評 価
File No.
1193
製作年 / 公開日
2009年 / 2010年04月17日
製 作 国
イギリス
監 督
ロネ・シェルフィグ
上 映 時 間
100分
公開時コピー
あの頃に戻っても、
私は私を止めたりしない。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
キャリー・マリガン
[as ジェニー]
ピーター・サースガード
[as デイヴィッド]
ドミニク・クーパー
[as ダニー]
ロザムンド・パイク
[as ヘレン]
アルフレッド・モリナ
[as ジェニーの父ジャック]
カーラ・セイモア
[as ジェニーの母マージョリー]
エマ・トンプソン
[as 校長]
オリヴィア・ウィリアムズ
[as スタッブス先生]
サリー・ホーキンス
[as セイラ]
マシュー・ビアード
[as グラハム]
アマンダ・フェアバンク=ハインズ
[as ヘイティ]
エリー・ケンドリック
[as ティナ]
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あ ら す じ
1961年。ロンドン郊外に住む16歳の高校生
ジェニー
は、父
ジャック
と母
マージョリー
のもと、オックスフォードを目指すために厳しい言いつけを守って過ごす退屈な毎日を送っていた。そんなある日、雨の中チェロを持って佇む彼女に、一人の男性が車中から声をかけてきた。「怪しい男に見えるだろうけど、君のチェロが心配で」。それが
デヴィッド
との出会いだった。
デヴィッドはジェニーより倍も歳上だったが、音楽会やナイトクラブなどジェニーがそれまで知ることのなかった刺激的な大人の世界を教えてくれる、魅力的な男性だった。ジェニーは次第にデヴィッドに惹かれていき、両親もまた裕福でウィットに富んだデヴィッドを、娘の交際相手として認めていた。そして、17歳の誕生祝いに2人でパリを訪れたジェニーは、初めての夜をデヴィッドと過ごす。それは、17歳になるまでジェニーが拒み続けてきた大人への一歩を踏み出した夜だった。
やがてジェニーは、デヴィッドとの結婚を意識し始める。そんな折りにデヴィッドからプロポーズをされたジェニーは、オックスフォード進学を断念して学校も退学、プロポーズを受け入れた。ところが、デヴィッドの車にあった封書の宛名を見たジェニーは、過酷なまでの事実を突きつけられた。果たして、ジェニーの選択は・・・・・。
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たぴおか的コメント
この作品でアカデミー主演女優賞にまでノミネートされた、24歳の新星キャリー・マリガンがいい。実年齢よりも8歳も年下を演じているのだが、利発的で可愛いルックスも手伝って、高校生のジェニーを演じていても違和感が全くなかった。そして、うわべは誠実そうでも裏の顔を持っているようなデヴィッド役のピーター・サースガードもいい味を出している。
17歳というまだ自己が確立されていない年齢は、外的要因によって左右されやすい不安定な状態にある。しかもジェニーの場合は、外的要因が親によって一切排除されたいわば無菌室のような環境で育ったために、なおさらのことデヴィッドのような未知の存在に惹かれたのだろう。そこまでは女性に限った話ではないし、充分理解できるのだが、頭のいいジェニーがデヴィッドからプロポーズされて、オックスフォード進学を諦めたうえに高校を中退までするかというと、その点は大いに疑問だと思う。
そんな無理のある展開から、おそらくラストではどんでん返しが用意されているのではないかと、うすうす想像できてしまうのが残念。ただ、娘が最悪の状態に陥った時、それまでは憎まれ役のような存在だったがために、父ジャックの真意と娘を思う優しい気持ちが余計に伝わってくる。父が持ってきてくれたクッキーと紅茶、その暖かさがジェニーだけではなく、スクリーンを通して観ている者にも伝わってくるような気がする。