評     価  

 
       
File No. 1172  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年03月12日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ガイ・リッチー  
       
上 映 時 間   129分  
       
公開時コピー   最強の頭脳。最強のコンビ。最強の事件。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ロバート・ダウニー・Jr [as シャーロック・ホームズ]
ジュード・ロウ [as ジョン・ワトソン]
レイチェル・マクアダムス [as アイリーン・アドラー]
マーク・ストロング [as ブラックウッド卿]
ケリー・ライリー [as メアリー]
エディ・マーサン [as レストレード警部]
ジェームズ・フォックス
ハンス・マシソン
ウィリアム・ホープ
ブロナー・ギャラガー
ジェラルディン・ジェームズ
ロバート・メイレット
 
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あ ら す じ    19世紀末のロンドン。若い女性が連続して殺害される事件が発生するが、スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)は事件の糸口すら見いだせないでいた。そんな中、稀代の名探偵シャーロック・ホームズとその助手でホームズの探偵談の語り手でもあるジョン・ワトソン医学博士は、事件の真犯人が黒魔術を操るというブラックウッド卿であることを突き止め、現行犯で彼の逮捕に成功する。
 婚約者メアリーとの結婚を控えたワトソンは、ホームズと暮らしたベーカー街のアパートを退居しようとしていた折り、スコットランド・ヤードのレストレード警部がホームズを訪ねてくる。絞首刑に処されたはずのブラックウッド卿が蘇り、大英帝国の権力を握る秘密組織の頂点に立ったばかりか、全世界をも彼の悪で支配しようと企てているというのだ。
 早速ブラックウッド卿の野望を未然に防ぐべく動き出すホームズと嫌々ながらもホームズを放ってはおけないワトソンは、ホームズが唯一愛した女性アイリーン・アドラーをも巻き込んで、壮大な冒険へと繰り出すのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    私が大の探偵小説好きになったきっかけが、小学生の時に親が買ってくれたポプラ社のシャーロック・ホームズシリーズの第一巻で、確かタイトルは『スパイ王者』だったと記憶している。以来、数々の探偵小説の名探偵たちを知るに至るのだが、その中でもホームズは武闘派の探偵という点で他の探偵達と一線を画しているようだ。
 確かにその奇抜な操作方法でしばしワトソンを驚かすことはあるものの、この作品のように軽妙な洒落が好きなキャラクターだったかというと、その点ははなはだ疑問だ。ロバート・ダウニー・Jrが演じたこの作品のホームズ像は原作のイメージに近いらしいのだが、果たして純粋なホームズ・ファンはこの作品をどう捉えるだろうか。私ははなからシャーロック・ホームズを極端にデフォルメしたコメディとして観ていたために、そこそこ楽しめる内容ではあった。
 ロバート・ダウニー・Jrのホームズも悪くなかったが、それ以上にジュード・ロウ扮するワトソン博士の好演が私の目を引いた。原作ではあくまでホームズに従う助手として描かれているワトソンだが、この作品では時にはホームズを批判し諫めもする対等な立場での友人として描かれているためだ。また、レイチェル・マクアダムス扮するアイリーンが、あたかもルパン三世に対する峰不二子のようなミステリアスな女性を演じていて目が離せない。ホームズが卓抜した推理力で謎をひとつひとつ解き明かしていくのではなく、すべてを直感と洞察力で一瞬にして見破ってしまうために、「謎解きの面白さ」という観点からは物足りなく感じるのだが、その点は原作のホームズを忠実に再現しているためだと言える。あくまで彼は「静」の探偵ではなく「動」の探偵なのだ。
 ちなみに、アイリーンの弱みを握って彼女を操っていた人物がモリアーティなる人物であることが最後に明かされる。ホームズを知らない者にとってはおそらく「???」だろうが、モリアーティとは原作でもホームズ最大の敵とされる「悪の帝王」モリアーティ教授のことで、これは明らかに続編が制作されることへの布石だろうと思われる。