評 価
File No.
1180
製作年 / 公開日
2009年 / 2010年03月19日
製 作 国
アメリカ
監 督
ポール・ワイツ
上 映 時 間
109分
公開時コピー
原作&コミックスシリーズ累計640万部超!待望の映画化!
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
クリス・マッソグリア
[as ダレン・シャン]
ジョシュ・ハッチャーソン
[as スティーヴ]
ジョン・C・ライリー
[as ラーテン・クレプスリー]
渡辺 謙
[as ミスター・トール]
ジェシカ・カールソン
[as レベッカ]
レイ・スティーヴンソン
[as マーロック]
パトリック・フュジット
[as エブラ]
ウィレム・デフォー
[as ガブナー・パール]
サルマ・ハエック
[as マダム・トラスカ]
マイケル・セルヴェリス
[as ミスター・タイニー]
オーランド・ジョーンズ
[as アレクサンダー・リブス]
フランキー・フェイソン
[as ラムス・ツーベリーズ]
ジェーン・クラコウスキー
[as コーマ・リムズ]
クリステン・スカール
[as ガーサ・ティース]
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あ ら す じ
16歳の高校生
ダレン・シャン
は両親の言いつけを忠実に守って生きてきた優等生で、親友の
スティーヴ
はダレンと正反対のワルだったが、なぜか2人はウマが合った。ある日、町にやってきた“シルク・ド・フリーク”のショーを親に内緒でスティーヴと共に観に行ったことから、彼の人生は思わぬ方向へと向かっていく。
ミスター・トール
が団長の“シルク・ド・フリーク”のメンバーは、自在に髭を伸ばす能力と予知能力を兼ね備えた
マダム・トラスカ
、切断された体を再生できる
コーマ・リムズ
、腕ほどにも細い胴体を持つ
アレクサンダー・リブス
、強靱な歯の持ち主
ガーサ・ティース
、胃袋を2つ持ち何でも食べてしまう
ラムス・ツーベリーズ
ら、ダレンが今までに見たこともない奇妙なフリークたちだった。そして、中でも彼が惹かれたのは
ラーテン・クレプスリー
が操る巨大な毒グモのマダム・オクタだった。ダレンはショーが終わると、マダム・オクタを盗み出そうとクレプスリーの楽屋に忍び込んだ。
ところが、部屋に戻ってきたクレプスリーを訪ねてスティーヴがやって来る。スティーヴはクレプスリーの正体がバー・ホーストンという名のヴァンパイアであることに気づき、あろうことか自分をヴァンパイアにするようにクレプスリーに迫ったのだ。しかしクレプスリーは、スティーヴの血が邪悪だと拒絶したため、スティーヴは悪態をつきながら去っていった。ダレンはそれを見届けると、劇場を抜け出して帰宅した。
その翌日、ダレンが学校へ持ち込んだマダム・オクタが籠を抜け出し、スティーヴを刺してしまう。ダレンはスティーブを助けるために“シルク・ド・フリーク”に行き、クレプスリーに解毒剤を譲ってくれるように頼んだ。ところが、このダレンの頼みに対してクレプスリーは、ある交換条件を申し出てきた。それは、ダレンが半分ヴァンパイアであるハーフ・ヴァンパイアになることだった。ダレンはスティーヴを助けるために、クレプスリーの条件をのんでハーフ・ヴァンパイアになることを決意するのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
親友の命を救うために半分だけヴァンパイアのハーフ・ヴァンパイアになった主人公ダレン・シャンを描く、あくまで序章という位置づけの作品。監督のポール・ワイツは、あの『トワイライト・サーガ ニュームーン』のクリス・ワイツ監督の実兄で、共にヴァンパイアを描いた作品による兄弟対決は弟の圧勝に終わったようだ。
私がこの作品を観に行ったTOHOシネマズでは日本語吹替版のみの上映だったのは、字幕派の私にとっては残念。日本語吹替が悪いとは言わないが、せめてレイトショーくらいは字幕版にして欲しかった。最近では大人でも字幕より吹替を選択する人が増えているらしいが、吹替だと大音響に声が遮られたり、あるいは吹替を担当するのが専門の声優でないために台詞が聞き取れなかったりすることもあるわけで、是非とも選択の余地を残して欲しいものだと願う。
上にも書いた通り、この作品は明らかに続編が製作されることを想定した序章的な作り方で、主人公のダレンの人間関係と彼がハーフ・バンパイアになった経緯を紹介することに特化しているようだ。だから、これからが盛り上がるというところで終わってしまっていて、少々物足りないような後味が残るのは確かだ。また、ヴァンパイアになることの苦悩や確執といった心理描写も思い切り省略されているように感じた。果たしてそれが映画化した結果なのか、それとも原作自体がそうなのかは知る由もないが。
この作品で登場するヴァンパイアは、クレスプリーらヴァンパイアとそれに敵対するヴァンパニーズの2派に別れているが、その違いが今ひとつよくわからないのに加えて、ミスター・タイニーという男が何者なのかがさっぱり理解できなかった。どうやらただの人間ではないらしく、特殊な能力を備えヴァンパイアたちからも一目置かれているようだが、ヴァンパイアとヴァンパニーズを争わせて何をしようというのだろうか。続編でそれが明らかにされるのだろうか。
エンド・クレジットのトップがヴァンパイアのクレプスリーを演じたジョン・C・ライリーであるのは、役者としての格からいっても納得できるのだが、不思議に思ったのはダレンを演じたクリス・マッソグリアよりも、その親友スティーヴを演じたジョシュ・ハッチャーソンの方が上だったことだ。調べてみると、どこかで観たような顔だと感じていたのも当然で、『センター・オブ・ジ・アース』や『テラビシアにかける橋』で主役級の役柄を演じていたことを思い出した。
私がこの作品で最も注目していたのは言うまでもない渡辺謙の演技なのだが、『バットマン ビギンズ』のラーズ・アル・グールもそうだったように、どうも奇抜な役柄に偏っている気がするのは残念だ。もっとも、この作品での彼の役柄ミスター・トールは、原作を知らない私にとってはハマリ役だったように思える。見るからに曲者という雰囲気を全身から発するミスター・トールだが、その実はフリークたちのリーダーで、その存在感が充分に生かされている。この後ディカプリオと共演する『インセプション』の公開が7月に控えているが、どんな役柄を演じているのだろうか?