評     価  

 
       
File No. 1237  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年06月26日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   吉田 恵輔  
       
上 映 時 間   99分  
       
公開時コピー   好きになるのは、カンタン。
好きでいるのは、ムズカシイ。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   高岡 蒼甫 [as 百瀬]
田畑 智子 [as 佳代]
小野 恵令奈 [as 桃]
矢沢心
大島 優子
太賀
赤堀 雅秋
 
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あ ら す じ    同棲して2年がたつ30歳のダメ男・百瀬と29歳の佳代。2人の間には、すでに出会った頃のような新鮮な恋愛感情は薄れていて、特に百瀬は佳代との関係に倦怠感すら感じている始末だった。
 ある夏の日、そんな2人の元に15歳の佳代の妹・が、田舎から上京して夏休みの間居候することになった。人の言うことを聞かずにあくまでマイペースを貫く桃に、百瀬と佳代は振り回される。とりわけ百瀬は、佳代にはない雰囲気を持つ桃に戸惑う一方で、下着同然の姿で部屋をうろついたり、愛想がないと思ったら時折みせるドキッとするような表情を見せる桃に落ち着きを失っていく。そんな百瀬の心をくすぐるように、桃は百瀬自慢の車を「個性的でかわいい」と褒めたり、百瀬の喧嘩自慢に「強い人が好き」と応えたりで、いつしか百瀬は完全に桃の虜になってしまっていた。
 夏休みも残り少なくなり、桃が実家に帰る前日の夜、桃がいなくなる切なさから思わず桃にキスをしてしまう百瀬。翌日には桃がいなくなってからというもの、百瀬の頭は桃のことでいっぱいで、前以上に佳代に対して無愛想になっていた。そして、些細なことから佳代と喧嘩になった百瀬は、佳代に別れを告げて家を出て行ってしまう。そして、毎日のように桃の携帯に電話をし続ける百瀬だったが桃の携帯はいつも留守電ばかりで、いくらメッセージを残しても桃から電話がかかってくることはなかった。
 一方、百瀬のことが好きで諦めきれない佳代は、百瀬の仕事場に押しかけたり、百瀬の留守中に合い鍵でアパートに忍び込んで掃除をしたりと、ストーカーまがいの行動に及んだ挙げ句に警察沙汰になってしまう。やっと百瀬を諦める決心をした佳代は、百瀬に知らせずにアパートを引き払って実家に帰ってしまうが、そんなことは知る由もない百瀬は、桃に会いたい気持ちを抑えきれずに、佳代もいる実家へと車を走らせるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    高岡蒼甫が主演というのは気になったが、共演が田畑智子だから大丈夫だろうという、まったく根拠のない安心感をもって劇場に臨んだ作品。これが観てみると高岡蒼甫にピッタリな役柄の作品で、おそらくほとんど演技じゃなくて地で演じているのではないかと思われるほどのハマリ役だ。田畑智子扮する佳代の妹・桃を演じた小野恵令奈って何者だ?と思って調べてみたら、AKB48のメンバーとのことで、これからもおそらくはAKBが出演する作品に頻繁に遭遇するのだろうと思うと、嬉しいんだか悲しいんだか・・・・・。
 タイトルの『さんかく』とはもちろん、高岡扮する百瀬、田畑智子扮する佳代、そして桃の3人が織りなす三角関係のこと。百瀬のようなダメ男のどこがいいのかわからないが、佳代の彼への執着ぶりには理解し難いものがあって、劇中何度も「いい加減、そんな男はやめておいたら?」と声をかけたくなる。一方の百瀬が自分より15歳も年下の中学生に熱を上げる気持ちはわからないでもないが、他人事ながら観ている方が恥ずかしくなってくる。そして、クライマックスとなるラストシーンで久し振りに3人が面と向かい合った時、一瞬緊張した空気が流れた後、佳代が見せる何とも言えない微妙な微笑みが余韻となって尾を引く。自分が初めて百瀬よりも上の立場に立ったという勝ち誇った笑みなのか、それとも百瀬が妹の桃に夢中になっていたことを知った上ですべて許すという母性の表れの笑みなのか?個人的には前者であって欲しいと思うのだが・・・・・。