評     価  

 
       
File No. 1337  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年01月07日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   トニー・スコット  
       
上 映 時 間   99分  
       
公開時コピー   生きて帰れたら、言いたいことがあるんだ。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   デンゼル・ワシントン [as フランク・バーンズ]
クリス・パイン [as ウィル・コルソン]
ロザリオ・ドーソン [as コニー・フーパー]
イーサン・サプリー [as デューイ]
ケヴィン・ダン [as ガルビン運行部長]
ケヴィン・コリガン [as スコット・ワーナー]
ケヴィン・チャップマン [as バニー]
リュー・テンプル [as ネッド・オールダム]
ジェシー・シュラム [as ダーシー・コルソン]
デヴィッド・ワルショフスキー [as ジャッド・スチュワート]
アンディ・アンバーガー [as ジェーンウェイ]
エリザベス・マティス [as ニコル・バーンズ]
ミーガン・タンディ [as マヤ・バーンズ]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    ペンシルバニア州ウィルキンスのフラー操車場で、39両編成の貨物列車777号を移動させようとした運転手デューイが、ブレーキ操作を不完全なまま運転席から離れたために、ブレーキは解除されて777号は勝手に自走し始めた。そして、鉄道見学の小学生が大勢乗り込んだ列車は引き込み線に避けて難を逃れたものの、777号はますます加速しながら暴走を続けていった。
 39両・全長800mにも及ぶ777号には極めて発火性の高い化学薬品や大量のディーゼル燃料が積載されており、それはひとつの町を壊滅させるほどの巨大ミサイルに匹敵した。777号暴走の報告を受けた操車場長のコニー・フーパーは、事態の重大性を知るとガルビン運行部長に777号を市街地に入る前に脱線させるよう上申するが、ガルビンは会社が被る被害額の大きさからコニーの申し出を却下してしまう。そして、777号の前に機関車を連結して停止させる策や、ヘリから777号に人を降下させる策を講じるものの、いずれも失敗に終わってしまう。
 その日初めて相対したベテラン機関士フランク・バーンズと、新米車掌ウィル・コルソンは、同じペンシルバニア州のブリュースターにあるミンゴ操車場で、同じ機関車に乗り込むことになった。フランクは28年勤めた会社から強制早期退職を言い渡されており、一方のウィルは親戚が会社の重役のために優遇されていると周囲から見られていた。そんな2人はぎこちない雰囲気を漂わせながら旧式機関車の1206号に乗り込んだ。
 操車場のコニーから前方から777号が暴走してくる旨の報告を受けたフランクは、かろうじて待避線に逃れて正面衝突を免れると、次に驚くべき行動をとった。牽引している貨物をすべて切り離し、1206号を逆走させて777号の後を追い始めたのだ。すれ違いざまに777号の最後尾の連結器が開いていることに気づいたフランクは、自分たちが777号を追って後ろから引っ張って止めるられると判断したのだった。
 777号を追いかけるフランクとウィルの1206号、その様子は事件をかぎつけたマスコミによってテレビ中継されていた。事態を見守る群衆の中には、フランクの2人の娘マヤニコル、そして現在別居中のウィルの妻ダーシーの姿もあった。このままでは777号は行く手に待ち構えている“スタントンの大曲り”と呼ばれる急カーブの高架を曲がりきれず、脱線・転落することは間違いない。人々は皆1206号を期待と不安の目で見守るしかなかった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    これは理屈抜きに面白い!仕事から帰ってからのレイトショーのため、観る前は眠気で意識を失うのではないかと危惧されたが、そんな心配は完全にかき消されて、最後まで手に汗握る(大袈裟か?)スリル満点のスクリーンに目が釘付けにされっ放しの99分だった。
 それにしても、クライマックス・シーンである“スタントンの大曲り”の映像は一体どうやって撮影したのか、非常に興味がある。失敗すれば大惨事になりかねないシチュエーションだから、まさか実際に列車を走らせたとは思えないし、あれがCGだとしたら、改めて今のCG技術では作れない映像はないということを思い知らされる。と同時に、どこまでが実車なのかどこまでがCGなのかも、もはや映像を見て判別することは不可能なんだろうな。
 冷静に、というか、批判的な目で見れば粗がないわけではない。時速100kmを超えるコースター(無人暴走列車)に、時速90kmがせいぜいというフランクとウィルを乗せた牽引車がどうして追いつけるのか。また、運動エネルギーは重量に比例し速度の2乗に比例するから、仮にフランクらの乗る牽引車にいくら馬力があったとしても、39両のコースターとでは何十倍にも及ぶ重量差は如何ともし難い。まして、相手も惰性で走行しているのではなく自力で走行しているわけだから、止めることはおろかおそらくは減速させることさえ不可能なのではないだろうか。
 暴走列車を決死の覚悟で追うフランクとウィルのそれぞれに家族の絆を絡ませる辺りは、ひねくれた見方をすればあざとく思えなくもないが、ドラマを盛り上げるのには実に効果的だ。2人の娘との関係を修復したいフランク、妻と息子との接見禁止を言い渡されているウィル、そんな2人を見守る家族の思いがスクリーンからひしひしと伝わってきて、少しばかり目頭が熱くなってしまった(笑)。