評     価  

 
       
File No. 1198  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年04月24日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   李 闘士男  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   愛は大きく。
夢はまっすぐ。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   岡村 隆史 [as 金城健司]
松雪 泰子 [as 金城由莉]
吉沢 悠 [as 佐加伊保]
伊藤 明賢 [as 屋宜啓介]
赤堀 雅秋 [as 大城真人]
児玉 絹世 [as 金城加那]
國村 隼 [as 比企連平]
長澤 まさみ [as 美ら島沖縄大使]
渡部 篤郎 [as 緑川靖治]
原田 美枝子 [as 金城花江]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    様々な仕事に就くがどれも上手くいかず、事業を始めても失敗し、残ったのは借金だけ・・・・・そんな欠陥商品・金城健司が沖縄に帰ってきた。幼なじみの由莉と結婚するための帰郷だったが、話を聞いた健司の母・花江は、結婚はちゃんとした仕事に就いてからだと反対した。一念発起した健司は、友達の屋宜啓介が経営するダイブショップの倉庫を勝手に改造してバーをオープンした。ところが、これが当たって経営も軌道に乗り、健司は晴れて由莉と結婚するのだった。
 2人の子供にも恵まれ、事業も拡大して借金を返済した健司だったが、4号店のオープンを祝う場で誰もが耳を疑うようなことを宣言した。「店は全部やめてサンゴの養殖を始める」と。海に潜ってサンゴが激減したことを知った健司は、由莉や子供たちに昔のようなサンゴを見せてやりたいと考えたためだった。こうして、健司の悪戦苦闘の日々は始まった。
 閉店したバーに水槽を持ち込んで育てたサンゴを、海中の岩に次々と植え付けていった健司だったが、沖縄県庁から漁業組合の許可が必要だとストップをかけられてしまう。そこで健司は、組合長の比企連平を訪ねて許可を得ようとするが、なす術もなく断られてしまう。他の組合に頼みに行くものの、その組合は開発の見返りである莫大な補償金のために健司の話を聞き入れないばかりか、開発反対派として脅迫されてしまう。
 ところがそんな健司に、あの比企連平がどういう心境の変化か、組合員を力で押さえつけて協力を申し出る。そして数日後、組合員のダイバー達の手でサンゴの移植が大々的に行われた。連平の後押しの元、健司の夢の実現は確実かと思われたが、そこに思わぬ落とし穴が待ち受けていた・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    タイトルの『てぃだかんかん』とは“てぃだ”=太陽、つまり太陽がかんかん照りという、幸せの象徴を意味する言葉とのこと。主役の金城健司を演じた岡村隆史ののったりとした抑え気味(てか、抑え過ぎ?)の演技がいい。ただ、感情の起伏までも抑えられてしまって、健司の心情の変化が観て取りにくいという弊害もある気がするが。また、健司の妻・由莉を演じた松雪泰子が相変わらず美人だ。
 この作品についてWebを見ていて初めて知ったのだが、沖縄の珊瑚礁は30年前の90%も激減しているとのことで、これは憂慮すべき事態だ。珊瑚礁が減るのはそこを住み処としている小魚たちが居場所を失うのみならず、それはすなわち珊瑚が暮らせる環境が減っていることの証左であり、それだけ環境が破壊されているということがこの上なく深刻な問題だ。
 沖縄の海が好きだからこそ、主人公の健司は自分の手でサンゴを養殖して海中に移植しようとしたわけで、そんな健司をシンポジウムでやれ「生態系の破壊だ」などと非難したバカ学者には正直腹が立つ。そもそも、生態系が破壊されたからこそサンゴが減ったのであって、その減ったサンゴを移植することを生態系破壊だとは、有識者と呼ばれる連中の頭の固さは岩をも凌ぐすさまじさだ。
 そんな健司に文句ひとつ言うことなく支え続ける、「内助の功」の見本のような由莉には頭が下がる。彼女の支えがなければ健司は志半ばで挫折していたわけで、そんな意味では國村隼扮する比企連平の存在もまた見逃せない。こういう無骨な役柄を演じさせると、國村隼という役者は本当にいい味を出すねぇ。そんな由莉や連平に支えられてこそ、健司は最後まで意志を貫き通すことができたわけで、そんな人たちに囲まれていた健司は間違いなく幸せ者だ。