評     価  

 
       
File No. 1346  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年01月15日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   藤田 容介 (ハゲマシガールズ)
松梨 智子 (Boy? meets girl)
呉 美保 (くれえむないと!)
関口 現 (せびろやしき)
 
       
上 映 時 間   91分  
       
公開時コピー   ♪AメロBメロをすっ飛ばして、
いきなり“サビ”から入る!!
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト  
 『ハゲマシガールズ』
桜庭 ななみ [as チハル]
川村 エミコ [as サナエ]
白鳥 久美子 [as マミコ]
中村 倫也 [as ミツル]
長野 克弘 [as 小金崎]
村杉 蝉之介 [as 星村]
荒川 良々 [as マスター]
 
 『Boy? meets girl』
中村 蒼 [as 村椿幸之助]
蓮佛 美沙子 [as 城山香織]
草野 イニ [as 加藤]
 
 『くれえむないと!』
友近 [as 楠原繭子]
福田 転球 [as 葛西秀樹]
 
 『せびろやしき』
小泉 今日子 [as 岡田真弓]
森下 能幸 [as 平田克彦]
堀部 圭亮 [as 木戸勝男]
田中 哲司 [as 岡田義男]
 
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あ ら す じ  
 『ハゲマシガールズ』
 元チアリーダーのチハルは、大学の友達サナエマミコの3人でハゲマシガールズを結成して、落ち込んでいる人を独特のパフォーマンスで励ますのを日課にしていた。ある日、通い付けの店を訪れた3人は、マスターから、50歳を過ぎてなお現役を続けるプロ野球選手小金崎を励まして欲しいと頼まれた。
 ところが、3人からハゲマシを受けた小金崎は3人からおちょくられたと勘違いして引退を発表してしまい、それをテレビで観ていたチハルは落ち込んでしまう。そんなチハルの元に、以前3人でハゲマシた会社員星村から再びハゲマシの依頼が入る。それは、何と自殺する勇気がでない自分をハゲマシて欲しいというものだった・・・・・。
 
 『Boy? meets girl』
 地味で目立たない高校生村椿幸之助は同じクラスの学年一の美少女で写真部長の城山香織に密かに憧れていた。けれども、自分に自信がなく香織に声をかけることすら出来ない幸之助は、ついに自殺をしようとまで思い込んでしまう。ところが、そんな幸之助に友人の加藤は、どうせ死ぬならと幸之助に女性のメイクをして、幸之助を連れて原宿へデートに連れ出した。
 ところが、女装した幸之助にすれ違う男たちの誰もが見とれ、写真をせがまれるという予想もしない結果に、自信が生まれた幸之助はますます女磨きに熱を入れるようになる。女装した自分だったら香織にも告白できる、そう考えた幸之助はある日、公園で撮影をしていて誤って池に落ちてしまった香織に助け寄った。すると、香織は女装の幸之助を一目見て写真のモデルとして惚れ込んでしまう。それ以来美優と名乗った幸之助は、モデルとカメラマンの関係として香織と一緒に過ごすことが多くなっていくのだが・・・・・。
 
 『くれえむないと!』
 35歳の独身女性楠原繭子が、ある日仕事から帰宅すると電気が止められていた。電力会社に電話すると、オペレーターから電気料金の支払いを忘れていたことに気づくが、マニュアル通りのオペレーターの対応に腹を立てた繭子は自分の落ち度をそっちのけでオペレーターにクレームをまくし立てたところ、オペレーターは途中でいきなり電話を切ってしまった。
 それからほどなく、電力会社の苦情処理責任者である葛西秀樹が謝罪に訪れる。繭子が電気を止められたことで冷蔵庫内の食材が駄目になってしまったと責めると、葛西は「すぐ戻る」と言って家を飛び出す。間もなく戻ってきた葛西は、冷蔵庫の中身と同じ食材を買って戻ってきたのだ。帰ろうとする葛西を繭子は引き留め、夕食を一緒にどうかと誘った。一緒にワインを飲み同じ鍋で豚しゃぶを食べる葛西に、繭子はのぼせ上がってしまう。そして、食事をおえてくつろいでいる葛西の前に、突然ネグリジェ姿で現れた繭子は、葛西を誘惑するのだが・・・・・。
 
 『せびろやしき』
 夫と2人で一軒家に住む43歳の主婦岡田真弓は、ある日スーパーからの帰り道に、近所に住む平田克彦が公園のベンチでうなだれていたのを見かける。会社をリストラされたことを妻に言えずに毎日公園で時間を潰していたという平田を見るに見かねた真弓は、平田を家に連れ帰って夫が帰るまでの時間を過ごすよう勧めた。そして、次の日に同じ公園でまたもやリストラされたサラリーマン木戸勝男を見つけた真弓は、彼も平田と同じように自分の家に連れて帰るのだった。
 そんなことの繰り返しで、あっという間に昼間の岡田家には15人もの背広姿の男が集まるようになった。以前にも22匹もの捨て猫をかわいそうに思って拾ってきて、猫屋敷と呼ばれて近所から苦情が来た岡田家は、今度は背広屋敷と化したのだ。ところがある日、帰宅時に背広姿の男の集団とすれ違うことに疑問を持っていた真弓の夫義男が、真弓の様子を知るために会社を早退して帰宅してしまった。15人ものリストラ・サラリーマンを家に通わせたことを、義男に謝る真弓だったが、その時義男のある異変に気がついて・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    桜庭ななみの『ハゲマシガールズ』、中村蒼の『Boy? meets girl』、友近の『くれえむないと!』、そして小泉今日子の『せびろやしき』の4編の短編からなるオムニバス・ムービー。そもそもニューシネマワークショップの映画プロデューサー実習作品として製作された短編を集めて『サビ男サビ女』というタイトルでくくった作品だから、4作が内容的に絡むようなことはなく、あくまで完全に独立した作品になっている。
 私はてっきり“サビ”=“錆”だとばかり思っていたため(実は“サビ”が何なのかはコピーを見れば一目瞭然なのだが)、いざ劇場で観てみると最初の『ハゲマシガールズ』の異様なテンションの高さにはビックリ。「一体これのどこが錆なんだ??」とワケがわからなくなってしまった(笑)。
 作品としては、例によってたぴおか的独断と偏見で桜庭ななみチャンの『ハゲマシガールズ』を推したいところだが、あの“ハゲマシ”ぶりには正直観ているこっちが恥ずかしくなってしまう。ガールズの他の2人が完全に桜庭ななみの引き立て役としか思えないのもちょっとわざとらしさを感じる。そんなワケで、冷静な判断で4作品の中では友近の『くれえむないと!』が一押し。登場人物はキャスト欄に挙げた2人だけなのだが、思ったことを歯に衣着せずに吐き出す友近扮する繭子と、ひたすら下手に出てへりくだる福田転球扮する葛西という対照的なキャラクターが織りなす会話の応酬が楽しい。何を言われてもただただ謝り続けていた葛西が、我慢の限界を超えて見せる豹変ぶりは必見。
 『Boy? meets girl』では、確かに中村蒼扮する村椿幸之助の女装はキレイだとは思うけど、どう見ても本物の女には見えないでしょう(笑)。このところ『大奥』では男同士のキスや、この作品でも女装と、その手の役柄が多い気がする中村蒼。そう言えば、彼を初めて観た某テレビの連ドラでも親友に恋する設定だったが、もしかしてプライベートでもその気があったりして。
 43歳の主婦役とは、小泉今日子も歳をとったものだとしみじみ思う。実際、目の周りの小皺がやたらと目立って、衰えは隠し難い。まぁ、“あの年齢にしては”可愛いのは間違いないんだけど。田中哲司がいい味を出していて、ラストのオチは予想通りだったんだけど、それでも笑ってしまった。