが生息しないはずのブラックマンバの大群に襲われ、体中噛み傷だらけの遺体となって発見されたのだ。もはや、ゲームのカードに書かれた言葉を疑う者はなく、彼らは次に訪れるであろう自分の死に怯えることになった。
 次々と仲間が亡くなっていき、残されたジェイソンとエリカはある賭けに出る。ゲームを最後までプレイし、勝った者が叶えられるという願い事を使って、仲間の死をなかったことにしようと考えたのだったが・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    昨年11月の公開作品だが、千葉市のシネコンで2月から公開するために観るのを先延ばしにしてきた作品(できればシネパトスでは観たくなかった^-^;)。で、結論を先に言うと、言っちゃ悪いが面白くないし怖くない。こんな言い方をすると不謹慎かもしれないが、この作品ではいかにゲームの予言通りに死ぬかという死に様がひとつの見所になるのだが、それが全く精彩を欠いていて恐怖感を感じることがないのだ。例えば、最初に死んだパブロにしても、崖の上からの転落死が直接の死因で、海からの使者(ここではカニのことらしい)に切り刻まれるのはほんの付け足しのようなもの。次に死んだミゲルも、ブラックマンバの群れに囲まれてその群れの中に転落したまでは描かれているが、肝心なところはその残酷さ故か描写されていない。リサの死に方が「鏡の2つの面のうち明るい面が背いて暗い面が襲う」というカードの予言とどう一致するのか、もしも「明るい面」が若さで「暗い面」が老いを指すのならば、それは鏡には何の関係もないだろうそして、その次のエレーナは単なる事故死だし、トマスも銃で撃たれるというごく平凡な死に方だ。
 刑事のイサルがゲームを手に入れようとする動機にも無理がある。ジェイソンの仲間が不自然な死に方をした事件を担当しているとはいえ、彼らの死の原因が“マンバ”というゲームにあるなどとわかるはずもなく、従ってゲームの勝者の願いが叶うなどと、万が一知っていたとしてもそのために殺人まで犯すとは考えられない。もしも彼がそれまでの人生を“マンバ”を手に入れるためだけに生きてきたというなら話は別だが。また、ラストのオチが簡単に想像が付いてしまうのもいかがなものか。一工夫も二工夫も足りないような作品で、千葉市で公開されるまでの3ヶ月もの間待っていたことを心から後悔させられた。