評     価  

 
       
File No. 1200  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年05月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   石井 裕也  
       
上 映 時 間   000分  
       
公開時コピー   人生・・・もうがんばるしかない  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   満島 ひかり [as 木村佐和子]
遠藤 雅 [as 新井健一]
相原 綺羅 [as 新井加代子]
志賀 廣太郎 [as 木村忠男]
岩松 了 [as 木村信夫]
 
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あ ら す じ    駆け落ち同然に上京して5年、その間の彼氏の人数も5人。全てに妥協して「しょうがない」と諦める毎日を送っていた、派遣OLの木村佐和子。現在の彼氏で会社の課長・新井健一はバツイチで小学生の加代子という娘がいるダメ男で、しかもあろうことかエコライフを目指すなどと言って佐和子には何も言わずに会社を辞めてしまった。同僚から「別れろ」と言われるたびに、佐和子は「自分も“中の下”の女だから」と半ば自分に言い聞かせるように答えるのだった。
 そんな佐和子のもとにある日、叔父の木村信夫から連絡が入る。父・木村忠男が病気で倒れて入院したから、すぐ実家に帰って来いとの内容だった。5年も連絡を絶ったままの実家へなど今更帰れない、そう渋る佐和子だったが、健一は佐和子の実家だったら自分が目指すエコライフが可能だと、加代子を連れて佐和子の実家へついて行くと言い出すのだった。こうして3人は、はるばると佐和子の実家がある田舎町へと向かうのだった。
 肝硬変で入院する余命わずかの父に代わり、佐和子は木村水産で働き始める。ところが、初日の挨拶で5年前に駆け落ちした話が暴露されてしまい、初めて聞いた話に動転した健一は佐和子と口論になり、加代子を置いたまま家を飛び出してしまう。男に捨てられることこれで5度目、仕事でも社員から完全になめられてしまった佐和子は、ついに開き直って・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    満島ひかり目当てだけに観た作品だったが、これが文句なしに面白い!憧れのテニス部キャプテンと駆け落ちして5年、自称“中の下”のOL佐和子が、同じく中の下のバツイチ子持ちの上司・新井とその娘・加代子を連れて実家へ帰り、父が経営する会社・木村水産を切り盛りするのだが、ここでお約束のお局様との対立構造が・・・・・と言っても、全員がお局様なんだけど(笑)。とれたてのしじのをパック作業を始めて観たが、あんな格好をしなければならないとは全く知らず、てっきり私はポスターやチラシのあの白いユニフォームは、しじみを取るための物だと思っていた。
 佐和子の父を演じていた役者が、眼鏡をはずして鬘を付けていたために、最初は誰だか全く解らなかった。髪型と眼鏡だけであんなに人相が変わる人だったんだね、志賀さんって。最初に観た時、一瞬和製ベニチオ・デル・トロかと思ったくらいだ(笑)。
 主演の満島ひかりは、前作『カケラ』とは異なる役柄だったが、どんな役でも体当たりでこなそうとするその前向きさに好感を感じる。この作品では、「これでもか!」と言わんばかりの開き直りが面白く、木村水産のオバチャンたちの呆気にとられた顔が見物だった。そして、なんと言っても毎朝全員で歌うあの木村水産の新しい社歌がもう最高。上に掲載した画像で、満島ひかり以下全員が餌を欲しがる鯉のように口を開いているのも、実は社歌を歌っているシーンだった。
 そして、忘れてはいけないのがダメ親父と佐和子に挟まれて揺れ動く難しい役柄を演じた、子役の相原綺羅チャンだ。父親の健一が逃げ出したのに健気にも佐和子の元に残った加代子が、戻ってきた健一に投げかけた言葉は、きっと健一の胸にグサッと突き刺さったことだろう。そうかと思うと、お祖父ちゃんの忠男に「チュー」をしてもらった後に言った、佐和子に教え込まれていただろう台詞には思い切り笑わせられた。