評     価  

 
       
File No. 1204  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年05月08日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   堤 幸彦  
       
上 映 時 間   119分  
       
公開時コピー   霊能力、出血大サービス!
まるっとお見通せない謎!!
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   仲間 由紀恵 [as 山田奈緒子]
阿部 寛 [as 上田次郎]
生瀬 勝久 [as 矢部謙三]
野際 陽子 [as 山田里見]
松平 健 [as 鈴木玲一郎]
佐藤 健 [as 中森翔平]
夏帆 [as 高階美代子]
藤木 直人 [as 伏見達郎]
片瀬 那奈 [as 杉尾園子]
戸田 恵子 [as 相沢天海]
平泉 成 [as 宇田川八兵衛]
池田 鉄洋 [as 秋葉原人]
三浦 理恵子 [as 松宮佐和子]
大島 蓉子 [as 池田ハル]
アベディン・モハメッド [as ジャーミー]
瀬戸 陽一朗 [as 照喜名保]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    日本科学技術大学の物理学教授・上田次郎の研究室に、とある山奥にある寒村・万練村から中森翔平という青年が訪ねてくる。代々万練村を厄災から守ってきた霊能力者“カミハエーリ”が亡くなったために、次のカミハエーリを全国から募った霊能力者を戦わせて選ぶことになったという。そして、先代カミハエーリの孫である翔平も霊能力者として選定に参加せざるを得なくなったため、そんな馬鹿げた風習を終わりにするためにも上田に集まってきた霊能力者達が偽物であることを証明して欲しいと頼むのだった。
 自称・美人天才マジシャンの山田奈緒子は、家賃の取り立てに追われていたところへバイト先をクビになってしまったところへ、奇妙な話を持ちかけられた。手品を使って霊能力者のふりをして、万練村のカミハエーリになって村人から貢ぎ物をせしめててはどうかというのだ。この話を受ける決意をした奈緒子は、上田から温泉行きの誘いの電話が入るが、それが実は万練村行きの依頼だとも知らずに断って、ひとり万練村へと向かうのだった。こうして、偶然にも奈緒子と上田は万練村のカミハエーリ選定会場で顔を合わせることになった。
 カミハエーリに応募して集まった霊能力者は奈緒子と翔平のほかに、生死を操ることができるという鈴木玲一郎、神と心を通わせることができるという宗教集団の教祖・相沢天海、100年先の未来を予知できるという占い師・杉尾園子、そして絶対に死なない不死身の男・伏見達郎という面々だった。奈緒子は上田に他の候補者のインチキを暴く手伝いをする代わりに、自分の贋霊能力を本物だと証明することを持ちかける。こうして、カミハエーリの選定は幕を開けることとなった。
 参加者たちは次々と持ち前のパフォーマンスを披露していく。ところが、伏見のパフォーマンスに奈緒子が異議を唱えたことをきっかけに、様相は一変する。伏見の不死身が本物かどうか、鈴木が伏見に呪いをかけて確かめると言い出したのだ。そして、伏見は鈴木の言葉通りバラバラの遺体となって発見される。こうして、パフォーマンスの披露は一転して互いを霊能力で殺し合うという、霊能力バトルロイヤルへとエスカレートしていくのだった・・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    10周年を記念した今回の作品は、村の女の子に夏帆を迎え、エセ霊能力者には戸田恵子、藤木直人、片瀬那奈、そして極めつけがマツケン(松山ケンイチじゃないよ)とゲスト陣の豪華さがまず目に付く。中でも松平健の存在感と貫禄は圧倒的で、彼がスクリーンに登場するだけで作品全体が引き締まって見えるのは大したもの。ナゼか馬に乗って走り去るシーンがあったり、仲間由紀恵扮する奈緒子がマツケン演じる鈴木に「予の顔を見忘れたか」などと、明らかに『暴れん坊将軍』のパロディだとわかるシーンが随所に見られるのは、同じテレ朝系の番組ならではだ。それにしても、テレ朝唯一と言っていいヒット作だとは言え、今回はSAPPOROの「麦とホップ」や日清の「チキンラーメン」とのコラボCMまで登場するとは、地上波テレビ局の窮状が如実に現れているように思えてちょっと物寂しい気がしないでもない。
 番組がスタートした時は20歳だった仲間由紀恵も今は30歳。シリーズを通して貫かれる奈緒子の「貧乳」と上田の「巨○」ネタは、今回も合い言葉として「貧」と「乳」が使われているが、彼女のボディラインもずいぶん丸みを帯びて、「今やその貧乳に危機が訪れている」と何かの記事に書かれていたのには笑った。ただ、前作でもそうだったが、もはや生瀬勝久扮する矢部が事件に絡むことなく、ただただヅラネタのためだけに登場しているのは残念で、野際陽子扮する奈緒子の母・里見の絡ませ方にも相当無理があるように思える。矢部の部下・秋葉原人(“あきば・はらんど”と読むらしい)もいつから登場しているのかわからないが、私はやはり矢部の部下は前原一輝扮する石原達也がベストマッチだと思う。
 作品の中身はというと、私は今までの劇場版の中では今回の作品が最も面白いと思う(と言っても、過去2作品の記憶はかなり薄れてしまっているが)。端からその他大勢的な出演だと思っていた藤木直人扮する伏見達郎のコスチュームと三枚目ぶりにはちょっとビックリ。「私は生まれてから一度も死んだことがない」だなんて台詞を真面目な顔で堂々と言ってのけたのには笑わせてもらった。そして、くどいようだがやはり松平健の他を圧倒する迫力は、まるで『TRICK』ではなく別の作品を観ているかのように錯覚してしまうほどだった。