評     価  

 
       
File No. 1190  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年04月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マーティン・スコセッシ  
       
上 映 時 間   138分  
       
公開時コピー   全ての“謎”が解けるまで
この島を出る事はできない。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   レオナルド・ディカプリオ [as テディ・ダニエルズ]
マーク・ラファロ [as チャック・オール]
ベン・キングズレー [as ジョン・コーリー医師]
ミシェル・ウィリアムズ [as ドロレス・シャナル]
エミリー・モーティマー [as レイチェル・ソランド]
マックス・フォン・シドー [as ジェレマイアー・ネーリング医師]
パトリシア・クラークソン [as 真実を知る謎の女]
ジャッキー・アール・ヘイリー [as ジョージ・ノイス]
イアイアス・コティーズ [as アンドリュー・レディス]
テッド・レヴィン
ジョン・キャロル・リンチ
クリストファー・デナム
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    精神障害犯罪者だけを収容する島・シャッター アイランドに上陸した、連邦保安官のテディ・ダニエルズと相棒のチャック・オール。陸地から18キロ離れた絶海の孤島で唯一の交通手段はフェリーだけというこの場所で、我が子3人を溺死させた女性患者レイチェル・ソランドが失踪したとの報告を受け、調査に訪れたのだった。
 島では拳銃の携帯が許されておらず、丸腰になった2人は収容所の所長であるジョン・コーリー医師の元に案内され、事件の概要についての説明を受ける。自ら捜査の担当を志願して島に訪れたテディには、実は別の目的があった。それは、彼アパートに放火して妻・ドロレスを死に追いやった犯人アンドリュー・レディスがこの島に収容されていると知ったからだった。
 早速捜査を開始したテディとチャックは、レイチェルの部屋で「4の法則 67とは誰か?」と書かれた謎のメモを発見する。しかし、レイチェルの担当医・Dr.シーハンは緊急事態にもかかわらず休暇のために不在のうえに、尋問を行った患者たちからは判で押したような同じ返答しか返ってこなかった。そんな中、失踪したレイチェルが見つかったとの知らせを受ける。テディはレイチェルからの事情聴取を試みるが、錯乱状態にあったレイチェルからは失踪の真相を明らかにする手がかりを得ることはできなかった。
 失踪事件の捜査という表向きの任務は終わったが、テディにはレディスの捜索というもう一つの目的があった。ハリケーンの直撃を受けた翌朝、テディとチャックは島の混乱に紛れてレディスを探し始める。やがて驚愕の真実が自分を待ち受けていることを、その時の彼は知る由もなかった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    この作品最大の謎は何と言っても、当初は2009年10月30日(金)に日本公開(証拠はコレ)のはずだったのに、何の説明もなく突然公開が延期されたことだ。以前、韓国映画『キッチン〜3人のレシピ〜』が公開中止になった際には、オフィシャルサイト等で「主役のチュ・ジフンが麻薬使用で逮捕され・・・・・」と説明があったのだが、この作品の場合はそもそも本国アメリカでの公開からして2009年10月2日から2010年2月19日に延期されており、諸説憶測がが飛び交っているものの、真相はわかっていないようだ。
 “謎解き参加型ミステリー”というのがこの作品の売りで、冒頭でも「登場人物の表情や視線に注意して観ろ」だの「この作品の衝撃の結末は決して誰にも話さないように」だのといった旨の警告を受けるのだが、そのことが作品に対して過度の期待を抱かせる結果になっているようだ。そもそも人間の注意力が140分もの間継続できるワケがなく、どこかで気を抜いた時に偶然ヒントとなる仕草や表情を見逃してしまう可能性は極めて高いわけで、もしかして二度、三度と観るリピーターを作りだそうというスコセッシ監督の陰謀ではないかと勘ぐりたくもなる(笑)。
 そんなわけで、仕事帰りという悪条件も重なったために、おそらくは重要なヒントをいくつか見落としていると思われる私にとっては、「衝撃の結末」と言われても今ひとつピンと来なかった。そのままではあまりに悔しいから、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスが手に入ったこともあって、無料で2回目を観ることになった。そして、結末を知った上でどこに結末を暗示するようなヒントが隠されているのかを探すことだけに集中して2度目を観た成果はと言えば、一度目に観た時に「あれ?これっておかしいんじゃないの?」と疑問を感じた箇所が間違いでなかったと再確認できた程度で、それ以外に大きな収穫を得ることはできなかった。そして、ひとつだけ断言できるのは、制作側はヒントを随所に忍ばせたつもりだろうが、観ている側にそれがちゃんと伝わるかは大いに疑問だということ。結末を知って観てもそうなのだから、ましてや何も知らずに観たならばそれがヒントだとも気づかずに素通りしてしまうのが関の山だ。
 だから、この作品を真に楽しむためには一度観て結末を知った上で、今度はヒント探しのためにもう一度改めて観る必要があると思う。ただ、誤解してほしくないのは、私がこの作品を複数回劇場で観ることを推奨しているワケではなく、むしろ一度観ただけで解らないような作品を作るな!と文句を言いたいのが正直な気持ちなのだ。どうしても2度観たい方は、DVDがリリースされるまで待つ方が賢明だと私は思う。
 そこで、ルール違反かもしれないが、この場で2つだけ確実にヒントになると思われるシーンを紹介するので、例によって自己責任でどうしても読みたい方だけどうぞ。ただ、予め断っておきたいのは、以下を読んだところで当然のことながら結末がわかるワケはなく、むしろ逆に意味不明になって混乱してしまう可能性もあるので悪しからず(笑)。
 1.テディが女性患者を尋問しているシーンで、Dr.シーハンについて尋ねた時の女性の視線の先に注目。
 2.C棟に忍び込んだテディが凶暴な患者に襲われたシーンで、駆けつけた警備員が患者を連れて行く際にテディに言った言葉の意味を考えると同時に、テディに対する言葉遣いに注目。