評     価  

 
       
File No. 1196  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年04月24日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョー・ジョンストン  
       
上 映 時 間   102分  
       
公開時コピー   今宵は満月。
月が欠けるまで、悲鳴が止まらない。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ベニチオ・デル・トロ [as ローレンス・タルボット]
アンソニー・ホプキンス [as ジョン・タルボット卿]
エミリー・ブラント [as グエン・コンリフ]
ヒューゴ・ウィーヴィング [as アバライン警部]
ジェラルディン・チャップリン
マリオ・マリン=ボルケス
エイサ・バターフィールド
リック・ベイカー
 
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あ ら す じ    1891年の英国。舞台俳優のローレンス・タルボットは、兄・ベンのの婚約者グエン・コンリフから、ベンが行方不明になったとの手紙を受け取り、25年ぶりにブラックムーアにあるタルボット城へ帰ってきた。しかし、彼を出迎えた父ジョン・タルボットから一足遅かったと告げられたローレンスは、無残にも切り裂かれたベンの遺体と対面することとなった。そして、ローレンスは兄を殺した犯人を自らの手で捜し出すことを決意した。
 ローレンスはベンの遺品にあったメダルに手がかりがあるのではと考え、兄にメダルを売ったジプシーのキャンプへと訪れる。ところがそこへ、兄を襲ったと思われる正体不明の殺人鬼が現れ、ジプシー達を次々と襲い始めた。殺人鬼が森へ逃げ込んだのを見たローレンスは、銃を手に取って殺人鬼の跡を追った。しかし、待ち伏せしていた殺人鬼に襲われてしまったローレンスは、瀕死の重傷を負ってしまう。
 奇跡的に命をとりとめたローレンスだったが、傷が回復するにつれて自分の体に異変が起きていることに気づいた。彼を看病していたグエンに襲いかかりたい衝動を感じたのだ。彼を襲った殺人鬼の正体はウルフマンであり、ウルフマンに噛まれたローレンスもまた、満月の夜にウルフマンに変身して人間を襲う殺人鬼と化してしまうのだった。グエンの身に危害が及ぶことを恐れたローレンスは、次の満月の夜までにロンドンに帰るようグエンを説き伏せ、ローレンスに対して好意を抱き始めたグエンはその言葉に従ってブラックムーアを後にした。
 そして訪れた満月の夜、ウルフマンに姿を変えたローレンスは、次々と村人達を惨殺していく。翌朝になって罪悪感に苛まれるローレンスだったが、父・ジョンはそんな彼を冷たく突き放し、ロンドンから捜査に訪れたアバライン警部に引き渡してしまう。
 ロンドンへ護送されたローレンスは、精神病院へと収容される。そして、彼を狼化妄想の患者と信じて疑わない医師によって、拷問に等しいショック療法を受けたローレンスは、ついに自らが封印してしまった過去の記憶を取り戻した。母が亡くなった夜に一体何を目撃したのか、そして、それ以来なぜ父に疎まれるようになったのかを・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    観る前から気になっていたのはアンソニー・ホプキンスの存在で、彼が単なる人の好い父親で終わるはずがないと思っていたら案の定とんでもない食わせ物だったが、後半でああくるとは思ってもみなかった。また、アバライン警部役があの『マトリックス』のエージェント・スミスのヒューゴ・ウィーヴィングだったことはエンド・クレジットでやっとわかった。なんせ、今まではサングラスやマスク(『Vフォー・ヴェンデッタ』のV)で顔を隠した役ばかりで、どんな顔をしているのかマトモに見たことがなかったから。
 作品の内容は、R15+の視聴制限が付けられているのも当然と言わんばかりの殺戮シーンの連続で、内蔵を引きずり出したり、首は飛ぶし腕はちぎれるし串刺しもありという、まさに惨殺方法の見本市のような作品だった(笑)。血が苦手な人には絶対にお勧めできないね、これは。
 ウルフマンにベニチオ・デル・トロをキャスティングするとは気合いが入っているように思えるのだが、肝心のウルフマンの特殊メイクはまるで『スター・ウォーズ』のチュウ・バッカのようでちょっとがっかり。その反面、いままではあまり好きになれなかったエミリー・ブラントが魅力的なヒロインを演じていたのは好印象だった。彼女のルックスは現代物よりも時代物の作品に似合っていると思う。ただ、今ひとつ作品に重厚さが欠けているように感じてしまったため、個人的にはローレンスのウルフマンになってしまった苦悩をもっと徹底して描いて、自ら命を絶とうとするのをグエンが制止するくらいの脚本にしてもらいたかった。そのせいか、デル・トロの持ち味も今ひとつ生かし切れていないように思えた。ラストは予想通りだったが、あの終わり方しかないんだろうな、きっと。