評 価
File No.
1220
製作年 / 公開日
2009年 / 2010年06月04日
製 作 国
アメリカ
監 督
ジム・シェリダン
上 映 時 間
105分
公開時コピー
世の果てをみた兄に、まだ声は届くだろうか。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
トビー・マグワイア
[as サム・ケイヒル]
ジェイク・ギレンホール
[as トミー・ケイヒル]
ナタリー・ポートマン
[as グレース・ケイヒル]
サム・シェパード
[as ハンク・ケイヒル]
クリフトン・コリンズ・Jr
[as カヴァゾス少佐]
メア・ウィニンガム
[as エルシー・ケイヒル]
テイラー・ギア
[as マギー・ケイヒル]
ベイリー・マディソン
[as イザベル・ケイヒル]
キャリー・マリガン
[as キャシー・ウィリス]
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あ ら す じ
米陸軍大尉の
サム・ケイヒル
は、アメフトの花形選手だった学生時代に
グレース
と出会って結婚し、今では2人の娘にも恵まれて誰もが羨むような満ち足りた生活を送っていた。そんなサムの弟
トミー・ケイヒル
が、刑期を終えて出所した。銀行強盗で刑務所に服役したという厄介者のトミーは、家族からさえ見放されており、そんな彼の唯一の理解者が兄のサムだった。
ある時、サムに召還命令が届き、危険な戦地アフガニスタンへと出兵することとなった。そしてその後、サムの訃報が届けられ、夫や父親を失ったグレースと2人の幼い娘は悲しみのどん底へと突き落とされた。そんな家族の支えとなったのが、厄介者のトミーだった。子供たちの良き遊び相手として、またグレースの相談相手として接するうちに、トミーとグレースは互いに惹かれ合い、子供たちにとってもトミーはなくてはならな存在へと変わっていった。
そんなある日、死んだと思っていたサムが生還した。戦地で捕虜となったサムは、自らが生きるために同僚を撃ち殺すという過酷な経験を経て、まるで別人であるかのように変わり果てていた。グレースにさえ戦地で何があったかを決して話そうとせず、あろうことかトミーとグレースの仲を執拗に疑うサム。そして、やがてサムの苛立ちは極度に達し、堰を切ったかのように溢れ出す感情のままに暴挙に走ってしまうのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
予告編を観た時、「なんだか『ある愛の風景』に似たような話だなぁ・・・」とは思ったのだが、観てみると似ているどころか内容がまったく同じで、これはもう『ある愛の風景』のリメイク版であることは明らかだった。そして、オリジナル版のインパクトが強かっただけに、このハリウッド版には物足りなさを感じてしまった。
まずは、戦場で捕虜になり人格が破壊されんばかりの経験を経て生還したサムだが、異様に大きく眼を見開いた表情から狂気が感じられるものの、その根底にある苦しみや畏れといった感情が読み取れない。彼が今にも暴走しそうな自らの感情と抑えようと苦悩するというのがその役柄のポイントだけに、だた単に粗暴になっただけにしか感じられないのはツラい。早い話が彼の演技は薄っぺらで、厚みが感じられないのだ。そして、兄と比べてダメダメな弟のトミーを演じたジェイク・ギレンホールだが、今までの役柄で彼が築いてきた真面目なイメージが邪魔をして、どうしても「いいひと」にしか見えないのだ。『ある愛の風景』でヤニックを演じたニコライ・リー・コスはいかにもロクデナシといった見かけと演技が秀逸で、「こんな男に心を開いたら絶対にダメだってば」と思わず口にしたくなったほどだっただけに、キャスティングを間違ったと言うべきだろうか。
トミーの妻を演じたナタリー・ポートマンが美人なのはわかるが、作品中でクドイほど「美人」と念を押すように繰り返されるのにはさすがに辟易する。確か『ある合いの風景』では、夫を亡くしたサラは美人というよりも理知的な女性で、そんな冷静な彼女がダメな弟である矢ニックに惹かれてしまうという意外性が描かれていたように記憶しているから、「美人」「美人」と繰り返されるこの作品のグレースは、ただ美しいだけだと強調されているように思えてしまう。
そこで、例えばこんなキャスティングはどうだろうか?
サム:レイフ・ファインズ
グレース:ケイト・ウィンスレット
(あれ?この組み合わせ、どこかで観たことがある気が・・・)
トミー:ベニチオ・デル・トロ
このキャスティングだと、ギャラが高すぎてダメかも(笑)。ただ、どうしても『ある愛の風景』のヤニック役をデル・トロに演じさせてみたくて・・・・・。