評     価  

 
       
File No. 1322  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2010年12月03日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ネヴェルダイン / テイラー  
       
上 映 時 間   95分  
       
公開時コピー   [運命を、クリアせよ]
世界が熱狂する【ゲーム】それは脳を操られた囚人による究極のバトル
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジェラルド・バトラー [as ケーブル/ジョン・ティルマン]
マイケル・C・ホール [as ケン・キャッスル]
アンバー・ヴァレッタ [as アンジー]
ローガン・ラーマン [as サイモン・シルバートン]
テリー・クルーズ [as ハックマン]
アリソン・ローマン [as トレース]
ジョン・レグイザモ [as フリーク]
ゾーイ・ベル [as サンドラ]
クリス・“リュダクリス”・ブリッジス [as ヒューマンズ・ブラザー]
キーラ・セジウィック [as ジーナ・パーカー・スミス]
ラムジー・ムーア [as ジョージ]
ブリード・フレミング [as デリア]
ジョニー・ホイットワース [as トラヴィス・スコッチ]
マイケル・ウェストン [as プロデューサー]
アーロン・ヨー
ジョナサン・チェイス
ジョン・デ・ランシー
マイロ・ヴィンティミリア
ヘンリー・ハヤシ
キース・デヴィッド
ミミ・マイケルズ
ロイド・カウフマン
 
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あ ら す じ    2034年。世界中の人々は、“スレイヤーズ”という名のオンライン・ゲームの中で、生身の人間を戦わせるゲームに熱狂していた。ゲームのキャラクターは全員が死刑囚で、ナノ細胞を大脳皮質に移植された彼らはプレイヤーの意のままに操られ、マシンガンを手に銃撃戦を繰り返す。そして、30ゲームをクリアすれば恩赦で無罪放免となるシステムになっていた。このゲームの考案者ケン・キャッスルは、今やビル・ゲイツを抜いて世界最大の資産家なり、時代の寵児としてもてはやされていた。
 17歳の天才プレイヤーサイモン・シルバートンに操られるケーブルことジョン・ティルマンは現在27ゲームをクリアしており、釈放まであと3ゲームでと迫っていた。彼は愛する妻アンジーと一人娘のデリアを取り戻すために戦い続けていたのだった。そんな彼に協力を求めて、“ヒューマンズ”と名乗るレジスタンス組織の一員トーレスが接触してくるのだった。
 キャッスルにはケーブルに30ゲームをクリアさせてはならない理由があった。ケーブルが第1級殺人の罪に問われたのは実は冤罪で、彼が犯した殺人はキャッスルの意のままに操られた結果であって、そのことが公になることをキャッスルは恐れていたのだ。そしてキャッスルは、誰にも操作されていない戦士ハックマンを、ケーブル抹殺のために“スレイヤーズ”に送り込んでくる。しかし、ハックマンをも退けたケーブルはいよいよ最後の戦いで、サイモンの制止をも振り切ってナノ細胞の制御が効かない制限区域外への脱出に成功するのだった。
 自由の身となったケーブルはアンジーを取り戻すが、里子に出されたデリアの里親がキャッスルであることを知らされると、すべてに決着をつけるために単身キャッスルの邸宅へと乗り込むのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    観ている間ずっと気になっていたのが、シュワちゃん主演の『バトルランナー(原題:THE RUNNING MAN)』と設定が非常に似通っているという点だった。調べてみると、スティーヴン・キングが原作の“THE RUNNING MAN”は、この作品の原作のパクリだとかそうじゃないとか。真偽については定かではないが、主演がシュワちゃんだということを抜きにして、ストーリーだけを比べてみても私は『バトルランナー』の方が好きだ。
 そもそもこの作品の設定には無理があると思う。ケーブルら“スレイヤーズ”のキャラクターたちがプレイヤーに操られているのであれば、これまで27回のゲームをクリアできたのはすべてサイモンの手腕によるところであって、操られるキャラクターの能力はほとんど無関係だということにならないだろうか。そう考えると、サイモンのの操作から逃れることが勝ち抜くために必要だというケーブルの考えは明らかに矛盾していることになる。その辺りの細かい粗が、『バトルランナー』と比べると目立ってしまうのが残念だ。もっとも、『バトルランナー』の場合には、シュワちゃんの圧倒的な存在感に細かい粗など霞んでしまって目に入らなかったのかもしれないが。
 斬新さを狙ったのかはわからないが、映像が非常に観づらいのも気になる。特に、ケーブルが妻・アンジーを連れて逃げるシーンなどは、途中で観るのをやめようかと思ったほど不愉快だった。かつての『ポケモン』のように、映像を観て気分が悪くなる観客が現れてもおかしくない、それほど目まぐるしくかつ細切れの画像は見苦しかった。
 このところ『バウンティー・ハンター』『男と女の不都合な真実』とコメディ続きだったジェラルド・バトラーだが、彼には『300』やこの作品のように男臭い役柄もまた似合っている。そして、パーシー・ジャクソンを演じたローガン・ラーマンが天才プレイヤー役で登場しているのも見所だ。ラストシーンは『バトルランナー』同様に、それまでの鬱憤を晴らすかのような爽快さを味わえる作品ではあった。