評     価  

 
       
File No. 1211  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年05月22日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   スコット・スチュワート  
       
上 映 時 間   100分  
       
公開時コピー   人類 VS. 天使
 
人類の希望
神の命に背いた大天使ミカエル。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ポール・ベタニー [as ミカエル]
ルーカス・ブラック [as ジープ・ハンソン]
タイリース・ギブソン [as カイル・ウィリアムズ]
エイドリアンヌ・パリッキ [as チャーリー]
チャールズ・S・ダットン [as パーシー・ウォーカー]
ジョン・テニー [as ハワード・アンダーソン]
ケヴィン・デュランド [as ガブリエル]
ウィラ・ホランド [as オードリー・アンダーソン]
ケイト・ウォルシュ [as サンドラ・アンダーソン]
デニス・クエイド [as ボブ・ハンソン]
 
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あ ら す じ    堕落した人間たちを見限った神は、人類を一掃すべく天使の大軍団“レギオン”を地上に送り込んだ。ところが、それでもなお人類を信じる大天使ミカエルは、神の命に背いて地上に降り立ち、自ら翼をちぎり捨てて人類のために戦う決意をした。そして、大量の銃器を手に入れた彼は、奪った車で一路アリゾナへ向かって走り出した。
 アリゾナの砂漠にぽつんと佇む、主のボブ・ハンソンとその息子ジープ・ハンソン、そして妊娠中のウエイトレスチャーリーの3人で営まれている寂れたダイナーに、ひとりの老婆が訪れた。老婆は客のひとりサンドラ・アンダーソンに向かって暴言を吐くと、それを咎めたサンドラの夫ハワード・アンダーソンの首筋に噛みつき、驚くべき身のこなしで店内の人間を襲い始めた。
 ミカエルがハンソンのダイナーにたどり着いたのは、老婆が射殺された直後だった。そして、かれは未だ動揺がさめやらないボブたちに向かって、信じられないような話を始めた。神が人類を見限って滅ぼそうとしていること、自分はその神に背いても人間を守るためにやってきたこと、そして、神が送り込んだレギオンの目的は、やがて人類の救世主となるべく生まれてくるチャーリーの子供であること、そしてまもなくレギオンを率いて自分と同じ大天使のひとりガブリエルが来襲して来るであろうことを・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この作品に興味を持ったきっかけはポスターの画像にあって、どうやら天使と思われる半裸の男(ポール・ベタニー)が、ナゼか右手にアーミーナイフ、左手にマシンガンを持っているというそ奇異さだった。そして、タイトルの“レギオン(=LEGION)”という単語の意味がわからず、まず最初に辞書で調べたところ、「(古代ローマの)軍団; 軍; 在郷軍人会; 多数」とあった。非常に邦題を付けにくそうな単語が原題であるために、下手に意訳をするよりもそのままカタカナにしてしまえ!的なノリで付けられたような気がする邦題の『レギオン』。私だったら『大天使ミカエル』とするとか、でなければ『レギオン−神の軍隊−』と副題を付けたかったところだ。
 「神VS人類」といえば、オリンポスの神々に対してデミゴッドのペルセウスが人間と共に戦いを挑んだ『タイタンの戦い』が思い浮かぶけど、『タイタン』が典型的な「陽」の作品であるのに対して、神の僕(しもべ)である大天使ミカエルが人間に与して神と戦うこの『レギオン』は間違いなく「陰」に属する作品だ。最初の刺客である老婆がダイナーで暴れるシーンでは、首筋を食いちぎるなどどう観てもスプラッタ・ホラーそのものだったし、なぜか昼間でなく夜にレギオンは襲ってくるために、全体的に映像は暗く、それがさらにホラー色を濃くしている。
 大天使ミカエル(Michael:英語での発音は“マイケル”だが、さすがにそれじゃ様にならない ^-^;)を演じたポール・ベタニーがヒール顔で、実際これまで演じてきた役柄も『ダ・ヴィンチ・コード』のシラスや『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のメルバーン卿など、曲者揃いだ。そして、デニス・クエイドが意外な所に意外な役柄で登場していた。というか、彼には本来こういう役柄が似合っているのかもしれない。
 チャーリーの子供が人類を救う救世主になるというが、『ターミネーター』のように機械から人類を救うのならわかるが、この作品では相手は神であって、神から人類を救う救世主といわれてもピンとこないし、またどのように神の手から人類を守るのかもこの作品では語られていない。あくまでもこの作品は神VS人類のこれから始まるであろう壮大な闘いの序章でしかないのだ。