評     価  

 
       
File No. 1177  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年03月13日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   矢崎 仁司  
       
上 映 時 間   117分  
       
公開時コピー   人は守りたいものに嘘をつくの。
あるいは守ろうとするものに。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   中谷 美紀 [as 岩本瑠璃子]
大森 南朋 [as 岩本聡]
池脇 千鶴 [as 三浦しほ]
小林 十市 [as 津川春夫]
大島 優子 [as 岩本文]
安藤 サクラ [as 美也子]
黒川 芽以 [as 藤井登美子]
風見 章子 [as 君枝]
 
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あ ら す じ    テディベア作家の妻・岩本瑠璃子と、IT企業に勤務する夫・岩本聡は、結婚して数年たつが子供がいない夫婦だったはたから見れば理想的な夫婦だが、2人はすでに体の関係もなく、聡は食事と寝る時意外は自室に鍵をかけて閉じこもりゲームに興じる有様だった。そんな聡に不安を感じながらも、瑠璃子は聡と自分はしっかりと繋がっていると信じていた。
 ある日、瑠璃子の個展に一人の青年が訪ねてくる。彼の名は津川春夫で、瑠璃子のマネージャー藤井登美子から、彼が何度も電話で非売品のテディベアを譲って欲しいと懇願してきたと聞かされた。彼女の美也子のために個展にまで足を運ぶ春夫の気持ちに打たれた瑠璃子は、彼にテディベアのナナを譲ることにした。そして後日、レンタルビデオ店で春夫と再会した瑠璃子は、「ずっとこうしたかった」と瑠璃子の唇を奪った春夫に対し、自ら進んで恋に落ちていった。
 一方の聡もまた、大学のダイビングサークルのOB会で、自分に想いを寄せる後輩の三浦しほと再会する。若く健康的なしほの積極的なアプローチに屈しきれない聡は、次第にしほに惹かれていく。聡としほは何度デートを重ねた末、2人で伊豆の海にダイビングに行く約束を交わすと、あろうことか聡は瑠璃子を釣れて伊豆に出かけるのだった。
 海には決して入らない瑠璃子を一人砂浜に残して、しほとの待ち合わせ場所へ向かう聡。2人はダイビングを終えると、しほのホテルの部屋で初めて体を重ねた。同じ頃、瑠璃子への気持ちを抑えきれない春夫もまた瑠璃子を追って伊豆にやって来ており、瑠璃子を強く求めた。こうして瑠璃子とと聡は、奇しくも時を同じくして互いに別の相手と体を重ねるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    毎週火曜のシネマライズはサービスデーで1,000円均一、ということで初日に観たかったのを我慢して(なんか、『ハート・ロッカー』といいこのところ「我慢して1,000円」というフレーズが目立つ気がする・・・)シネマライズに行ってみたのだが、予想していたよりも遥かに空席が多かったのには驚いた。こんなことなら、これからシネマライズの作品はすべて火曜に観るべきだ(などと言いながらも、既に今週末公開になる『息もできない』の初日・初回の席を予約してしまった(笑))。
 経済的にも満たされた、いわゆるセレブ夫妻のダブル不倫・・・・・と、言葉にしてしまえば実に陳腐に思えてしまうのだが、そんな単純な話では済まされない。そもそも、私に言わせれば聡のような男が存在すること自体信じられない。瑠璃子と夫婦でありながら、家ではドアに鍵をかけて自室に閉じこもり、TVゲームに熱中しているなどもってのほか。、いい歳をして未だにモラトリアムを引きずるかのような、精神的に成熟していないこんな男が結婚できること自体間違っている(笑)。私が男だから異性である瑠璃子の肩を持つワケではなく、公平な目で見ても明らかに聡には夫婦生活を送る能力が欠如している。聡にとって瑠璃子は都合のいい家政婦でしかなく、一方の瑠璃子にとって聡は・・・・・一緒に生活を送る必要性、さらに言えば聡の存在意義が全く見当たらない。こんな結婚生活を続けて、一体何の意味があるのだろうか?なぜそんな夫に瑠璃子は文句ひとつ言わずに連れ添っていられるのか?私には全く理解できない。
 聡に想いを寄せるしほを演じた池脇千鶴が非常に魅力的で目を惹いた。こう言っちゃ悪いが、どうも痩せすぎで不健康に見える中谷美紀とは正反対で、明るくいかにも健康的な池脇千鶴の方が、普通の男性から見れば惹かれて当然なのではないだろうか。聡が浮気したくなる気持ちもわからないこともない・・・・・つーか、それ以前に自分だったら結婚相手には瑠璃子ではなくしほを選ぶと思うけど(笑)。そんな彼女もいつの間にか28歳(には見えないのだが)、ドラマ『リップスティック』で初めて彼女を知ってから既に10年以上が経過していることになるわけで、時の流れを感じてしまう。