評 価
File No.
1271
製作年 / 公開日
2010年 / 2010年09月18日
製 作 国
日 本
監 督
小沼 雄一
上 映 時 間
106分
公開時コピー
わたしは今日、セックスに嘘をついた
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
渡辺 奈緒子
[as 山瀬ひろみ(みひろ)]
佐津川 愛美
[as 川井さやか]
永山 たかし
[as 広田英介]
山本 浩司
[as 佐藤]
光石 研
[as 榎本]
みひろ
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あ ら す じ
高校を卒業した
山瀬ひろみ
は、恋人の
広田英介
が東京の大学に通うこともあって、親友である
川井さやか
と別れて上京し空港の警備員として働くことを決意した。キャビン・アテンダントへの憧れから選んだ仕事だったが、心の奥では芸能人になりたいという夢を抱きながら。
ある日ひろみが英介と待ち合わせをしている時、スカウトマンらしき中年男が若い女性に声をかけているのを見かけると、自ら男のそばを通りかかって男が声をかけてくるように仕向けた。案の定その男
榎本
はひろみにスカウト話をもちかけ、その日は名刺を渡すだけで去っていった。英介からはたしなめられたものの、舞い上がってしまったひろみの耳には入らず、後日榎本と会って話を聞いてみることにしたのだった。
榎本がスカウトしていた女性は、実はヌードのモデルだった。落胆を隠せないひろみだったが、女優になるには裸の仕事で有名になることが近道だという榎本の言葉に、AV出演はしないことを条件にヌードモデルになることを承諾した。戸惑いながら始めたヌードモデルだったが、撮影されるという仕事に自分が向いていると気がつき、やがて仕事に誇りを感じ始める。けれども、彼女が載ったグラビアが地元にいる親友のさやかや、同棲をしていた英介に見つかってしまい、さやかからは「最低だ」と軽蔑され、英介からは仕事を辞めるよう強要されてしまい、ひろみは次第に自分を支えてくれた近しい人たちから孤立していってしまう・・・・・。
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たぴおか的コメント
国民的AV女優らしい・・・・・みひろの、自伝的小説を映画化した作品。「らしい」というのは、私は“みひろ”という名前のAV女優が存在することはかろうじて知っていたけれども、彼女がAV女優女優としてどれほどの人気を誇っていたかも知らなければ、彼女の出演するAVも観たことがないためだ。だから、作品中に彼女が登場していたことにも気がつかず、上映終了後の舞台挨拶でやっと彼女がどんな役柄で出演していたかを知った有様だった。
みひろ本人は小柄で可愛らしいタイプだったのだが、主演の渡辺奈緒子は背が高く、ちょっと佐田真由美を思わせるキツめの美人といったタイプ。彼女の出演作を観るのはこれが初めてと思ったら、『シルク』や『リアル鬼ごっこ2』に出演していたとのことで、『リアル鬼ごっこ2』ではどの役を演じていたかを思い出せたが、残念ながら『シルク』での出演には全く記憶がない。そんな印象の薄かった彼女に対し、『腑抜けども』や『悪夢のエレベーター』で強烈な印象が残っていたのが佐津川愛美。この作品で初めて普通の女性を演じているのを観たが、親友のひろみのことを思いながらも、その中にちょっとだけひろみに対する嫉妬や羨望の混じった複雑な感情を上手く演じていたのはさすがだ。
自伝的「小説」であるからには、基本的には事実に則しているだろうが、フィクションの部分も混じっていると思われる。そして、彼女が拒み続けてきたAVに出演するきっかけとなったシーンが作品中に描かれているが、大物プロデューサーから「中途半端だ」と言われたことが少なからずその理由になっているとのこと。けれども、個人的にはそのプロデューサーの言葉に疑問を感じずにいられなかった。Vシネマで濡れ場を演じるのにAVに出ないことが、果たして本当に中途半端なのだろうか。それは「中途半端」などという言葉で片付けることのできない、本人のプライドの問題ではないだろうか。
彼女は女優を目指していたのであり、女優とは演技することにその真価が発揮される。だったら、本当にSEXをするAVではなく、演技でしている振りをするVシネマに留まる、それは女優として越えてはならない最後の一線ではないのだろうか。業界の仕組みはよくわからないが、そんな彼女を「中途半端だ」と簡単に切り捨てるような人物が、果たして大物プロデューサーになれるのだろうか?別にみひろの肩を持つわけではないが、唯一作品中で不快に感じたシーンだったもので、ついついクドクドと書いてしまった。反省。