評     価  

 
       
File No. 1263  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年08月21日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   土井 裕泰  
       
上 映 時 間   128分  
       
公開時コピー   君と好きな人が、百年続きますように  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   新垣 結衣 [as 平沢紗枝]
生田 斗真 [as 木内康平]
蓮佛 美沙子 [as 渡辺リツ子]
ARATA [as 平沢圭一]
木村 祐一 [as 遠藤真人]
松重 豊 [as 木内健二郎]
向井 理 [as 北見純一]
薬師丸 ひろ子 [as 平沢良子]
徳永 えり
金井 勇太
小柳 友
高橋 努
林 愛夏
水島 かおり
 
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あ ら す じ    幼い頃に父を亡くし、母・良子と2人で北海道で暮らす、進学校に通う3年生の平沢紗枝。将来は父の後を継いで漁師になることを決めていた、水産高校3年生の木内康平。2人はある朝偶然電車の同じ車両に乗り合わせた。ところが、その車両が鹿に接触し立ち往生してしまい、その日が推薦入学の試験日だった紗英は、康平に無理に頼み込んで車を運転させたところ、仮免の康平は追い越しに失敗して車を横転させてしまった。
 推薦入学の道が閉ざされてしまった紗英は落ち込むが、そんな紗英に康平は紗英が目指す早稲田大学の赤本を渡して励ました。やがて2人は恋に落ち、康平は紗英の通う進学塾の近くにバイトを見つけ、2人は帰りの電車で一緒の時間を過ごすようになった。そして春になり、紗英の合格通知が届く。康平は紗英を引き留めたい気持ちを押し殺して、東京へと旅立つ紗英を笑顔で見送るのだった。こうして、紗英と康平の遠距離恋愛は始まった。
 紗英は大学で、駆け出しの戦場カメラマンをしている先輩・北見純一と知り合う。紗英は純一から塾講師のバイトを紹介してもらい、康平はそんな紗英の部屋に電話をしてみるが、留守をしていることが多かった。夏休みは北海道に帰るはずの紗英だったが、バイトが忙しくてそれすら反古にしてしまう。やがて康平は次第に遠距離恋愛に苛立ちを感じるようになり、そんな康平の心を見透かしたようにある出来事が起きた。康平の父・健二郎が船の上で倒れ、そのまま亡くなってしまったのだ。
 失意の康平は紗英に電話をかけ、東京で紗英と一緒に暮らしたいと申し出る。自分の就職活動も一向に成果が出ないままだった紗英は、突然の康平の申し出に戸惑うばかりで、その場で答えを出すことはできなかった。しかし、後日康平からかかってきた電話で、紗英は思いもしない言葉を聞かされた。「母親や妹を置いて東京へは行けない。紗英は紗英の道を進んでくれ。さよなら」と、一方的に別れを告げられてしまったのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ご存じ一青窈の同名の楽曲“ハナミズキ”をモチーフに描かれたオリジナルストーリー。期待通りガッキーがとにかく可愛い。そして、ここまでくると生田斗真の演技力もどうやら本物らしい、と遅まきながら認めないわけにはいかなくなった。それはいいのだが、作品全体も2人のイメージ通りあまりにキレイ過ぎて、夢の中でのストーリーのように妙に現実感が欠如して感じられた。人が人を好きになるのは綺麗事じゃなく、そこには美しさだけではなく妬み、嫉み、嫉妬などといった醜い側面が必ず存在する。それらが一切排除されているがために、非常に現実感が希薄に感じられるのだ。それに、いくら純愛といっても紗英・康平の両者が互いに10年前に好きだった相手のことをずっと思い続けていられるものだろうか?そこまで人の心が強いとは、現実の世界では考えられない。苦しい想いを抱き続けるよりも、得てして楽な方へと流れてしまうのが人の気持ちだから。
 そして、個人的にはどうしても向井理が好きになれないのがツラい。人が人を好きになるのが理屈じゃないのと同じで、嫌いになるのもまた理屈じゃない。爽やかさが全く感じられないし、紗英に対する優しい態度の裏側に、どうしても悪意を持っているように思えてしまうのだ。そして、向井理扮する北見と紗英の関係に訪れる破局も、簡単に予想がついてしまう。この作品のコピーから考えれば、ああいう展開以外にはあり得ないだろう。
 紗英の母親を演じたのは薬師丸ひろ子だが、どうこからどう見ても立派なオバサンになってしまっていたのは、さすがにちょっとショックだった。私と同世代のアイドルとして一世を風靡した彼女も今では・・・・・ということは、自分も同様に歳をとってしまったということで・・・・・絶句(笑)。
 ラストシーンは余韻を狙って、敢えてああいう形で終わったのだろうとは思うが、私にとってはあれでは物足りなく思えて、欲求不満に陥りそうだ。あの後2人がどうなったか、その結果如何によっては、作品の印象は全く違ってしまうはず。この作品の場合には、2人がどうなったかをしっかり描いた方がいいと思うのだが・・・・・。