評     価  

 
       
File No. 1340  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年01月08日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   フランソワ・オゾン  
       
上 映 時 間   103分  
       
公開時コピー   色とりどりの傘があれば、
人生の前もまた楽しい。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   カトリーヌ・ドヌーヴ [as スザンヌ・ピュジョル]
ジェラール・ドパルデュー [as モリス・ババン]
ファブリス・ルキーニ [as ロベール・ピュジョル]
カリン・ヴィアール [as ナデージュ]
ジュディット・ゴドレーシュ [as ジョエル]
ジェレミー・レニエ [as ローラン・ピュジョル]
エヴリーヌ・ダンドリー
エロディ・フレージェ [as 若き日のスザンヌ]
ガウティア・アバウト [as 若き日のババン]
ジャン=バプティステ・シェルマーディン [as 若き日のロベール]
セルジ・ロペス [as スペイン人トラック運転手]
ブリュノ・ロシェ [as アンドレ]
 
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あ ら す じ    1977年のフランス。雨傘工場を経営するロベール・ピュジョルを夫に持つブルジョワ主婦のスザンヌ・ピュジョル。夫からは仕事も家事もするなと言われ、朝の日課のジョギングの後は、趣味の詩作にふける以外は特にすることもない毎日を送っていた。そんな退屈な日々であっても、スザンヌはそれも一つの幸せの形であると自分に言い聞かせてきた。
 ある日雨傘工場で、社員の最低限の要求すら聞く耳を持たないロベールに耐えられなくなった社員がストライキを起こす。それでも労働組合の要求を断固拒否したロベールは、社長室に監禁されてしまったにもかかわらず、仲裁に出向いた息子のローランを暴力で追い返すなど、とりつく島もない状態だった。そこでスザンヌは、かつて若い頃に恋に落ち、いまも友人関係が続いている市長のババンの力を借り、ようやくロベールは監禁状態から解放された。
 ババンに助けられたにもかかわらず、ロベールはババンが組合に提示した仲裁案を一切受け入れようとしないばかりか、ババンに対して怒りをぶつける始末。そしてその挙げ句、持病の心臓発作に襲われたロベールは、スザンヌを自分の代理として組合との交渉に向かわせ、療養のために入院してしまった。
 会社経営について何も知らないスザンヌだったが、創業者である父の遺志に沿うよう十号院に対して家族のような思いやりをもって接した甲斐があり、無事ストは終結した。そして、スザンヌが自分のアシストに起用した、今までロベールと一緒に働くことを堅く拒んでいたローランの斬新なデザインも好評で、工場は今までと見違えるほど業績を伸ばしていった。ところがそこへ退院した夫が戻ってくるや否や、スザンヌに元の生活へ戻れと頭ごなしに命令する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    来日してフジテレビの軽部アナのインタビューを受け、そのタカビーな態度がどうも不愉快だったカトリーヌ・ドヌーヴの主演作。確かにかつて若き頃はかなりの美人だったようだが、私がその当時の彼女をリアルタイムで知るはずもない(ちなみに、彼女の若い頃の画像を見ると、この作品で娘のジョエルを演じたジュディット・ゴドレーシュに似ている気がする)。今となっては67歳という年齢はともかくとしても、あれほど肥えてしまっては貫禄だけは充分だが、かつての美人女優の片鱗も感じられないというのが正直なところだ。せめて、日本の吉永小百合さんを見習ってほしいものだ。
 作品自体は非常に分かり易くできているし、基本がコメディだから退屈することはない。ただ、タイトルが『しあわせの雨傘』であるにもかかわらず、後半は予想もしない展開を見せて、ハッキリ言って雨傘なんてもうどうでもいい、という感じ(笑)。スザンヌが自立に目覚めて行動を起こすのはいいが、端でそれを傍観しているロベールやババンが寂しそうで、同じ男性としてはさすがにちょっと同情したくなる(笑)。
 作品を観てずっと疑問だったのが、なぜ時代設定が1970年代なのかという点。おそらくそれはロベールのように「女は家で家事をこなしていればいい」なんていう、今では時代錯誤とも言える固定観念がまだまかり通っていた時代だからではないかという気がする。今でこそ当たり前になっているが、当時はまだ確立されていなかった女性の社会進出を描いた作品ではあるが、個人的にはどうも男性ばかりが悪者にされているような気がし、ちょっと心中穏やかじゃなかった(笑)。