評     価  

 
       
File No. 1287  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年10月02日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   小中 和哉  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー   彼女はテレパス
人の心の中を読む
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   芦名 星 [as 火田七瀬]
佐藤 江梨子 [as 漁藤子]
田中 圭 [as 岩淵了]
前田 愛 [as 真弓瑠璃]
ダンテ・カーヴァー [as ヘンリー・フリーマン]
今井 悠貴 [as 山沢ノリオ]
河原 雅彦 [as 景浦]
大杉 漣
平泉 成 [as 山木義男]
吉田 栄作 [as 狩谷]
 
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あ ら す じ    他人の心を読むことができるテレパスの能力を持つ火田七瀬。彼女はマカオのカジノで生活費を稼ぎ、現地で知り合った女性真弓瑠璃と共に日本へと戻ってきた。ところが、空港で何者かの強い殺意を感じ取った七瀬は、危うく何を逃れてホテルへとチェックインした。そんな七瀬の携帯に危険を告げる連絡を入れてきたのは、予知能力者の岩淵了だった。
 かつて七瀬は了と事故に遭遇する列車に乗り合わせ、了の心を読んだ七瀬は偶然列車に乗っていたテレパスの少年山沢ノリオを連れて難を逃れたことがあった。人にはない特殊な能力を持つ七瀬と了は互いに惹かれ合ったが、七瀬が予知能力者ではなくテレパスだと知った了は、自分の心が読まれる恥ずかしさに耐えきれず、以来七瀬と直接会うことを拒み続けていたのだった。
 しかし、了の警告にも関わらず、翌日の夜に敵が現れ、瑠璃が七瀬の身代わりになって射殺されてしまう。敵は意識の流れが過剰な瑠璃のオーラを、能力者のオーラと誤認してしまったのだ。そして七瀬は、敵の首魁・狩谷の存在を察知し、彼の目的がすべての能力者の抹殺であることを知った。瑠璃を自分の争いに巻き込んで死なせてしまった七瀬は、親友のタイムトラベラー・漁藤子に頼み、瑠璃が射殺される前の時間へと遡った。
 瑠璃と別れた七瀬は、ノリオとテレキネシスの能力の持ち主である黒人青年ヘンリー・フリーマンとの3人で暮らす北海道のとある湖畔の家へと戻った。しかし、そこへも狩谷の魔手は迫り、ついにノリオが誘拐されてしまう。七瀬はノリオを救い出すため、北海道を訪れた藤子とヘンリーと共に、敵の本拠地へと乗り込む決意をするのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    マカオのカジノのシーンから始まったこの作品、七瀬が相手の心をテレパスの能力を使って読み取って勝ちを収めるのだが、ここで一旦エンド・クレジットとなるのには意表を突かれた。なんせ、監督の名前が中川翔子になっていたから。確か監督は男性だったはずなのに、これから2時間近くド素人とも言える中川翔子初監督作を見せられることになるのか?と先行きに不安を感じてしまった。どうやらこの冒頭の部分だけはショコタンが監督を務めるミニ作品になっていたようで、そう言えば確かに彼女自身もスクリーンに映っていた。そして、その後いよいよ本編のスタートとなって一安心。こういう構成になっていたとは、予期しない不意打ちも悪くないね。
 原作者である筒井康隆氏曰く、「芦名星はもっとも七瀬らしい七瀬である」と折り紙付きの芦名星主演作品。テレパスという特殊な能力を持った七瀬と、これまた様々な特殊能力を持つ仲間tたちと、彼らを抹殺しようとする吉田栄作扮する狩谷との闘いが描かれているのだが、肝心の特殊能力を使った戦闘シーンが今ひとつ迫力不足だし、そもそも戦闘シーンが少ないように思う。そして、CGがあまりにお粗末で、七瀬がヘンリーのテレキネシスで湖を渡るシーンなど、目を覆いたくなってしまう。たぶん、七瀬たちと狩谷一派との闘いはあくまで「従」で、登場人物の内面の描写を「主」にしているのだろうとは思うけど・・・・・それにしても、もちょっと何とかならないのかな、あのCGは(しつこい?)。
 実はこの作品を劇場で観ようかどうしようか迷っていたのだが、劇場へ出向くことに決めた要因は、キャストの中に前田愛の名があったためだった。けれども実際に観てみると、前田愛は特殊能力を持たない単なる七瀬の友人に過ぎなくて、後半は登場しなくなったのが寂しかった。そしてそれに輪をかけて寂しいのは、田中圭扮する岩淵了やダンテ・カーヴァー扮するヘンリーが次々と命を落としていくこと。結局孤立無援となった七瀬が単身ノリオを助けに狩谷の陣営に乗り込んでいくのだが、敵が銃を持っていることは明らかで、なんて無謀な真似をするんだと呆れてしまった。けれども、それでこそ七瀬が言っていた切り札・サトエリ扮する藤子の存在が生きてくるのだと、最後で納得できた。とは言うものの、藤子本人が疑問を感じていた通り、タイムトラベルは根本的な解決にはならないし、一種の麻薬のようなもの。使い過ぎには注意しましょう(笑)。