評     価  

 
       
File No. 1253  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年07月24日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   トム・ヴォーン  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー  
君を失うには、早すぎる
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ブレンダン・フレイザー [as ジョン・クラウリー]
ハリソン・フォード [as ロバート・ストーンヒル博士]
ケリー・ラッセル [as アイリーン・クラウリー]
メレディス・ドローガー [as メーガン・クラウリー]
ディエゴ・ベラスケス [as パトリック・クラウリー]
サム・H・ホール [as ジョン・クラウリー・Jr.]
ジャレッド・ハリス [as ケント・ウェッバー]
パトリック・ボーショー [as エリック・ローリング]
アラン・ラック [as ピート・サットフェン]
デヴィッド・クレノン [as レンズラー]
ディー・ウォーレス [as ソル]
コートニー・B・ヴァンス [as マーカス・テンプル]
 
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あ ら す じ    オレゴン州ポートランド。エリートビジネスマンのジョン・クラウリーとその妻アイリーン・クラウリーは3人の子供に恵まれたものの、8歳の娘メーガンと6歳の息子パトリックの2人は治療法が存在しない難病“ポンペ病”に冒されてしまっていた。ポンペ病患者の平均寿命は9年と言われ、このところ調子が思わしくないメーガンがついに医師からあと1年の命と宣告され、ジョンはなんとか子供を救う方法はないかと死に物狂いで模索していた。
 ジョンは、ポンペ病の権威であるロバート・ストーンヒル博士の研究に唯一の希望を見出す。ところが、直接博士に会って話してみると、大学からの資金提供もなく研究もままならない状況とのことだった。そこでジョンは、博士へ50万ドルの死因援助を約束し、ポンペ病財団のための募金活動を開始した。そして、集められた当座の資金9万ドルを博士に渡し、一刻も早いポンペ病の治療薬開発を依頼した。すると、博士はジョンに対して自分との共同経営者として製薬会社を興さないかという、思いがけない提案を持ちかけてくるのだった。ジョンはこの提案に対して、ビジネスマンのキャリアを捨てる決心をするのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ポンペ病という難病の子供を抱えた父親が、我が子を救いたい一心で製薬会社までを興したという実話に基づいた作品。ポンペ病とは、この病気を発表したオランダのポンペ博士の名から命名された病気で、筋肉中のグリコーゲンを分解する酵素が生まれつき出ないかあるいは少ないために、筋肉中にグリコーゲンが蓄積された結果筋力低下などの症状を発症するものとのこと。
 主演は『ハムナプトラ』シリーズで主役のリックを演じたブレンダン・フレイザーだが、今までの彼の出演作はいずれもコミカルなキャラクターだったのに対して、この作品では私が知る中では初めてのシリアスな役柄だ。そして、彼と組んでポンペ病の治療薬開発のために製薬会社を立ち上げるストーンヒル博士を演じるのがハリソン・フォードで、『ハムナプトラ』と『インディ・ジョーンズ』の主役が競演することとなったわけだ。
 B・フレイザーの父親ぶりからは子供を愛する気持ちが充分に伝わってきて悪くない。対するケリー・ラッセル扮する妻・アイリーンが、ストーリーの根幹に絡んでこなくて、今ひとつ存在感に疑問を感じた。現実の主人公にも妻がいたからという理由だけでこの作品のジョンにも妻役として彼女をキャスティングしたような、まるで添え物みたいな印象を受けるキャラクターだった。そのためか、「家族」ではなく父親と子供のストーリーのように感じてしまったのはマイナス要因だろう。どうもK・ラッセルの役柄って、いつもなんだか中途半端な役が多いような気がして仕方ないんだけど・・・・・。
 自分が主役でなくともやたらと前面に出たがって、そのことで共演の俳優と摩擦を起こしがちなハリソン・フォードが、この作品では主演のB・フレイザーの引き立て役に徹しているのはちょっと意外だった。あくまで実話に基づいた話のため、製作総指揮という立場からも事実をねじ曲げてまで自分が目立つわけにはいかなかったのだろう、などというちょっと意地の悪い見方もできる。映画は彼ひとりで成り立っているわけではなく、周囲の俳優たちといかに調和を保ってひとつの作品を仕上げるかが重要なわけで、そんなリクツなど私よりも彼の方が遙かによく身にしみてわかっているはずだけどね。