s 『パラレルライフ』 in たぴおかの雑の鉄人

 
       
       
評     価  

 
       
File No. 1269  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年07月24日  
       
製  作  国   韓  国  
       
監      督   クォン・ホヨン  
       
上 映 時 間   110分  
       
公開時コピー   彼らは同じ運命をたどる
リンカーンとケネディのように・・・・・・・・・・
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   チ・ジニ [as キム・ソクヒョン]
イ・ジョンヒョク [as イ・ガンソン]
ハ・ジョンウ [as チャン・スヨン]
ユン・セア [as ペ・ユンギョン]
パク・ビョンウン [as ソ・ビョンウン]
 
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あ ら す じ    若いながらもその優秀さを認められ、出世街道をひた走る敏腕判事キム・ソクヒョンは、ついに史上最年少の部長判事に任命されることとなった。すべてが順風満帆にだと思われたソクヒョンの人生だったが、ある日そんな平穏を打ち砕くような事件が発生する。妻ユンギョンが何者かによって惨殺され、遺体となって発見されたのだ。
 失意にくれるソクヒョンの元へ、違う時代に生きる2人の人間が同じ運命を辿るという「平行理論」を主張するソン・ギチョル教授の話を持ってきた。そしてナム記者は、ソクヒョンの人生も30年前に最年少で判事部長となったハン・サンジュン判事と同じ運命を歩んでおり、ハン判事の妻も30年前のユンギョンが殺されたのと同じ日に殺されているという。しかも、ハン判事自身もひとり息子と事務官と共に死に至っているというのだ。
 イ・ガンソン検事の指揮の下、ユンギョン殺害犯の捜査が行われ、ソクヒョンの判決に不満を持っていた男チャン・スヨンが逮捕される。そして、ナム記者から今度はハン判事の妻の殺害犯が逮捕された日もまたチャン・スヨンが逮捕された日と同じだと知らされたソクヒョンは、服役中のソン教授に面会して、「平行理論」について問い糾すが、そのソン教授もまた自らがパラレルライフを生きていると主張する過去の学者と同じ日に心臓麻痺で息を引き取ってしまう。
 ここまで偶然が重なると、もはやそれらは偶然ではなく必然で、ソクヒョンはソン教授の「平行理論」を信じないわけにはいかなくなった。そして、もう一度ナム記者から話を聞こうと彼女の自宅を訪れると、彼女はすでに何者かに殺害されてしまっていた。ひとりで真相を突き止めようと決意したソクヒョンだったが、この先彼を悲惨な事件が待ち受けており、その裏に驚くべき秘密が隠されていたことを、まだ知る由もなかった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    過去の特定の人物と同じ運命をたどるという「平行理論」、その例としてあげられているのがリンカーンとケネディで、本当かどうかWebで調べてみた結果、リンカーンがフォード劇場で観劇中に暗殺され、ケネディがフォードのオープンカーでパレード中に暗殺されたのは事実のようだが、暗殺された日付はリンカーンの1865年4月14日に対してケネディは1963年11月22日、ちょうど100年後でもなければ日付も全然違った。なぁんだ、平行理論なんてハナから嘘じゃん!なんて観る者が思わないように、そのあたりの詳細なデータは作品中では明かされていなかったのだろう。
 主人公の判事キム・ソクヒョンを演じたチ・ジニがイケメンで、彼の妻役のユン・セアや彼にまとわりつく記者ナム・ガヒを演じた女優(名前は不明)がご多分に漏れず美人なのはさすが韓流作品だ。出世街道まっしぐらの判事ソクヒョンが、過去に過去に不慮の死を遂げた判事と同じ運命を辿っているという「平行理論」を知らされるというストーリーの最大の関心事は、言うまでもなく彼が定められた運命を変えることができるのか、それとも平行理論の呪縛から逃れることができずに30年前の判事と同じ末路を迎えるのか、という点に尽きる。最初はそう思って作品の行方を見守っていたのだが、実はこの作品の面白さはそれだけではなく、結末に至るまでにこれでもかと言わんばかりの仕掛けが用意されていた。
 これだけ展開を複雑にしておきながら、最後には一応筋の通った結末にたどり着いている点には感心する。ただ、あまりに詰め込みすぎたためか、ラストの展開が目まぐるしくて描写も雑になっているように感じるのもまた事実だ。果たして、ソクヒョンの娘と事務官のビョンウンは「平行理論」通りに死んだのか、その点次第では作品がそこまで積み重ねてきたすべてが損なわれる可能性もあるだけに、キチンと描いて欲しかったものだ。