評     価  

 
       
File No. 1281  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年09月25日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   熊澤 尚人  
       
上 映 時 間   128分  
       
公開時コピー   本当に大切な想いは、ゆっくりと伝えればいい。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   多部 未華子 [as 黒沼爽子]
三浦 春馬 [as 風早翔太]
蓮佛 美沙子 [as 吉田千鶴]
桐谷 美玲 [as 胡桃沢梅]
夏菜 [as 矢野あかね]
青山 ハル [as 真田龍]
金井 勇太 [as 城ノ内宗一]
富田 靖子 [as 黒沼陽子]
ARATA [as 新井一市]
勝村 政信 [as 黒沼喜多夫]
 
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あ ら す じ    真面目だが引っ込み思案で自分のことを相手に上手く伝えられず、見た目が暗いせいで「貞子」などというあだ名を付けられてしまった黒沼爽子。彼女は高校入学の日、登校途中で道を教えてあげた男子生徒・風早翔太と偶然同じクラスになった。翔太は誰とも分け隔てなく親しく接する性格から男女を問わず誰からも好かれる人気者で、そんな彼は他の皆が敬遠する爽子にも全く同じように話しかけてくれる。爽子はそんな翔太に憧れと同時に尊敬の気持ちを抱くようになり、また翔太も陰ながらクラスや学校を気遣って行動する爽子興味を持ち始めるのだった。
 夏休み前。翔太が企画したクラス全員参加の肝試しを前にして、クラスメイトの吉田千鶴矢野あかねが冗談半分で「貞子、お化け役やんねーかな」と話していたのを聞いた爽子は、皆の役に立てるならと進んでお化け役を引き受けた。そして、肝試しでの爽子のお化け役は大成功で、これをきっかけに爽子には、千鶴とあかねという初めて友達と呼べる存在ができた。そして、2学期の席替えの時にも、誰もが避ける爽子の隣に率先して翔太が座り、千鶴とあかねも爽子の周りの席に着いてくれた。そして、爽子と一緒にいることが多くなったことで千鶴たちを中傷する噂が流れた時、最初は2人を避けた爽子だったが、翔太の後押しもあって噂を流した生徒たちにやめるよう食い下がったことで、爽子は2人と本当の親友になれたのだった。
 ある時、爽子は翔太と中学から同級生だという美少女くるみこと胡桃沢梅が爽子を呼び出す。そしてくるみは、自分は翔太を好きだから爽子に協力して欲しいと告げた。その言葉に爽子は、初めて自分の翔太に対する気持ちが何だったのかを知らされるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ちょっとクセのあるルックスの多部未華子と三浦春馬という、私にとってはちょっと異色とも思える組み合わせの2人が主人公の、純愛ラブストーリー。あの小栗旬さえもそのイケメンぶりを羨ましがったという三浦春馬が演じる風早翔太が、「現実にはこんな奴いないだろう?」と言いたくなるほどの爽やかさの塊みたいなキャラクターで、それに対して多部未華子扮する貞子・・・・・じゃなくて、爽子が、引っ込み思案で自分を表に出せず、ストレートのロングヘアでいつもうつむき加減という、「貞子」のあだ名がぴったりの女の子で、その両極端な人物設定はいくらなんでもやり過ぎじゃないかと思った。けれども、原作が少女コミックと知って、だったらこんな陳腐な設定もアリなのかもしれないと変に納得してしまった。
 そんな2人の恋愛などどうでもよく思えてしまったのは、爽子と蓮佛美沙子演じる千鶴、夏菜演じるあかねの3人のいわゆる“女の友情”のためだ。最初は肝試しで面白半分に爽子にお化けの役を頼んだ千鶴とあかねが、次第に爽子を大切な友達だと思う心情の描写は秀逸だ。そして、それ以上に2人を大切に想う爽子の気持ちもまた健気で心を動かされる。観る前は完全に上から目線でバカにしていたところがあったこの作品なのだが、観ているうちに不覚にも完全に引き込まれてしまい、校舎の屋上での3人のやりとりには、危うく涙腺が崩壊してしまうところだった。自分は足手まといになるかもしれない、それでも2人と友達になりたいという爽子の願い、そして、そんなことを言われるまでもなく爽子を対等の友達だと思っていた千鶴とあかね。例えて言うなら、全く無防備だった予想外の方向からの攻撃を受けて、為す術もなく・・・・・とでも言うべきだろうか。
 おかげで、肝心の爽子と翔太の恋愛があまりに物足りなく思えてしまう始末だが、こちらは最初から期待していなかったから、まぁこんなもんでしょう。桐谷美玲がイヤ〜な役柄を演じているが、あれは彼女ほどのルックスでなければ単なる自分を過大評価した根拠のない自信にあふれる最低女で終わってしまうだろうけど、彼女が演じると様になっている。