評     価  

 
       
File No. 1153  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2010年02月13日  
       
製  作  国   香  港  
       
監      督   チン・マンケイ  
       
上 映 時 間   93分  
       
公開時コピー   禁断の酒池肉林、解禁。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   若葉 ひかる [as 明月]
上原 カエラ [as 紫煙]
早川 瀬里奈 [as 潘金蓮]
森川 由衣 [as 西門慶の母/雁婦人]
ラム・ワイキン [as 西門慶]
チョイ・シウキョン [as 西門達]
サミュエル・リョン [as 竹竿]
 
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あ ら す じ    中国、宋の時代。大富豪西門達の家に生まれた西門慶。父はまともに働きもせずに閨房術を追求することに没頭しており、西門慶はそんな父の部屋に忍び込んでは様々な春画や得体の知れない物が漬け込まれた酒瓶を見ては性への興味をそそられていた。そして、病気で死期の迫った母が父と最後に交わる姿を覗き見してしまう。
 以来、父は西門慶に自分と同じように性技を極めるために、様々な訓練を課していく。そして西門慶が成長した頃、屋敷に達の知り合いの娘だという魅力的な女性紫煙が訪れる。そして、父の戒めにもかかわらず紫煙への思いを抑えきれなくなった西門慶は、ついに紫煙と体を交わして初体験を迎えた。それからというもの、西門慶は毎日のように幾度も紫煙と体を重ねるが、ある日突然紫煙は置き手紙を残して屋敷から姿を消してしまった。紫煙は実は西門慶の性の指南役として父に雇われていた高級娼婦だったのだ。
 やがて西門慶は竹竿を供に従えて、生涯の伴侶を求める旅に出る。ところが、道中で悪天候に見舞われて竹竿共々西門慶は行き倒れになってしまい、近くの尼寺の尼僧に見つけられた2人は、尼寺で看護を受けることになった。そして、尼僧のひとり明月は西門慶に興味を持ち、やがてその興味が昂じて愛情へと変わっていく。西門慶が回復して尼寺を去ると、明月は還俗を決意して彼の後を追うのだった。西門慶も明月との別れを惜しんでおり、再会した2人はすぐに結ばれる。、そして、西門慶は屋敷へ明月を連れ帰り、妻として彼女を娶るのだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    金瓶梅がどういう類の小説かということはおおよそ知ってはいたが、ここまで性描写に徹底した作品だとは思っていなかった。登場人物の心情描写などは二の次で、とにかく西門慶次から次へと女性と(言葉は悪いが)ヤリまくるシーンのオンパレードで、下手に欲求不満の男が観たなら、劇場を出た途端性犯罪に走るのではないかと心配になるほどだった。
 原作となる小説の「金瓶梅」は、「三国志演義」「水滸伝」「西遊記」と並んで中国四大奇書とされているらしく、まぎれもない官能小説とのこと。ずいぶん昔、声優の野沢那智と白石冬美がパーソナリティを務めるラジオ「那智・チャコ ハッピーフレンズ」という番組の中で、2人が「金瓶梅」をやっているのを聞き流していた記憶があるが、その時はそれが中国四大奇書とまで謳われている小説だったとは夢にも思わなかった。というよりは、2人の絶妙な掛け合いのお陰で、てっきりコメディ作品だとばかり思い込んでいた。さらには、西門慶はてっきり「サイ・モンケイ」だと思い込んでいて、今回初めて「サイモン・ケイ」という、まるで日本人のような名前であることも知った次第だ。
 今まで何度か映画化されてきた「金瓶梅」ではあるが、今回の映画化が最もエロティックかつセンセーショナルなものとなったのは、西門慶と絡む紫煙、明月、金蓮らを演じるのが日本のセクシー女優(AV女優と言ってもいいかな?)であることが最大の理由だろう。特に、明月を演じた若葉ひかるはそのチャームポイントと言えるだろうエクボとともに、強く印象に残っている。普通の長髪よりもむしろ尼僧の時のスキンヘッドの方が可愛く見えるのは不思議だ。
 渋谷のライズXでの初日の初回に行って来たのだが、実は劇場のチケット売り場で初めて舞台挨拶があることを知らされた。登場したのは紫煙役の上原カエラと金蓮役の早川瀬里奈の2人で、若葉ひかるにお目にかかれなかったのがとても残念。そして、2人の話から察するところ続編も既に同時に撮られているようで、今回の作品には登場していないのにオフィシャルサイトのキャスト欄に名を連ねているウィニー・リョン扮する龐春梅が登場するようだ。 ちなみに、タイトルの「金瓶梅」とは、西門慶と関係を持った3人の女性、潘蓮、李児、龐春から一文字ずつ取ったものであり、同時にそれぞれ金(カネ)、酒、色事をも意味すると言われているようだ(Wikipediaより)。そして、今回の作品に登場しているのは潘金蓮ひとりだけだから、残る2人が登場する続編があっても決して不思議ではない。もっとも、いくら続編が制作されたからといって、それが日本で公開されるか否かは、舞台挨拶の進行役の兄チャンが言っていた通り今回の作品の興行成績にかかっているのだろうけど。