評     価  

 
       
File No. 1266  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年08月28日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   篠崎 誠  
       
上 映 時 間   129分  
       
公開時コピー   あなたなら、
どうする?
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   木村 多江 [as 清子]
窪塚 洋介 [as ワタナベ]
福士 誠治 [as GM・森軍司・ユタカ]
柄本 佑 [as オラガ]
木村 了 [as 犬吉]
染谷 将太 [as マンタ]
山口 龍人 [as カスカベ]
南 好洋 [as シンちゃん]
結城 貴史 [as ダクタリ]
清水 優 [as アタマ]
阿部 亮平 [as ジェイソン]
テイ龍進 [as ヤン]
趙 民和 [as ムン]
石田 佳央 [as チェン]
吉田 友一 [as ミユキ]
塩見 大貴 [as フレディ]
中村 無何有 [as ウッス]
松川 貴弘 [as サカイ]
保科 光志 [as シマダ]
藤川 俊生 [as ヒキメ]
サヘル・ローズ [as キム]
古藤 ロレナ [as パム]
鶴見 辰吾 [as 隆]
 
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あ ら す じ    夫・との結婚20周年記念旅行の途中で嵐に遭い、無人島に漂着した清子。何とか生き延びなければと努力する清子に対し、隆は生きる気力も失ったかのように小屋に閉じこもったまま。清子にはそんな隆が次第に重荷に感じられてきた。そんなある日、島に与那国島でのバイトから逃げてきた16人の若い男たちが流れ着いた。そして、事故か他殺か、隆が崖の上から転落死してしまった。
 16人の若者たちは島に“シブヤ”“ブクロ”“ジュク”などの集落を作り、リーダー格のカスカベの元統率のとられた集団生活を営み始める。ただひとり、集団に決して溶け込もうとしないワタナベを除いて。島でたったひとりの女性である清子は、男たちから女王のように崇められ、カスカベと夫婦同然の暮らしを始めることとなった。
 そんな折、島にさらに6名の漂着者がたどり着く。密航に失敗した中国人たちだった。リーダーのヤンに気に入られた清子は、彼らが仕留めた豚肉を分けてもらい喜んで帰ると、嫉妬深いカスカベは彼女が身体と交換に肉を手に入れたと疑う。しかし、そのカスカベは翌朝死体となって発見された。誰がカスカベを殺したのか、中国人なのかそれとも彼らの中の誰かなのか?若者たちは疑心暗鬼に陥る中、オラガが争いを避けるために清子の新しい夫をくじ引きで決めようと持ちかけてきた。
 彼女の夫に立候補したのはたった6名で、その中から夫に決まったのは漂流時に記憶を失ったGMだった。記憶が無いことに苦しむGMに次第に惹かれていく清子だったが、そんな穏やかな時間も長くは続かなかった。中国人たちが手作りのイカダを完成させ、ヤンは清子に自分の女になるなら連れて行くと持ちかけくる。この申し出を受けて、中国人たちと共にイカダで島を脱出した清子だったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    最も薄倖が似合う女優・木村多江の主演作だが、残念ながら彼女の持ち味が生かされていない。サバイバル・アクション作かと思って劇場に臨んだら、確かに冒頭はそんな雰囲気で始まったものの、16人の男たちが東京島に漂着してからは色合いが変わり、さらに中国人たちが登場するとさらにおかしな方向へと進んでしまい、あまりにもめまぐるしくシチュエーションが展開するために、最後は何が何だかよくわからなくなってしまう(笑)。
 そもそもこういった現実離れしたシチュエーションの作品で、木村多江を主演に持ってきたのが間違いだろう。それは決して彼女の演技力が足りないからではなく、むしろその逆で、彼女の細やかな演技を生かす余地がこの作品にはないのだ。窪塚洋介扮するワタナベもいい演技で清子に絡んでくるのだが、途中で船に乗ったのかどうなのかハッキリしないままにお役ご免になってしまうのも気に入らない。あれじゃ、何のためにワタナベというキャラが存在したのか、その意味が全くなくなってしまうのに・・・・・。
 私はこの作品の原作である桐野夏生の小説はもちろん読んだことはないが、この作品を観る限り桐野の小説は読むに値しないものだと思えてしまう。脚本と監督次第では、もっと違った印象の作品になったのではないかという気はするのだが。