評     価  

 
       
File No. 1214  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年05月22日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   塚本 晋也  
       
上 映 時 間   71分  
       
公開時コピー   鋼鉄と化した心を溶かすのは
愛か 憎しみか
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   エリック・ボシック [as アンソニー]
桃生 亜希子 [as ゆり子]
中村 優子 [as 美津枝(アンソニーの母)]
ステファン・サラザン [as ライド(アンソニーの父)]
塚本 晋也 [as “ヤツ”]
 
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あ ら す じ    東京の外資系企業に勤務するアメリカ人アンソニーは、妻ゆり子、3歳になる息子のトムと平穏な生活を送っていた。アンソニーの父ライドはアンソニーとトムの体を必要以上に心配し、頻繁に血液検査を行うのだが、その理由はアンソニーにはわからなかった。
 ある日、トムが謎の男の運転する車に轢き殺されてしまう。悲しみにうち沈むアンソニーだったが、トムを殺した“ヤツ”が、今度はアンソニーを殺しにやってきた。なぜ、“ヤツ”は自分たちをつけ狙うのか?アンソニーはその答えを求めて父の家に訪れ、地下室でその手がかりを見つけるのだった。
 地下室で見た物について、ライドを問いただすアンソニー。そして、アンソニーに応えてライドが語り出した話とは、かつてライドが参加していた「鉄男プロジェクト」についてだった。「鉄男プロジェクト」とは、人間の体を鋼鉄の銃器に変えてしまうという恐るべき実験で、死の病に冒されたアンソニーの母美津枝は自ら進んで体を提供し、そんな美津枝とライドの間に生まれたのがアンソニーだった。そして、アンソニーに流れる血は、怒りによって彼の体を鋼鉄の兵器へと変貌させるとライドは言う。そして、アンソニーに怒りを制御するようライドは忠告するが、そこへ再び“ヤツ”が現れる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    71分という尺の短さに救われた。これがもし120分もの尺の作品だったら、私は最後まで観ていられなかったかも知れない。モノクロの画像に、なぜか全編英語で字幕付き。映像の酷さはすさまじく、おそらくは鉄男と化したアンソニーの造形をじっくりと見せられないためだろうが、ハンディカメラで撮影されたのか画面が激しく動き過ぎて何が何だかわからない。そして何よりも酷いのはその大音量を通り越してもはや騒音としか言いようのない音響だ。今まで不愉快な思いをさせられた作品は何作もあるが、生理的に不快な思いをしたのはこの作品が初めてだ。黒板を爪でひっかく音と並んで不快な金属同士がこすれ合うような音を大音量で聞かされるのは拷問以外の何物でもない。シネマライズではそれほどハズレの作品には遭遇した記憶がないのだが、この『鉄男』は私にとってはシネマライズ最大のハズレ作品だった。