評     価  

 
       
File No. 1179  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年03月20日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ラリー・チャールズ  
       
上 映 時 間   80分  
       
公開時コピー   今度も最低最悪の超問題作  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   サシャ・バロン・コーエン [as ブルーノ]
グスタフ・ハマーステン [as ルッツ]
 
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あ ら す じ    オーストリアの人気ファッション番組“ファンキータイム”の司会者ブルーノは、ミラノで全身マジックテープの新作スーツを着て取材に臨んだところ、あらゆる布という布が全身にまとわりつき、挙げ句の果てにそのままショーのステージに転がり出てしまった。結局ブラックリストに載ってヨーロッパのファッション業界から追放されてしまったブルーノは、ハリウッドでセレブになろうと考え、付き人ルッツを連れてロサンゼルスへと訪れた。
 テスト番組を製作してテレビ局に持ち込もうと考えたブルーノは、あれこれと考え出した企画を実行に移すものの、すべて相手を激怒させて失敗に終わってしまう。しかし、その程度でめげるブルーノではなく、次はチャリティで有名になろうと考えた彼は、あろうことか中東の紛争を解決しようなどと考えてイスラエルへと飛んだ。当然紛争を解決することなどできなかったブルーノは、アルカイダに誘拐されれば人質になっている自分の映像が全世界に配信されて有名になれると考えた。そして、運良く(悪く?)テロリストのリーダーに会うことができたものの、ここでもまた相手を怒らせたブルーノは、人質になるどころか追い出されてしまった。
 ブルーノが次に考え出したセレブへの道、それはマドンナやブランジェリーナのように養子を迎えることで、アフリカに行った彼はiPodと交換で黒人のベビーを手に入れた。しかし、テレビの公開録画でアメリカ児童局に子供を奪われたうえに、付き人のルッツも彼の元を去ってしまった。しかし、それでもなおセレブへの道を諦めないブルーノは、さらなる次の手を実行に移すのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    実はこの作品は劇場で観ずにDVDで済ませようと思っていたのだが、その理由はポスターを見ただけではブルーノが男性なのか女性なのか判別不能で、服装からすると女性だとしか思えないのだが、それにしてはあまりに中性的で魅力ゼロに感じたことが最大の理由だった。作品を観てみるとそれもそのはず、ブルーノは女性ではなく男性で、服装から女性だとしか思えなかったのは彼がゲイだったからなのだ。そして、この作品は世界各国で1位を獲得したらしいのだが、私にはそれがどうしても信じられない。
 さらに驚きだったのは、ブルーノを演じたサシャ・バロン・コーエンが、『ボラット』を演じた俳優と同一人物であったことだ。『ボラット』は観ていないのだが、ポスターに大写しになったあの顔だけは強烈な印象が今でも残っていて、あのオッサンとブルーノが同じ俳優だなどとは思ってもみなかった。ただ、今回は思い切り若作りしているとはいえ、いくらなんでもブルーノが19歳という設定には無理がありすぎる(笑)。
 私はゲイを蔑視するつもりはないが、かといってゲイの気持ちは全く理解できないし、理解したくもない。ただ、この作品はゲイをどうこう言う以前に、あまりにお下劣なシーンが多すぎるように思える。口に出して言うことすらはばかられるようなあのダンスシーンなどは、出演者の演技(つーか、あれは演技じゃないのでは?)とまったく同じリアクションで、思わずスクリーンから目を背けたくなった(笑)。また、随所にちりばめられたブラック・ユーモアも度が過ぎていて、ハリソン・フォードの突撃インタビューのシーンのように爆笑を誘うシーンがあるかと思えば、養子のくだりではマドンナを本気で怒らせてしまったらしい。100円で観たからよかったようなものの、もしも正規の料金を支払っていたら不愉快この上ない後味が残っていただろう。いつもであれば雑誌ぴあの出口調査に素直に応じる私も、この作品を観終えた後は冷静に受け答えする自身もなく、歩み寄ってくる調査員を無視して振り切ってしまった。