評     価  

 
       
File No. 1197  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年04月24日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   古厩 智之  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   まっすぐって、ぶつかる。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   成海 璃子 [as 磯山香織]
北乃 きい [as 西荻早苗]
石黒 英雄 [as 磯山和晴]
荒井 萌 [as 田村咲月]
山下 リオ [as 久野こずえ]
高木 古都 [as 浜村ゆかり]
賀来 賢人 [as 岡巧]
波瑠 [as 西荻緑子]
古村 比呂 [as 西荻景子]
堀部 圭亮 [as 小柴隆造]
小木 茂光 [as 磯山恵介]
板尾 創路 [as 甲本肇]
 
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あ ら す じ    幼い頃から厳格な父・磯山恵介のもとで勝つ剣道だけを仕込まれてきて、中学チャンピオンとなった磯山香織。そんな負け知らずの彼女は、とある大会で対戦した“東松学園 甲本”の垂れを付けた同い年の選手に敗れてしまう。香織は自分に勝った甲本を追って、東松学園の女子高等部へと入学するのだった。
 剣道部の初日の稽古で、香織は因縁の敵・甲本に再会する。両親の離婚で姓が甲本から西荻に変わっていた敵・西荻早苗は、香織と相対すると逃げ惑うばかりで、そんな早苗に失望してしまう香織だった。けれども、一方の早苗は香織の強さああとカッコよさに憧れて、友達になろうとアプローチしてくる。そこで香織は、早苗の本当の強さを引き出そうと、自宅の道場へ早苗を連れ帰って無理矢理稽古をつけるのだった。
 インターハイの予選を控え、香織は先鋒に選ばれ、早苗は補欠に選出された。大会では東松学園は順当に勝ち進むが、試合の合間に早苗と口論になった香織は、階段から転落して左手首を負傷してしまう。香織に代わって先鋒をつとめることとなった早苗は、かつて香織から奪ったのと同じ無心の面で勝ちを収め、東松学園は見事インターハイへの出場を果たす。ところが、それ以来香織と早苗の心境に変化が起き始めた。
 何のために勝たなければならないのか、戦う理由を見失った香織は、怪我が完治しても稽古に出てこなくなった。一方、香織の代わりにインターハイでも先鋒に選ばれた早苗は、負けることが怖くなって今までのように楽しく剣道ができなくなっていた。そんな中早苗は、現状を打破するため、そして香織を剣道部に戻すために、香織に果たし状をたたきつけるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    年頃の女の子が主人公なのにもかかわらず、恋愛が介入してこない珍しくストレートなまでのスポーツと友情のストーリーだった。撮影中は成海璃子と北乃きいではなく、磯山香織と西荻早苗だったという2人。香織と早苗という育ちも考え方も全く異なる個性がぶつかり合い、時には反発しぶつかり合いながらも絆で結ばれていくという展開には、どうも私は弱いらしく、不覚にも目頭が熱くなったのも複数箇所あった。下手な作品を見終えた後の疲労感を微塵も感じることなく、非常に心地いい爽やかな余韻だけが残った。かなり評価が甘いとは思うが、今年はまだ星10個の作品がないこともあり、思い切って星10個にしてみた。
 天才・成海璃子の演技に文句はもちろんないのだが、このところ彼女が演じる役柄には疑問を感じる。そもそも、私が彼女を気に入ったのは、2007年に立て続けに公開された『神童』『あしたの私のつくり方』『きみにしか聞こえない』の3作品があったからで、私が観たいと思う成海璃子は、『神童』の成瀬うたであり、『あしたの私のつくり方』の 大島寿梨であり、『きみにしか聞こえない』の相原リョウなのだ。間違っても『山形スクリーム』の岡垣内美香代じゃない。その意味では、この作品磯山香織も彼女の演技力が十二分に生かされているかどうかには疑問がなくもない。彼女でなければ演じられない、他の役者では演じられない役柄ではないと思う。そうは言うものの、他の女優が磯山香織を演じたならば、成海璃子よりも見劣りする可能性はあるのだが。
 もちろん、役者として型にはまった演技しかできないのでは困るから、様々な役柄に挑戦すること自体は必要だ。けれども、何作かに1作は自分の演技力を遺憾なく発揮できるような役柄に挑んで欲しいものだと、1人のファンとして切に願う。そして、金輪際二度と竹中監督作品には出演してほしくない、てか、絶対に出演しないでくれぇ!(笑)どうやら次作『書道ガールズ!!』もこの作品と同じ系統だと思われるから、私が観たいと思う成海璃子が見られるのは、まだまだ先の話になりそうだ。