評 価
File No.
1230
製作年 / 公開日
2009年 / 2010年06月12日
製 作 国
日 本
監 督
大森 立嗣
上 映 時 間
131分
公開時コピー
三人なら、生きられる。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
松田 翔太
[as ケンタ]
高良 健吾
[as ジュン]
安藤 サクラ
[as カヨちゃん]
宮崎 将
[as カズ]
柄本 佑
[as 洋輔]
洞口 依子
[as 洋輔の母]
多部 未華子
[as ゆみか]
美保 純
[as スナックのママ]
山本 政志
[as 二郎]
新井 浩文
[as 裕也]
小林 薫
[as 闘犬の男]
柄本 明
[as 菊ちゃん]
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あ ら す じ
工事現場でひたすら壊す“はつり”の仕事をする
ケンタ
と
ジュン
は、同じ施設で育った幼なじみだった。施設にはケンタの兄・
カズ
もいたが、ケンタが13歳だった時に幼女誘拐未遂事件を起こした挙げ句、そのことを馬鹿にした
裕也
の腹をカッターナイフで何度も切りつけ、今は網走の刑務所で服役している。そのことで裕也からは未だに賠償金と称して毎月金を払わされているうえに、執拗ないじめに遭っていた。
2人はある日ナンパ目的で街に繰り出し、ジュンは一人の女の子をゲットした。その女の子・
カヨちゃん
は、自分が美人でないことに過度のコンプレックスを持っていて、そのためか自分を愛してくれる相手であれば誰とでも体を重ねる女の子だった。カヨちゃんを抱いたジュンは、その日以来カヨちゃんの部屋に居候を始めた。けれども、執拗に愛を求めるカヨちゃんが鬱陶しくなったジュンは、結局カヨちゃんの部屋を出てケンタの元へと戻るのだった。
深夜、仕事場へと向かうケンタとジュンと、ジュンに付いてきたカヨちゃん。ハンマーを手にした2人は、裕也の車のルーフに上ると、力任せにハンマーを振り下ろした。フロントガラスは粉々になり、ボンネットもドアも全てをボコボコにする2人と、それを観て歓声を上げるカヨちゃん。次にケンタは事務所をメチャクチャにし始めた。やがて気が済んだ2人は、カヨちゃんと共に事務所のトラックを拝借して逃げ出した。当てもなく車を走らせるケンタは、兄・カズのいる網走へと向かうことを決め、ケンタとジュンとカヨちゃんの3人の後戻りできない旅が始まった・・・・・。
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たぴおか的コメント
申し訳ないけど劇場で観る必要などなし、DVDですら観る時間がもったいないように思える作品だった。そもそも、ケンタとジュンとカヨちゃんの国などどこにもない。3人は運命共同体でもなければ、強い絆で結ばれているわけでもなく、ただ成り行きで仕方なく一緒にいるだけという関係。「三人なら、生きられる。」なんてコピーもまったく見当違いだ。そしれどころか、ことカヨちゃんに対する振る舞いに関してのみ言えば、ケンタもジュンも人間のクズのような不愉快な連中で、久し振りに不愉快な気分に浸らせてくれた。そして、私の不満の矛先は、当然のことながらジュンを演じた高良健吾に向かうのだ。
未だになぜ彼がこんなに重用されているのかがわからない。『ソラニン』の種田も『ボックス!』の優紀も、そしてこの作品のジュンも同じキャラクターにしか見えない。あの程度の演技で売れっ子になれるのならば、俳優という仕事はこの上なく楽な仕事だと言いたくなる。そして、脚本の酷さ。てんでバラバラなエピソードがただ脈絡もなく並べられているだけで、結末に向かってストーリーが盛り上がることもなく、従って何の感情も喚起されることがない。ラストシーンでのジュンのケンタに対してとった行動などは意味不明としかいいようがなく、その理由を尋ねたケンタに対するジュンの「俺にはケンタ君しかいないから」などという答えは全然答えになっていないと言いたくなる。
この作品で散々「ブス」だの「バカ」だのと罵られるのに終始したカヨちゃん役の安藤サクラは、確かに美人ではないし、正直好みとは言いかねるルックスだが、『愛のむきだし』では新興宗教の狂信的な信者、『罪とか罰とか』ではタカビーなグラドル、『スイートリトルライズ』では恋人を人妻に寝取られる女性と、様々な役柄を演じ分けているように、その演技力はさすがだ。奥田瑛二が父親というのがちょっと気に入らないけど(笑)。