評     価  

 
       
File No. 1246  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2010年07月10日  
       
製  作  国   スウェーデン  
       
監      督   トーマス・アルフレッドソン  
       
上 映 時 間   115分  
       
公開時コピー   怖ろしくも、哀しく、美しい12歳の初恋  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   カーレ・ヘーデブラント [as オスカー]
リーナ・レアンデション [as エリ]
ペール・ラグナー
 
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あ ら す じ    ストックホルム郊外の集合住宅に母親と2人で暮らす12歳の少年オスカー。彼は毎日のように学校で同級生の3人組からいじめを受けながら、抵抗することもできずにただ我慢強く耐えるしか術を持たなかった。そんなある日、オスカーの家の隣の部屋にひとりの少女が引っ越してくる。そして、凍てつくような寒さの夜に、「悪いけど君の友達にはなれないわ」とオスカーに対して唐突に話しかけた、それが彼女エリとオスカーとの出会いだった。
 次にオスカーがエリと会ったのは、前回と同じ夜のジャングルジムの上でルービック・キューブをいじっていた時だった。オスカーの持つルービック・キューブに興味を示したエリからは得体の知れない異臭が漂っていた。そして、3度目にオスカーがエリと会った時、彼女がエリという名前で年齢は「だいたい12歳」であること、そして彼女には親もなく自分の誕生日すら知らないと教えてくれた。そして、その時のエリからは前回会った時の異臭が感じられなかった。その日以来、毎晩のようにエリと会うようになったオスカーは、確実にエリに惹かれていった。そして、思い切って自分と付き合って欲しいと切り出したところ、エリは「無理だわ。私は女の子じゃないから」と答えたが、その意味がオスカーにはわからなかった。
 しかしある日オスカーは、エリの言った「自分が女の子じゃない」という言葉の意味を知らされることになる。エリに血の契りを結ぼうと自分の指をナイフで切ったところ、滴り落ちるオスカーの血にエリは飛びついた。そして、彼女が人間の血を吸い生きながらえているヴァンパイアであることを知ったのだった。オスカーはヴァンパイアであるエリを受け入れることができなかった。そしてエリは、そんなオスカーの前から別れも告げずに姿を消してしまうのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    観る前からヴァンパイアと人間の恋物語・・・・・というと、『トワイライト』シリーズが思い浮かぶ。あれはあれで良かったのだが、この作品を観てしまうと『トワイライト』も一気に色褪せてしまいそうな気がする。先日、『ブライト・スター』のコメントで、「銀座テアトルシネマで上映される恋愛映画とは相性が悪い」と書いたばかりなのだが、早くも前言撤回しなければならなくなって、これは嬉しい誤算だと言える。
 スウェーデンという北極圏に近い国の風土がこの作品にピッタリで、しかも季節は冬だからヴァンパイアにはうってつけのシチュエーションだ。そして、ヴァンパイアのエリを演じたリーナ・レアンデションのエキゾチックな雰囲気がまた素晴らしい。一見すると美少女なのかそうじゃないのかよくわからないルックスをしているが、見慣れてくるとその透き通るような白い肌とどこか大人びた表情が、200年を生きてきたヴァンパイヤにふさわしいのがわかる。
 ヴァンパイアの生態については作品によって設定がまちまちで、この作品のヴァンパイアは『バッフィ ザ・バンパイア・キラー』のヴァンパイアと同じで、招かれないと家には入れないらしい。そして、オスカーが意地悪をしてエリに「入っていいい」と言わないシーンでは、無理にオスカーの家に入ったために全身から血を流すエリが観ていて痛々しい。そして、エリがヴァンパイアだと知りながらも惹かれていくオスカーの気持ちも不自然さがなく、ラストではおそらく束の間ではあるのだろうが、エリと一緒に電車でどこかへ向かう、そんなシーンが心地良い余韻を残してくれる。
 基本的にはホラー色の濃い作品だから、エリが人間を襲い血を吸うシーンも当然に何度かあるわけで、あの白い顔に口の周りを真っ赤に染めたエリを観るのはちょっとツライ気もする。万人にお勧めできないのが残念だ。