評     価  

 
       
File No. 1176  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2010年03月13日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   サイモン・ハンター  
       
上 映 時 間   111分  
       
公開時コピー   すべての運命は彼らに託された  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   トーマス・ジェーン [as ミッチ・ハンター]
ロン・パールマン [as ブラザー・サミュエル]
デヴォン青木 [as ヴァレリー・デュバル]
ベンノ・フユルマン [as マキシミリアン・フォン・スタイナー]
ショーン・パートウィー [as ネイサン・ルーカー]
ジョン・マルコヴィッチ [as コンスタンティン]
アンナ・ウォルトン [as セヴェリアン]
トム・ウー [as キム]
スティーヴ・トゥーサント
ショーナ・マクドナルド
ロジャー・アシュトン=グリフィス
クリストファー・アダムソン
ニコラス・ボール
プラス・ミシェル
 
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あ ら す じ    2707年、地球上は西欧・アメリカの“キャピトル”、東欧の“バウハウス”、アジアの“ミシマ”、そしてオセアニアの“インペリアル”という4大企業体によって分割支配されていた。そして、それぞれの陣営は地球に残されたわずかな資源を巡って世界各地で争いを繰り広げていた。
 ミッチ・ハンターが所属するキャピトル軍とバウハウス軍が壮絶な戦いを交えていたさなか、バウハウス軍の放った砲撃は地面に亀裂を生じさせ、そこから夥しい数のミュータントが現れて兵士たちに襲いかかってきた。大昔、かつて宇宙から人間をミュータントへと変えるマシーンが飛来した時、それは先人たちの手によって封印されたのだが、その封印が砲撃によって解かれてしまったのだ。
 それからわずか数日で地球上は無数のミュータントによって覆い尽くされ、4大企業の軍が連合して戦ったものの全く歯が立たたず、人類にはもはや地球を逃れて火星へ移住するしか術はなかった。火星行きの乗船チケットの枚数は限られており、世界各地でチケットをめぐる暴動すら起こる有様だった。
 そんな中、ミュータントの出現を預言していた修道僧のブラザー・サミュエルは、4大企業各社から少数精鋭のチームを結成してマシーンを破壊するべく、4大企業体のトップコンスタンティンに兵士の募集を要請していた。そして、女戦士のヴァレリー・デュバルらが集められたチームに、ミッチもまた招聘された。サミュエルをリーダーとするチームは、襲い来るミュータントを倒しながら年代記に記された古代遺跡へ向かって地中深くへと進んでいく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    時代設定が28世紀なのだが・・・・・全然700年も先の未来には見えない。700年だぞ、700年・・・・・それだけの時間が経過していれば、例えばシュワちゃんの『イレイザー』に登場するEM銃のような最新鋭の銃器類が開発されていて当然なのにもかかわらず、戦争の方法はむしろ現在より退化しているようにしか思えないような古臭さでいっぱいだし、戦士達を運ぶ船に至っては・・・・・外見のデザインはあまりに鈍重で野暮、乗組員が燃えさかる炉にスコップで燃料を放り込むなどとは蒸気機関車並だ。つまり、どこをどう観ても未来を感じさせる要素が見当たらないのだ。せめて時代設定を現在か100歩譲っても近未来にしておくべきで、700年も先の未来という時代設定にした以登がまったく理解できない。
 おそらくは極めて低予算で製作された作品なのだろうが、大道具や小道具に加えてCGもお粗末過ぎて、映像が見にくいにもほどがある。低予算ならば低予算なりに頭を使って補うべきなのだが、この作品のスタッフにはまるでやる気がなくテキトーにお茶を濁したような映像で、これほど杜撰な作りの作品も珍しく、ある意味貴重な体験ができたと言えるのかもしれない。
 そして、さらに粗を挙げるとすれば、この作品での「ミュータント」の解釈は間違っている。ミュータントとは、遺伝の法則から逸脱して生まれてきた突然変異体のことで、この作品のように人工的に造られた存在はミュータントではなく、むしろアンドロイドに近いだろう。そして、そのこの作品でいうミュータントの外見はあたかもゾンビのようで、もうミュータントなのかアンドロイドなのかゾンビなのかワケがわからないようなバケモノになってしまっている(笑)。そして、映像がとにかく暗い(「暗い」というのは心理的な意味ではなく、物理的に暗くてよく見えないのだ)。そんな中、デヴォン青木を含む女性2名の存在が唯一の救いになっているのだが、彼女らも最後には散っていってしまうのがとても残念。