評 価
File No.
1166
製作年 / 公開日
2010年 / 2010年02月27日
製 作 国
日 本
監 督
前田 哲
上 映 時 間
112分
公開時コピー
鍵を開けたら
指名手配!?
史上最悪の逃走劇が始まる!
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
市原 隼人
[as 猿丸耶太郎]
比嘉 愛未
[as 篠崎マユミ]
高岡 蒼甫
[as 山田]
芦品 星
[as リツコ]
渡部 豪太
[as 山本]
和田 聰宏
[as 岩木]
光石 研
[as 藤山]
西村 雅彦
[as 金井]
國村 隼
[as 小笠原]
小西 真奈美
[as 水樹瑛子]
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あ ら す じ
通称サルこと
猿丸耶太郎
は、鍵師としての腕は抜群だが、とにかく女には目がないのが最大の欠点。その日、サルは友人の刑事
山田
の依頼で、強盗が立て籠もった銀行の鍵を開けて、人質全員が無事救出されるのに一役買った。その事件で脚光を浴びたのは江戸川警察署の女署長
水樹瑛子
で、現金は奪われなかったものの犯人のひとり
岩木
を取り逃がしたことを会見で詫び、全力をあげて岩木を逮捕すると宣言した。岩木は逃走する際にトランクを持ち出していたのだが、実はそのトランクの中にはある重大な秘密が隠されていたのだった。
事件後、サルの店にひとりの美しい女性が訪れる。彼女の名は
篠崎マユミ
、銀行強盗事件の人質のひとりで、サルが事件現場のマスコミのインタビューで事件そっちのけで自分の店の宣伝をしたのを見て、サルにある鍵を開ける依頼を持ってきたのだった。彼女に一目惚れしたサルは、即刻彼女の働くという事務所へ行き、彼女の言う通りに金庫の鍵を開けた。その中には、例の銀行強盗事件の際に岩木が持ち逃げしたトランクが隠されていた。そしてマユミは、今度はサルにそのトランクを持って一緒に逃げて欲しいと言う。マユミにメロメロのサルは彼女を疑いもせずに言う通りトランクを担いで事務所を立ち去ろうとした。ところがそこへ、事務所の持ち主であるヤクザのボス
藤山
が戻って来てしまった。こうして、トランクを担いだサルはマユミと共に藤山の放った追ってから逃げる羽目になってしまった。
一方、その頃警察では水樹署長が警視長の
金井
からある命令を受けていた。銀行強盗の際に岩木が持ち逃げしたトランクには警察全体を揺るがすような秘密が隠されているため、トランクを至急奪還せよと金井は言う。そして、山田の情報からそのトランクをサルが藤山から奪ったことがわかり、サルとマユミは藤山のみならず警察からも追われる身となってしまった。それでもなおマユミを信じるサルは、彼女を守ると約束を交わした。果たして、トランクの中には一体何が入っているのか?そして、マユミの真の目的は何なのだろうか・・・・・?
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たぴおか的コメント
最初にこの作品のタイトル『猿ロック』を知った時、猿Lockではなく猿Rockだなどと思っていたほど何の知識もなかったような私が観ても、充分に楽しい作品だった。美女にめっぽう弱く、勝手な妄想を膨らませて鼻血を出す猿は漫画的だが、もともとオリジナルがコミックだけにそれも当然と言えば当然だろう。そして、こういう役柄は市原隼人にとってハマリ役だ。なんでも渋谷の109前でゲリライベントを行ったところ、たちまち主催者側の予想を遥かに上回る人だかりで混乱をきたしたために、わずか数分で中止となってしまったらしい。同性である私にとって、彼がそれほどまでに魅力的な俳優であるかははなはだ疑問ではあるのだが。
漫画的な面白さは充分なのだが、シリアスな目で見るととんでもない粗も見えてくる。警察の威信に関わるような機密データの入ったトランクを、小西真奈美扮する水樹署長自らが銀行に預けに行くことがそもそも非現実的だ。機密データの入ったメモリスティックは銀行に預けるよりも警視長本部の金庫に納めていた方がよっぽど安全だし、現金の方は警備保障会社に依頼して専門の警備員にトランクを運ばせるべきだ。また、和田聰宏扮する銀行強盗の岩木が、他の物には目もくれず水樹署長のトランクだけを持って逃げたのも謎。中身が何であるかを知っていたとしか思えない行動だ。そして、それ以上に謎なのがマユミの行動だ。彼女の目的はトランクの中の金だったのはわかるが、そんな物を奪ったりしたらヤクザの藤山に追われるのはわかりきっていることで、その追っ手から逃れるのにサルを選ぶ理由がない。ただ単に美女にめっぽう弱いサルが扱いやすかっただとも思えないし。
ただ、サルの鍵師としてのプロ意識の高さと、人をとことん信じ切れる真っ直ぐさ(もっとも、彼の場合は相手が美女だったからなのだが ^-^;)は観ていて気持ちいい。そして、そんなサルの純粋な気持ちをいいように利用するマユミには腹立たしさを感じてしまう。もっとも、サルも最後にいい意味でマユミに一矢を報いてはいるのだが。そんなサルの思いが通じてか、ラストでマユミから送られてきた写真がいい締めくくりとなっている。