評     価  

 
       
File No. 1157  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年02月13日  
       
製  作  国   韓  国  
       
監      督   カン・ヒョンチョル  
       
上 映 時 間   108分  
       
公開時コピー   今度の相手は猟奇的な娘と孫!?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   チャ・テヒョン [as ナム・ヒョンス]
パク・ボヨン [as ファン・ジョンナム]
ワン・ソクヒョン [as ファン・ギドン]
ファン・ウスレ [as 保育士]
イム・スンデ
ソン・ジル
 
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あ ら す じ    30代半ばのナム・ヒョンスは、やや人気に翳りが見えてきたDJだが、ここにきてCMの仕事が舞い込んできて、再び人気者として返り咲こうと意気盛んだった。そんな彼のラジオ番組にこのところ続けて投稿されていたのは、未婚の母の相談のメールだった。そのメールの主は、息子を連れてまだ見ぬ父親に会いに行くべきか悩んでおり、ヒョンスはこれに対して父親に会うべきだと彼女を励ましたのだが、それが思わぬ事態を招くことになった。
 ある日、彼の住む高級マンションに来客があり、恋人かと思いドアを開けたそこには幼い男の子を連れた若い女性が立っていた。彼女はファン・ジョンナムと名乗り、驚くべきことにヒョンスのラジオにメールを送った未婚の母だった。しかし、それよりもヒョンスを驚かせたのは、彼女の実の父親がヒョンスだという言葉だった。
 落ち目とはいえ、芸能記者から目を付けられているヒョンスにとって、ジョンナムとギドンの存在は決して知られてはならない秘密だった。ところがジョンナムは、持ち前の歌の才能を生かすべく、よりによってヒョンスの番組で開催されたコンテストであっという間に決勝まで勝ち上がってしまう。そして、そんなジョンナムの前に元彼が現れて、ヒョンスとジョンナムが同じマンションのエレベーターに乗り込むところを撮影してしまう。このままスキャンダルが暴露されたら芸能生命が絶体絶命のピンチに追い込まれるヒョンスは、ついにジョンナムと喧嘩になった勢いでマンションから出て行けと怒鳴りつけてしまった。
 父親を知らずに育ち、ただ父と一緒にいたかっただけのジョンナムは、次の朝ギドンを連れてマンションを出て行ってしまう。本気でなかったとはいえ、自分が言った言葉にジョンナムが傷つきいなくなってしまったことを後悔するが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    メイン館であるシネカノン有楽町一丁目が閉鎖になり、公開は私の嫌いな新宿武蔵野館だけかと思い劇場で観るべきか迷っていたこの作品。めざましテレビのいまドキ★ムスメ以来お気に入りだった臼田あさ美の初主演作とあって、シネマート新宿へ行こう行こうと思っていたのだが、ついつい行きそびれているうちに公開が終了してしまった『ランブリングハート』。この両作品が共にシネマート六本木で上映されることを知り、メンズデーの月曜日に一気に観ることとなった。
 「『カンナさん大成功です!』『猟奇的な彼女』を超えて韓国ラブコメ興行成績No.1」という実績をひっさげての日本公開だが、私にとっては『カンナさん』はもちろんのこと、『猟奇的な彼女』にも及ばないのではないように思えた。もちろんそれはこの作品がつまらないというわけではなく、笑いあり最後には感動ありと、全編を通して楽しめるのはさすが韓流作品が得意とするジャンルの作品だけある。
 『カンナさん大成功です!』の主演キム・アジュンを若い頃の木村佳乃に喩えたが、この作品でチャ・テヒョン扮する主人公ヒョンスの娘を演じたパク・ボヨンは、日本の女優に喩えるなら間違いなく井上真央だ。日本と韓国でこれほど似た女優がいるとは驚いたが、ただもしどちらの女優がヒョンスの娘ファン・ジョンナムを上手く演じられるかといえば、私は自信をもって真央ちゃんだと断言したい。というのも、パク・ボヨンの演技に今ひとつためらいのような物が感じられると言うか、言い方を変えれば殻を破れずにいる雛鳥のような印象を受けるのだ。せめて『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョン並みにブレイクできれば、もっといい作品に仕上がっていたように思える。
 『カンナさん』のキム・アジュンの歌が吹き替えでなかったことには驚いたが、この作品のジョンナムの歌はおそらく吹き替えだろうと思われるのも残念だ。その一方では、ジョンナムの息子でヒョンスの孫であるギドンを演じたワン・ソクヒョンのピアノは、ちょっと観た限りでは吹き替えではなく本当に彼が弾いているように思える。だとしたら、恐るべきピアノの天才少年だ。