評     価  

 
       
File No. 1185  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年03月27日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   モンス・モーリンド  
       
上 映 時 間   112分  
       
公開時コピー   禁断の闇の果てに辿り着く、
超常現象<シェルター>の謎。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジュリアン・ムーア [as カーラ]
ジョナサン・リス・マイヤーズ [as デヴィッド]
ジェフリー・デマン
フランセス・コンロイ
ネイト・コードリー
ブルックリン・プルー
 
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あ ら す じ    解離性同一性障害疾患、すなわち多重人格障害を認めない精神分析医のカーラは、ある日父から強く勧められてひとりの患者と相対する。彼の名はデヴィッドといい、交通事故で車椅子の世話になっている意外はごく普通の男性だった。一通り問診を終えたカーラだったが、父がデヴィッドに「アダムを呼んでくれ」と言った瞬間、我が目を疑った。アダムという別人格が現れたのだ。
 デヴィッドも周囲を混乱させる愉快犯だと考えてあくまで多重人格を否定するカーラは、デヴィッドの身辺を調べていくうちに、驚くべき事実に行き当たる。アダムもデヴィッドもすでに過去に亡くなっていることが判明したのだ。そして、その間にも彼は次々に新しい人格を発現していく。やがて彼に現れる人格はカーラのごく近しい人々にまで及び、その人々はことごとく命を落としていったという事実を前に、カーラはもはや科学では説明のつかない現象が起きていると認めざるを得なくなった。
 やがて、カーラの一人娘もまたデヴィッドに人格を乗っ取られた人々が亡くなる直前に示したものと同じ兆候を見せるようになった。カーラは娘の命を救う方法はひとつしかないと、デヴィッドの母から教えられたとある山間の小さな集落へと車を走らせるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『フォーガットン』や『ブラインドネス』、そしてこの『シェルター』と、やたら超常現象に縁があるようなジュリアン・ムーア主演の最新作。今回は多重人格障害を持つ患者デヴィッドと彼を診る精神分析医のカーラの対面というごくオーソドックスな始まり方だけに、科学に基づいたサスペンスかと期待を膨らませたのだが、残念ながらストーリーが進につれてどんどんオカルティックな方向に進んでいってしまう。
 そもそも他人の人格(あるいは魂)を自分に取り込むことなどできるものか?などという突っ込みをするほど私も野暮ではないのだが、それにしても大きな疑問が残る。それは、初対面の時にデヴィッドとしてカーラと会った男の体の主は、一体何者なのかということだ。そして、次から次へと他人の人格を取り込んでいくが、一体何の目的があっての行為なのか?また、彼に現れる人格は、どうやら他の人格のことについて何も知らないようなのだが、そんな多重の人格がすべて同じ行為つまりは他人の人格を奪い取るという目的に向かって意志が統一されているかのように振る舞えるのはぜか?そして、彼が人格を奪うターゲットに選んだのが最も接点が多かったカーラではなく、彼女の父親や娘だったのはなぜ?もし人格を奪う相手がカーラだったら、それでストーリーが終わってしまうためだろうか(笑)。
 ラストでどんな結末が訪れるかが簡単に想像できてしまうのがツラい。私としては予想が外れてくれることを祈っていたのだが、こういう時に限って皮肉にも予想が的中してしまうものだ。幼い子供が命を落としてしまう作品の後味の悪さだけは、何度観ても慣れることができないものだ。