評     価  

 
       
File No. 1290  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年10月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジェームズ・マンゴールド  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   ワイルドな誘惑。スイートな衝撃。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   トム・クルーズ [as ロイ・ミラー]
キャメロン・ディアス [as ジューン・ヘイヴンス]
ピーター・サースガード [as ジョン・フィッツジェラルド]
ジョルディ・モーラ [as アントニオ・キンターナ]
ヴィオラ・デイヴィス [as イザベル・ジョージCIA長官]
ポール・ダノ [as サイモン・フェック]
フォーク・ヘンチェル [as ベルンハード]
マーク・ブルーカス [as ロドニー・バリス]
レニー・ロフティン [as ブレイセス]
マギー・グレイス [as エイプリル・ヘイヴンス]
リッチ・マンレー [as ダニー]
デール・ダイ [as フランク・ナイト]
セリア・ウェストン [as モリー・ナイト]
ガル・ガドット [as ナオミ]
 
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あ ら す じ    カンザス州のウィチタ空港。妹の結婚式のためにボストンへ向かう便に搭乗しようとしていたジューン・ヘイヴンスは、一度ならず二度も同じ男性とぶつかった。その男ロイ・ミラーの行く先も偶然ジューンと同じボストンで、2人は同じ便に乗り込んだ。乗客もまばらな機内で、ジューンはロイと会話を交わし、胸をときめかせる。ところが、彼女が化粧室に入っている間に、乗客たちは一斉に銃やナイフでロイに襲いかかってくる。そんなことも知らずに化粧室からジューンが出てくると、機内のロイ以外の人間は全員が殺されていた。パイロットも死んでしまった中、ロイは辛うじて機を不時着させる。自分を狙う“悪い奴ら”にジューンも狙われると警告するロイは、ジューンに落ち着くようにと薬を渡した。それを飲んだジューンの意識は次第に遠のいていき、目が覚めると自分の部屋のベッドの上だった。
 妹エイプリルの結婚式に着るドレスをジューンが試着していた時、ロイの言う“悪い奴ら”らしき男たちが現れる。その中のひとり、CIAのエージェント、フィッツジェラルドと名乗る男は、ロイは正気を失ってCIAを裏切り、カンザスの研究所から最新技術を駆使した革新的な小型電池の試作品を盗んだ男だとジューンに話す。そして、ジューンの身に危害が及ばないようロイが逮捕されるまで安全な場所にかくまうと言う。フィッツジェラルドのことも今ひとつ信じられずに戸惑うジューンを救いに現れたのは、またもやロイだった。壮絶なカーチェイスの末に繰り広げられる銃撃戦、ジューンはそんな中隙を見て逃げ出し、以前彼女にプロポーズした消防士のロドニーの元へと走った。
 ジューンはレストランでロドニーに、昨夜からついさっきまでに起きた出来事を話すが、ロドニーはジューンが動転していると思い込んで信じてくれない。そこへ、またもやロイが現れた。強引に2人の会話に割って入ったロイは、いきなりジューンに手錠をかけた上に銃を突きつけてレストランから連れ出し、追ってきたロドニーの脚を撃ってジューンを車で連れ去ってしまう。そしてロイはジューンに、裏切りを働いたフィッツジェラルドが電池を武器商人に売ろうとするのを阻止するため、その開発者サイモン・フェックの身柄を保護していると打ち明けた。それは、先ほどフィッツジェラルドから聞かされた話と正反対の内容だった。
 どこかロイに危険な臭いを感じながらも、彼に惹かれていくジューン。果たして、本当のことを言っているのはロイなのか、それともフィッツジェラルドなのか。何の確信も持てないままにロイと行動を共にするジューンの身に、次々と危険が襲いかかってくる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    10月6日が「10(ト)6(ム)の日」という語呂合わせで先行上映が行われるからには是が非でも行かなければと、仕事を終えて帰宅してから21:30分の回に望んだ。まず勘違いしてはいけないのは、この作品は決してスパイアクション作品ではないということ。劇場の予告編で観てわかるとおり、トム扮するロイとキャメロン・ディアス扮するジューンのロマコメで、そう思って観れば期待に充分応えてくれる内容であることは保証する。TOHOシネマズの秋の新作紹介で、クリス・ペプラーが「最高のデートムービー」と断言しているのもその辺りに理由がある。
 このところ米メジャーの制作会社と契約を打ち切られたりと、ハリウッドではあまり評判が芳しくないトム・クルーズだが、彼の凄いところはファンを楽しませるという点においては一切の妥協がないということだと思う。来日してあれほどファンに対するサービス精神が旺盛なハリウッド・スターは他にいないだろう。そのトムが演じるロイが、善人なのか悪人なのか、正気なのかそれともどこか壊れちゃってるのか、どっちとも判別がつかない謎めいたキャラクターに仕上げているのはさすが。ジューンが恋人(?)のロドニーに、突然現れたロイが誰かを尋ねて、ジューンが“This is the guy(さっき離していた男よ)”と答えたのを受けて、ロイもロドニーにおどけて“I'm a guy(僕はsコイツだ)”と繰り返すシーンは、この作品の中でも最も気に入っているシーンの一つだ。そして、私よりも歳上にもかかわらず、体を張ったアクションをこなしているのは尊敬に値する。
 そして、ジューンを演じたキャメロン・ディアスが可愛い。他の女優ならともかく、彼女を相手役に起用した以上は、この作品は絶対にコメディでなければいけない(笑)。アントニオに自白剤を注射されて、次から次へとアントニオに悪態をつくシーンはサイコーだ。また、前半は完全にロイに引っ張り回されていたジューンが、後半では逆にロイを引きずり回す側に転じるのが観ていて面白い。前半では何度もロイに薬を飲まされて意識を失ったジューンが、最後には逆にロイに薬を飲ませて連れ去るという対照的な描写もいい。前半では気づいたらビキニを着ていたジューン、ラストでは意識を取り戻したら短パンに履き替えていたロイ。予告編で何度も聞かされたロイの“With me, without me”という台詞までもジューンがしっかりとコピーしていたのには笑った。