評 価
File No.
1352
製作年 / 公開日
2010年 / 2011年01月29日
製 作 国
日 本
監 督
木村 祐一
上 映 時 間
94分
公開時コピー
明日が今日より幸せになる。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
村上 純
[as 古川修一]
香椎 由宇
[as 結城まり]
田畑 智子
[as 古川和恵]
高岡 蒼甫
[as 小倉弘之]
鈴木 杏樹
[as 古川慶子]
吉川 晃司
[as 古川肇]
YOU
[as 小倉の母]
板尾 創路
[as 肇の友人]
大谷 直子
[as 向かいのおばさん]
田中 要次
[as 小学校の担任]
河本 準一
[as 小倉の母]
井上 聡
[as 修一の会社の同僚]
池田 一真
[as 和恵の彼氏]
安藤 玉恵
[as 幼稚園の先生]
西方 凌
[as 竹中優子(隣のお姉さん)]
木村 祐一
[as 写真店の店主]
鈴木 理子
田中 祥平
加藤 翼
丸山 歩夢
丸山 瀬南
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あ ら す じ
親元を離れ東京で働き暮らしている
古川修一
は、彼女の
結城まり
との結婚に向けて2人で暮らす部屋を探していた。実家の両親、父親の
肇
と母親の
慶子
もまた、2人だけで暮らすには広すぎる家から引っ越すことになっていて、その引っ越しが翌週だと思っていた修一の元へ、ある日慶子から電話が入る。翌週というのは修一の勘違いで、両親の引っ越しは翌日に迫っていたのだ。
ある日修一はまりと2人で、部屋を探しにとある不動産屋を訪れる。気に入った物件が見つかったものの、帰宅した後の修一の様子がいつもと違うことに気づいたまりは、修一を問い糾したところ、修一は重い口を開いた。不動産屋で2人に対応してくれたのは、実は修一の小学生時代の同級生・
小倉弘之
だった。修一はみんなからいじめられていた小倉を助けてあげていたのだが、ある遠足の日にみんなと一緒になって小倉をいじめる側に回ってしまい、以来疎遠になってしまっていたのだった。
話を聞いたまりは、いまからでも遅くないから小倉に謝りにいくよう修一を後押しした。修一は再びあの不動産屋を訪ね、小倉に自分が小学校時代のクラスメイトの古川であることを告げ、あの時の自分の行動を謝ろうとする修一だったが・・・・・。
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たぴおか的コメント
“ワラライフ!!”とは“What a Life!!”のことで、「なんて(素敵な)人生だろう!」という意味の感嘆文・・・・・だと思う(どこにも説明が書いていないので)。日常の些細な出来事や過去の記憶からくる小さな喜びの積み重ねが大きな幸せとなる、そんな決して特別ではなく実は誰もが自分の周囲にありながら見落としていた“ワラライフ!!”、それが“キム兄”こと木村祐一監督の今回の主張のようだ。とにかく題材がありふれていて、あるいは自分の記憶にも同じような経験が思い当たるような素材の積み重ねだけに、下手をすれば何の面白みもない平板な作品になりがちだが、そこは料理人としても優れた手腕の持ち主である木村祐一のこと、平凡な素材を使いながらも不味い料理にならなかったのは評価できると思う。ただ、積極的に好きか?と訪ねられればビミョーな作品ではあるのだが。
バラエティに富んだキャスト陣に、まずは目が行く。父親役の吉川晃司、メリヤスのシャツに赤い腹巻き、そしてあの体格となると、言っちゃ悪いが堅気の父親には見えないよ。主人公・修一の弟に理不尽な叱り方をした向かいのおばさん(大谷直子)を諫めに行くエピソードがあるが、誰だってあんなオヤジに詰め寄られたらコワくて逆らず、言われるがままに従わざるを得ないだろうな(笑)。そして、母親役の鈴木杏樹。実はこの作品を観ようと思った大きな理由の一つが彼女の存在だったわけで、久しぶりに観た彼女は40を過ぎたにもかかわらずとても可愛らしい母親だった。社会人になった息子と会うと未だにハグするなんて、なんて素敵な母親だろうか・・・・・なんて思うのも鈴木杏樹だからで、これがもし彼女じゃなかったらきっと逆に気持ち悪いと感じていたんだろうな(笑)。
修一の彼女・結城まりを演じた香椎由宇だが、確かに彼女の演技力には非凡なものを感じるのだが、かつて上野樹里らと共に沢尻会に属していたこともあり、どうしても好きになれないんだなぁ。一方、修一の姉・和恵を演じた田畑智子は、既に30歳になるというのに相変わらず童顔だとはいえ、高校生を演じていてもそれほど違和感を感じないのはある意味スゴい。
物語の最大の山場は、予期しない場所で再会した小学生時代の級友・小倉(高岡蒼甫)との間に、昔の気まずい思いをそのまま引きずってきた修一が、何とかして小倉に謝ろうとするエピソードだ。私にもかつてそんな思いを抱いたまま疎遠になっている友人がいるだけに、修一の気持ちも小倉の気持ちも手に取るようにわかる気がする。でも、こういう場合って「案ずるより産むが易し」で、思い切って声をかければ意外に双方ともすんなりと仲良かった頃に戻れるものなのだ。特に、男同士の場合には(女同士はダメだと言っているわけではなく、私は男だから女同士の気持ちはわからないという意味なので、誤解のないように)。
余談だが、修一の回想シーンでは時代が時代だけに、父・肇のセリカ/リフトバックや、河本準一のフェアレディ240Zなど、往年の名車が観られるのが車マニアの私にとってはちょっと嬉しい。