評     価  

 
       
File No. 1311  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年11月13日  
       
製  作  国   中  国 / 香  港  
       
監      督   ディン・シェン  
       
上 映 時 間   95分  
       
公開時コピー   逃げるが勝ち!!  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ジャッキー・チェン [as 兵士]
ワン・リーホン [as 将軍]
ユ・スンジュン
リン・ポン
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    紀元前227年、群雄が割拠する戦国時代の中国。衛国軍が梁国に攻め入り、死闘の末に結局両軍ともに全滅した。そんな戦いの末、生き残った人間が2人いた。ひとりは、死んだふりをして難を逃れた梁の兵士と、もうひとりは深手を負いながらも生き延びた衛の将軍だった。梁の兵は将軍が傷のために動けないのをいいことに、彼を捕虜にして引き替えに得られる畑と金という報酬に胸を膨らませて梁を目指すのだった。
 捕虜として捕まるよりも戦場で名誉のある死を選ぶ衛の将軍と、何よりも命を大切にする梁の兵士は、互いに自分の意見を譲ろうとせず、反発しながらも旅を続けた。道中で女に薬を盛られて馬と食料を持ち去られ、仕方なく荷車に将軍を乗せて運んでいたところが、今度は山賊と化した農民たちに荷車まで奪われてしまう。しかし、彼ら2人の旅の最大の敵が、秘かに将軍の行方を追っていた。それは将軍の実の弟が率いる小部隊で、その目的は将軍の救出ではなく暗殺することだった。
 なんとしても将軍を生かしたまま捕虜として梁まで連れ帰らなければならない兵士は、皮肉なことに命がけで敵・衛国の将軍を守らなければならなくなった。果たして2人は無事梁に辿り着くことができるのだろうか・・・・・?
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    この作品に構想20年?中国で公開されたジャッキー主演作で最高の興行収入?正直とてもそれほどのスケールの作品とは思えない。どう考えても『プロジェクトA(1984年)』『ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年)』辺りには遠く及ばないと思うのだが、もしかしてその頃のジャッキー作品は中国では公開されていないとか?・・・・・まさかそんなことはないよね。
 作品の性格が今ひとつ掴みにくいのが最大の難点。コメディとしてもシリアスなドラマとしても中途半端で、さらに致命的なのはジャッキーお得意のアクションも封印されているという点だ。アクションを封印したという点では昨年公開された『新宿インシデント』もそうなのだが、あの作品ほどの強い主張も感じられないこの『ラスト・ソルジャー』の一体どこを観ればいいのだろうか。
 原題の『大兵小将』(英題LITTLE BIG SOLDIER)の意味も今ひとつ理解に苦しむ。“大兵”がジャッキー、“小将”がワン・リーホンを意味しているのは間違いないが、ジャッキーがワン・リーホン扮する将軍(実は皇太子)を「小さい奴」と言うならわかるが、実際はその逆でワン・リーホンが何度もジャッキーを「小さい奴」とけなしているため、観ていて途中で危うく混乱を来すところだった。
 また、これは日本で付けられたから仕方ないものの、公開時コピー「逃げるが勝ち!!」というのは、どう考えても作品の内容を微塵も理解せずにテキトーに考えられたとしか思えない杜撰なコピーだ。ジャッキーが出演する作品を観て後悔させられたのは、おそらくは1982年の『ドラゴン特攻隊』以来の快挙・・・・・じゃなくて、怪挙だと言えるだろう。本当にこれがジャッキーが20年もの構想を実現させた作品なのだろうか・・・・・?