評     価  

 
       
File No. 1232  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年06月12日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   亀井 亨  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   やっかいなこともあるけれど、
それでも人生はステキです
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   カンニング竹山 [as 間瀬垣勤]
鶴田 真由 [as 間瀬垣真亜子]
山下 リオ [as 間瀬垣瑠璃]
芦名 星 [as 丹羽仁美]
高橋 長英 [as 真泉平]
甲本 雅裕 [as 沼尻崇]
草村 礼子 [as 宗形の母]
田村 泰二郎 [as タクシー客]
根岸 季衣 [as タクシー客]
柳沢 なな [as 盲目のタクシー客]
李 千鶴 [as あさひタクシー配車係]
塚本 高史 [as 菅沼]
水木 一郎 [as 炎悟]
室井 滋 [as 松本スミエ]
内藤 剛志 [as 宗形誠二]
 
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あ ら す じ    教師の妻・真亜子と高校3年になる受験生の娘・瑠璃と暮らす、間瀬垣勤40歳。人とのコミュニケーションが苦手な間瀬垣は、教師を辞めてタクシー運転手していたものの成績は万年最下位、妻からは疎まれて娘からはバカにされ、家でも職場でも居場所を失っていた。
 そんなある日、公園で昼食の弁当を食べている間瀬垣の目の前に一匹の三毛猫が現れた。ちょっと太めで貫禄充分のその猫の首には、「御子神」と書かれた札が下がっていた。物怖じせずに間瀬垣を見つめる“御子神さん”から逃げ出した間瀬垣だったが、なぜか気になって翌日も同じ公園に行ってみたものの、そこには“御子神さん”の姿はなかった。
 ところが、後日間瀬垣はひょんなことから“御子神さん”に再会した。猫を使ってタクシー代をネコババする通称“ねこババァ”こと松本スミエの被害に遭った間瀬垣は、彼女の家を訪ねた。そこには飼い主から見放された猫たちが集まっており、その中にあの“御子神さん”の姿があったのだ。間瀬垣はスミエに“御子神さん”を譲ってくれるよう頼んだところ、スミエは“御子神さん”ともう一匹の猫“小麦”をセットで間瀬垣に譲ってくれた。
 次の日から間瀬垣は、“御子神さん”と“小麦”を助手席に乗せて、「ねこカフェ」ならぬ「ねこタクシー」を始めると、客の評判は上々でたちまち万年最下位だった彼の成績は急上昇した。ところが、間瀬垣が内緒でやっていたねこタクシーを真似た同僚の丹羽仁美のタクシーが噂になり、保健所職員の宗形誠二からねこタクシーを禁止されてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『守護天使』で映画初主演を務め、最近ではもうすっかり俳優業が板に付いてきたカンニング竹山の主演2作目となる作品。私はハッキリ言ってイヌ派でネコはあまり好きではないのだが、この作品や『ネコナデ』を観ると、ネコも悪くないと思えてくる・・・・・かな?・・・・・いや、確かに『ネコナデ』の鬼塚トラは猫嫌いの私が観ても可愛かったが、この作品の御子神さんの用にふてぶてしい態度の猫はやっぱり苦手だ(笑)。
 最初は妻や娘にまでそっぽを向かれていた間瀬垣のダメ亭主ぶりが、どうしても『守護天使』と重なる。『守護天使』と違うのはこの作品では妻のほかに娘までいることで、その娘役の山下リオに間瀬垣が冷たくあしらわれるのを観ていると、こっちまで辛くなってしまった。やっぱり山下リオは無愛想なキャラクターよりもいつも笑顔でいてくれる方が嬉しい。そして、この作品でもキワモノ役を演じた室井滋はさすがに演技達者で、文句を言うために彼女の家を訪れた間瀬垣が、いつしか彼女に同調してしまったのがよくわかる。
 間瀬垣が自分の成績を上げるためにではなく、ただ御子神さんや小麦と一緒に仕事をしたいために資格を取って保健所の許可を得る姿には好感が持てる。もし彼が自分音営業成績のためにねこタクシーを始めたのだったら、御子神さんが亡くなった時には別の猫を乗せてねこタクシーを続けただろう。けれども、彼は御子神さん亡き後はきっぱりとタクシーの運転手を辞めてしまった、その潔さが気持ちよかった。