評     価  

 
       
File No. 1314  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年11月19日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   デヴィッド・イェーツ  
       
上 映 時 間   146分  
       
公開時コピー       

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ダニエル・ラドクリフ [as ハリー・ポッター]
ルパート・グリント [as ロン・ウィズリー]
エマ・ワトソン [as ハーマイオニー・グレンジャー]
ヘレナ・ボナム=カーター [as ベラトリックス・レストレンジ]
ロビー・コルトレーン [as ルビウス・ハグリッド]
トム・フェルトン [as ドラコ・マルフォイ]
レイフ・ファインズ [as ヴォルデモート]
マイケル・ガンボン [as アルバス・ダンブルドア]
ブレンダン・グリーソン [as アラスター・“マッド-アイ”・ムーディ]
リチャード・グリフィス [as バーノン・ダーズリー]
ジョン・ハート [as オリバンダー老人]
ジェイソン・アイザックス [as ルシウス・マルフォイ]
ヘレン・マックロリー [as ナルシッサ・マルフォイ]
ビル・ナイ [as ルーファス・スクリムジョール]
ミランダ・リチャードソン [as リータ・スキーター]
アラン・リックマン [as セブルス・スネイプ]
マギー・スミス [as ミネルバ・マクゴナガル]
ティモシー・スポール [as ピーター・ペティグリュー]
イメルダ・スタウントン [as ドローレス・アンブリッジ]
デヴィッド・シューリス [as リーマス・ルーピン]
ジュリー・ウォルターズ [as ウィーズリー夫人]
ボニー・ライト [as ジニー・ウィーズリー]
 
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あ ら す じ    ダンブルドアを失った魔法界で、ヴォルデモート率いる闇の魔法使いたちの勢力は増大し、魔法省を手始めについにはホグワーツまでもがヴォルデモートの支配下に置かれてしまう。そして、ヴォルデモートの魔手はマグルの世界までにも及ぶようになった中、ハリーロンハーマイオニーの3人は、ダンブルドアから託された使命を果たすため、ヴォルデモートの“分霊箱”を見つけ出して破壊するための旅に出る。
 今まではピンチに陥ったときに救いの手を差し伸べてくれたダンブルドアもいない中、誰の助けも期待できない3人は今まで以上に信頼し助け合わなければならなかった。しかし、ヴォルデモートの分霊箱の一つを見つけた3人は、それを交代で身につけているうちに、ロンが分霊箱が及ぼす悪影響から疑心暗鬼に陥ってしまう。ハリーとハーマイオニーの仲を次第に疑うようになったロンは、ついに2人と行動を共にすることを拒絶して姿を消してしまう。
 ハリーとハーマイオニーは、仕方なく2人で分霊箱を破壊できるという“グリフィンドールの剣”を探す旅を続ける。そして、ついに見つけたグリフィンドールの剣を目の前にして窮地に陥ったハリーを救ったのは、2人と別れて別行動をとっていたロンだった。分霊箱をグリフィンドールの剣で見事打ち壊し、再び3人揃ったハリーたちだったが、ヴォルデモートに与するベラトリックスに捕らえられてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    足かけ11年にも及ぶ『ハリー・ポッター』シリーズもいよいよ最終章となり、今までのどちらかと言えばノンビリした雰囲気のある学園ものとは明らかに異なる様相を呈する作品になっている。作品全体を包む重苦しい雰囲気と薄暗いシーンの連続には、1作目から観続けてきてハリーたちとともに成長した子供たちが観る分にはいいが、もはや小学生の子供連れの親子が一緒に楽しめるファンタジーではなくなっているのは確かだ。それは、“マッド-アイ”やドビーといった主要キャラクターが次々と命を落としていくことにも如実に表れている(ネタバレになったらゴメンナサイ)。また、ロンがハリーとハーマイオニーのあるはずもない姿を見せつけられるシーンなど、どう観ても子供向けの映像とは言い難い。それにしても、シリーズスタート時にはまだ子供だったダニエル・ラドクリフ君にも無精ひげが見られるとは、時の流れを感じずにはいられない。ハーマイオニー役のエマ・ワトソンも、もはや“女の子”ではなく立派な“女性”に成長し、ずいぶんと垢抜けて美人になった物だとついつい、見とれてしまった。
 4作目の『炎のゴブレット』で原作を読むのをやめてしまって以来、確実に誰が誰だかを把握するのに要する苦労は大きくなってきている・・・・・と言うより、正直もう主要人物以外は把握しきれない。そして、盛り上がるシーンはすべてPart2にお預けとなっていて、この作品は最期まで淡々とストーリーが展開するため、今までになく尺を長く感じてしまった。
 ラストシーンも、「え?これで終わり?」と唖然とさせられる終わり方で、予告編で観たヴォルデモートとハリーの対面もこの作品では観られなかった。私のお気に入りキャラであるアラン・リックマン扮するスネイプの出番もわずかだったし、これでは完全にPart2へ向けての布石以外の何物でもない。例えは悪いかもしれないが、Part2に美味しいところを全部持って行かれた“出がらし”のような味気なさが残る作品だった。加えて、「シリーズ初の3D」という謳い文句だったはずなのに、直前に3D編集が間に合わなかったために2Dでの公開とは、あまりにお粗末過ぎはしないだろうか。ワーナーの商業主義に乗せられるのは癪なのだが、こうなったらPart2に期待するほかはない。今までのシリーズ中では『不死鳥の騎士団』と並んで最も★の数が少ないのも当然の結果だろう(むしろ★7個では評価が甘過ぎたかもしれない)。