評     価  

 
       
File No. 1341  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2011年01月08日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョエル・ベルクヴァール  
       
上 映 時 間   85分  
       
公開時コピー   瀕死の事故でシャッフルされた「人格」。
全ての謎を解き、愛する夫をこの手に取り戻せるか
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   サラ・ミシェル・ゲラー [as ジェス]
リー・ペイス [as ローマン]
マイケル・ランデス [as ライアン]
ツヴァ・ノヴォトニー [as キャセイ]
チェラー・ホースダル [as ミランダ]
ポール・ジャレット [as 精神科医]
ウィリアム・B・デイヴィス [as Dr.クレーン]
ヴィーナ・スード [as Dr.カッツ]
デヴィッド・ルイス [as デヴィッド神父]
 
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あ ら す じ    愛する夫ライアンと幸せに暮らす弁護士のジェス。2人の穏やかな生活は、ライアンの夫ローマンが保護観察付きで刑務所から出所してきた時から揺らぎ始める。行く当てのないローマンを仕方なく同居させてはいるものの、ジェスは夫とは正反対で暴力的なローマンがいつかまた何か暴力をふるうのではないかと気が気でなく、ライアンにローマンを出て行かせるように頼んでみるのだが、ライアンは弟を見捨てることができずに、3人のぎこちない共同生活は続けられていた。
 そんなある日、ジェスがローマンと一緒の生活は耐えられないとライアンに訴えているのを、ローマンに聞かれてしまう。すると、意外にもローマンは何も言わずに荷物をまとめて、何も言わずに車で出て行ってしまった。それを知ったライアンは、弟を放っておくことができずに、車で弟を探しに出かけた。そして、悲劇が訪れる。視界が利かない深い霧の中、偶然にもローマンの車とライアンの車が正面衝突してしまい、2人共に意識不明の瀕死の重傷を負ってしまうのだった。
 担当医からは、2人が意識を取り戻す可能性は極めて低いと言われていたが、ある日ローマンの意識が戻った。ところが、目覚めたライアンの性格は以前とすっかり変わっており、その上自分がライアンであるかのような言動を見せる。もしかしたらローマンの体にライアンの人格が乗り移ったのか、そんな考えがジェスの頭の中をよぎったが、それでもやはりローマンがライアンだと信じ切ることができなかった。しかし、ライアンと2人で旅をした時に出会った老夫婦を見た時にライアンがささやいた言葉「僕たちの未来だ」、その古葉をローマンの口から聞いた時、ジェスはやっと彼の中身が愛する夫のライアンであることを確信したのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    本当は公開初日に観ようと思っていたのだが、レイトショーの1回きりの上映と知り、だったらわざわざ休日に新宿まで出向くよりも、平日の会社帰りに観た方がいいと考えたまではよかった。が、あいにく新年早々風邪をひいてしまって会社帰りに劇場へ行く気力もなく、1週間以上たってやっと元気が戻ってきたので観ることができたのだが・・・・・メンズデーの1,000円で観て大正解。正規の料金を払っていようものなら、間違いなく「金返せ!」モードに突入していたことだろう。
 そもそも、『シャッフル2』なんていう邦題を付けた配給会社(クロックワークス)には、良心や羞恥心、モラルといった観念が欠如しているんじゃないかと疑いたくなる。2009年に公開されたサンドラ・ブロック主演『シャッフル(原題:PREMONITION)』の場合は、確かに1週間の曜日がバラバラに並べ替えられていたから、これを“シャッフル”という邦題にしたのは実に的を射ていると言える。ところが、この作品の場合は、サンドラの『シャッフル』とはもちろん何の関連もない。今回は珍しくオフィシャルサイトであらすじを読んでから劇場に望んだのだが、観る前から「この作品のどこがシャッフルなのだろうか?」という疑問を感じていた。そして、実際に観てみると、事故に遭った兄弟2人の人格が入れ替わるのは明らかに“シャッフル”ではなく、副題の“エクスチェンジ”の方が正しいことを確信した。それを『シャッフル2』なんて邦題にするとは、サンドラ主演の『シャッフル』を観た観客を再び釣ろうという浅ましさすら感じてしまう。
 乱暴な言い方をすれば、広末涼子主演の邦画『秘密』で事故に遭遇した母と娘の人格が入れ替わってしまうのと同様に、この作品では主人公ジェスの夫と、夫の弟の人格が入れ替わる。作品の内容自体は特に面白いと感じる点もないものの、つまらない駄作とけなすような内容でもない。ところが、その時私は既に『シャッフル2』という邦題に詐欺にあったような気分にさせられていたため、よほどの大どんでん返しでもない限りこの作品の汚名返上はもはや不可能、申し訳ないが(笑)。