評     価  

 
       
File No. 1216  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年05月28日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マイク・ニューウェル  
       
上 映 時 間   117分  
       
公開時コピー  
砂よ
時間を巻き戻せ!
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジェイク・ギレンホール [as ダスタン王子]
ジェマ・アータートン [as タミーナ王女]
ベン・キングズレー [as ニザム]
アルフレッド・モリナ [as シーク・アマール]
スティーヴ・トゥーサント [as セソ]
トビー・ケベル [as ガーシヴ]
リチャード・コイル [as タス]
ロナルド・ピックアップ [as シャラマン王]
リース・リッチー [as ビス]
 
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あ ら す じ    圧倒的な軍事力とその巧みな戦略で今や史上空前の繁栄を誇る古代ペルシャ帝国。ある日国王は市場で友人を助けるために自らが囮になって兵士から逃げる少年ダスタンの勇気と行動力に将来性を感じ、彼を自らの養子として第3王子として応急へ迎え入れる。そして15年後、ダスタン王子は“ペルシャのライオン”と呼ばれるほどの勇者に成長していた。
 ペルシャ帝国は、聖なる都アラムートが実は兵器を密造して敵に売り渡しているとの情報を入手し、2人の兄はアラムートを制圧する決断を下した。仲間と共に先陣を切ってアラムートの城壁内に進入し、城門を開いて闘いを勝利に導いたダスタンは、一振りの短剣を手に入れた。しかし、勝利に酔いしれる宴の最中に、ダスタンが渡したアラムートの法衣を着た王が急に苦しみ倒れてそのまま亡くなってしまう。法衣に毒が塗られていたのだ。王を殺した疑いをかけられて戸惑うダスタンだったが、囚われの身となっていたアラムートのタミーナ王女が彼の逃走を手助けして、2人はペルシャ軍の追っ手から見事逃げおおせるのだった。
 タミーナがダスタンに手を貸したのは、ダスタンが持つ短剣を手に入れることが目的だった。そしてダスタンは、その短剣が時間を元に戻すことが可能な“時間の砂”を操ることができる唯一の道具であることを知る。父である王を殺害し、ペルシャ軍をアラムートに攻め入らせた犯人の目的も、アラムートに守られていた短剣と時間の砂にあったのだ。タミーナは代々受け継がれてきた時間の砂と短剣の守護者であり、もしも時間の砂がすべて解放されると、それは巨大な砂嵐となって世界を滅亡へと導くという。ダスタンとタミーナはいがみ合いながらも、時間の砂を守るためにアラムートへ侵入するのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ディズニー作品でジェリー・ブラッカイマーがプロデュース、タイトルが『○○・オブ・○○』なんていう作品、確か前にもあったなぁ・・・・・そう、あの海賊が出てくるやつ・・・・・なんて声が聞こえてきそうなこの『プリンス・オブ・ペルシャ』。ノンストップの息もつかせないアクションの連続で、久し振りに「手に汗握る興奮」という言葉がピッタリな作品だった。
 とにかくジェイク・ギレンホールがよく動く。もともと彼は、私の中ではどちらかと言えば演技で見せるタイプでアクションとは疎遠なイメージがあったのだが、よほどトレーニングを積んだのだろう、若い頃のジャッキー・チェンばりと言えば大袈裟になるかもしれないが、跳ねる、飛ぶ、回ると見事なアクションを披露してくれているのにはちょっと感動。圧巻なのは崩れる砂に流されるシーンで、圧倒的なCGの効果も相俟って見る物の度肝を抜くような壮絶なシーンに仕上がっていて、これは必見。
 この作品でヒロインを演じているのは、『タイタンの戦い』で主人公ペルセウスの妻となるイオを演じたジェマ・アータートンで、この作品ではペルシャ軍に攻め落とされたアラムートの王女で絶世の美女という設定だ。正直言って彼女のルックスは手放しに美人だとは言い難いものの、そのエキゾチックな雰囲気は役柄にピッタリマッチしていて、その王女が実は非常に負けん気が強くジェイク扮するダスタンに対しても臆することのないその気丈さが気に入った。そして、どう観ても悪役にしか思えないベン・キングズレーには、やっぱり善人役は向いていない。先に公開された『シャッターアイランド』は、彼のお陰で騙されたようなものだったが、この作品では期待通りの悪役ぶりを遺憾なく発揮していて存在感も充分だ。
 ダスタンの2人の兄は、せっかくダスタンとの絆を取り戻したというのに呆気なく殺されてしまい、挙げ句の果てにはタミーナまでもが死んでしまう。これはひょっとして・・・・・と期待を抱きつつ迎えたラストシーンは、まさに期待通りの気持ちいい終わり方で満足。サブタイトルが『時間の砂』なのだから、あの終わり方しかないだろう。