評     価  

 
       
File No. 1321  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年12月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   山崎 貴  
       
上 映 時 間   138分  
       
公開時コピー   日本人が初めて世界に挑むSFエンターテインメント  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   木村 拓哉 [as 古代進]
黒木 メイサ [as 森雪]
柳葉 敏郎 [as 真田志郎]
緒形 直人 [as 島大介]
西田 敏行 [as 徳川彦左衛門]
高島 礼子 [as 佐渡先生]
堤 真一 [as 古代守]
橋爪 功 [as 藤堂平九郎]
池内 博之 [as 斉藤始]
マイコ [as 相原]
矢柴 俊博 [as 南部康雄]
浪岡 一喜 [as 加藤]
三浦 貴大 [as 古屋]
斎藤 工 [as 山本]
山崎 努 [as 沖田十三]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    2194年、外宇宙に突如出現した正体不明の敵・ガミラスの遊星爆弾攻撃によって、地球は壊滅的な被害を受け、防戦もむなしく人類の大半は死滅してしまう。それから5年後の2199年。遊星爆弾によって地球は放射能に汚染されてしまい、わずかに生き残った人類は地下に逃れて暮らしていたものの、人類が滅亡する時は刻一刻と迫っていた。
 そんなある日、地球に未確認物体が落下してくる。それは地球から14万8千光年離れた惑星・イスカンダルからの通信カプセルで、そこには波動エンジンの設計図とイスカンダルの座標が記されていた。イスカンダルに人類を救う手立てがあると考えた沖田十三は、地球防衛軍・長官の藤堂平九郎に最後の宇宙戦艦・ヤマトをイスカンダルへの航海に使わせてほしいと進言した。沖田の願いは聞き入れられ、14万8千光年という人類にとって未知の旅に出るための航海スタッフが募られることとなった。
 先頭班長に任命された古代進もまた、そんな志願兵のひとりだった。彼はかつて地球軍のエース・パイロットとして名を馳せていたが、自分が撃墜したガミラス遊星爆弾によって家族を失い、それ以来軍を退いていたのだった。そんな彼がヤマト搭乗に志願した理由は、人類最後の希望を自らの手で実現することに加え、かつて兄・古代守を見殺しにした沖田艦長の人となりを知るためでもあった。
 航海班長の島大介、コスモタイガーの加藤らかつての古代の戦友たちが乗り込む中、ひとり古代に対して反感を露わにしていたのは、コスモタイガーのトップパイロット・森雪だった。スタッフは揃い、いよいよヤマトは発進の時を迎えるが、その動きを察知したガミラスからの巨大ミサイルがヤマトを迎え撃つ。ヤマトはぶっつけ本番で波動砲を発射してこれに対抗する。未知数の兵器・波動砲は、ミサイルはもちろんのこと発射元であるガミラス艦をも一撃で粉砕してしまうのだった。恐るべき波動砲の威力に魅せられたヤマト乗組員たちは、地球滅亡まで残された1年という期限内にイスカンダルへたどり着いて、地球を救う方法を見つけて戻るという使命を改めて心に刻み込んで旅立っていく・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    ヤマトファンの私としては、興奮と感動のあまり、前進に鳥肌が立った・・・・・というのはヤマトが発進して最初に波動砲を発射するまでで、その後は・・・・・。ヤマトから見るからに模型っぽい質感を感じてしまうのはツラいところで、こういう点ではまだまだハリウッドには及ばないようだ。島を演じた緒形直人、ギバちゃんの真田技師長、池内博之の斉藤、それに徳川機関長に西田敏行はなかなかのハマリ役で、山崎努の沖田艦長も悪くなかったのだが、なぜ佐渡先生や相原が女性なのか?しかもあの佐渡酒造と美人の高島礼子では共通点は皆無で、せめて佐渡先生ではなく別の名前にするべきだったのでは?それと、森雪が古代の名を呼ぶときはやっぱり「古代さん」じゃなくて「古代くん」じゃなければね。
 オリジナルでは生活班の班長だった森雪がコスモタイガー(艦載の戦闘機)のパイロットという設定は、黒木メイサのイメージを優先させてのことだろうか。黒木メイサが演じたからこそ勇猛果敢で男勝りな森雪も悪くはないが、私としては戸田恵梨香あたりにオリジナル通りの森雪を演じてみてもらいたかった気がする。そして何よりも悲しいのが古代進を演じたのがキムタクという点だ。この作品では彼にしては珍しく熱のこもった演技を見せてくれてはいるものの、随所ではいつも通りの軽〜いノリの地が丸見えで、やっぱり彼は誰を演じてもキムタクのままだということを再認識させられた。
 こんな私のように『ヤマト』に対して思い入れの強いファンにとっては、これで納得しろというのは無理な相談だ。個人的にはデスラー総統やスターシャを誰が演じるのか(もちろんデスラーは伊武雅刀以外には考えられないのだが)非常に楽しみにしていたのに、ガミラス星人が生命集合体だとかいう意味不明な説明で煙に巻かれてしまった。また、後半は『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』をモチーフにしているのは明らかなのだが、必要以上にキャラクターを死なせるのが嫌みにすら思える。沖田艦長が亡くなるのはオリジナル通りだが、加藤や斉藤に徳川機関長、挙げ句には真田まで死なせてしまうとは、もしこの作品が大ヒットを記録しても続編を製作するつもりははなから無いようだ。まぁ、(以下、完全なネタバレのために伏せ字)加藤、斉藤、徳川機関長、真田に加えて、肝心の古代進まで死なせてしまっては、続編の製作などとうてい無理な話ではあるんだけど。